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モラハラ気味の父とは全然違う優しい夫に対しても、私たちはその関係性を投影して、パートナーに対してお父さんに対するのと同じ態度を採ってしまうんです。
それに気付くことが手放しの第一歩ですし、パートナーとの関係改善にとても役立つのです。
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いつもメルマガを読ませて頂いてます。
20歳でデキ婚し、仲の良い悪いを一年おきに繰り返してきた40代主婦です。
先日とても酷い暴言を、夫に放ってしまいました。
「私の事を管理しようとしないで。気持ち悪い!」
というのがそれなのですが、自分でもなぜそんなことを言ってしまったのか良く分かりませんでした。
夫に依存してしまっていたため、結婚したくない子供も生みたくない、もとはといえば子供が出来るかも知れないようなセックスはしたくないと言えず流されて結婚しました。
ただ、夫は別に束縛するタイプではなく、ここ数年は家事を手伝って欲しいと頼めば出来る限り家事をしてくれたり、気を使ってくれたりと頑張ってくれていたのですが、かまってかまって~と子犬のようにすり寄ってくる事もあり、少々うんざりしていました。
そこにとある事件が勃発。
冒頭のセリフです。
それから数週間後、ふと気づきました。
夫に言った事は、自分の父親にずっと言いたかったことでした。
父はモラハラっぽいところがあり、自分の言うことは絶対で、家計も自分が握っているタイプでした。
子供を大事に思ってくれているのは分かるのですが、今でも困った事もあり、その度に思ったことを言えない自分がいます。
夫に父親を投影してしまっていたなんて。自分がこんなにファザコンだったなんてショック過ぎて自分が気持ち悪いです。
そして父にも夫にも言いたいことをきちんと伝えられない自分が本当に許せません。
夫とは出来れば仲良くしたいのですが、私自身も少し距離を置きたい気持ちがあり、別居の話を進めています。
こんな私が自分と父との問題を解決し、夫と向き合うにはどんな方法が有りますか。
(父に言いたいことをあなたに言ってしまいました。と伝えようかと思いましたが、向こうにしたら「はぁ?(怒)」ですよね。)
よろしければネタとして取り上げて下さい。
(Mさん)
年末年始にかけてMさんからのリクエストが続いておりますが、もちろん同じ人物ではなく、たまたまでございます。Mさんってほんと多いんですかね?
さて、夫に親を投影するというのは人間関係業界においてはあるある中のあるあるでして(笑)、それに気付いた!ということがひたすら素晴らしいことでございます。
ふつうはそれに気付かずに巻き込み事故を起こしてしまってるものですからねえ。
もちろん、それはお互いさまで「私が夫に父親を投影し、夫は私に母親を投影する」ということも頻繁に起きております。
しかも、その投影は一人ではなく、
「よくよく考えて見れば、私は夫に父親を投影するだけでなく、ある部分では母親を、別の部分では元カレを投影しています」
なんてことも頻繁に起きています。
そもそも夫婦関係というのはオギャーと生まれて様々な人間関係を体験したのちに起きるものですし、パートナーは一番親密な距離にありますから、ありとあらゆる人を投影することになっております。
もちろん、両親やきょうだいや元カレや先生や上司や友達はもちろんですが、忘れちゃいけないのは「私自身」です。
何だかんだ言って、パートナーは鏡でして、良くも悪くも自分自身を映し出す存在です。
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それともう一つ重要なことは距離感によって映し出す対象が変わっていく、ということです。
一般的には自分自身を中心として、母、父、きょうだい、祖父母、友人、同僚、知り合い、他人、という風に心理的距離が空いていきます。
パートナーというのは元々他人だったわけで、そこから距離を縮めて自分自身と統合するまで幅広いレンジで動く存在なんですね。
だから、ある時は友だちを投影し、別の時は元カレ(今の関係性によって距離は変わる)を投影し、親密さが高まってくれば父や母を投影する存在になります。
特に結婚して家族になれば「母、父、きょうだい、祖父母」などの家族を投影するのは自然なことでして、なので夫婦関係においてはよく「俺はお前のオヤジじゃねー」とか「私にお母さんを求めないで!」みたいなケンカが起きるわけです。
だから、
>夫に言った事は、自分の父親にずっと言いたかったことでした。
ってことが起きるわけですし、もちろん、旦那からすれば「はぁ?」ってことかもしれませんが、私とすればむしろ、おぉ、それだけ成長したのね~、それだけ旦那さんと親密になってきたのね~、良かった良かった、さあ、シャンパンでも開けましょうよ!ってことになるのです。
ファザコンって言えばファザコンかもしれませんけど、まあまあ、そんなに自己嫌悪しなくてもよろしいわけです(グラスをすすめながら)。
あんまり気持ち悪いとか言っちゃうと「あら、そんなにもお父さんのことが好きだったのね(はあと)」とか言われちゃいますので(笑)
さて、Mさんの場合、お父さんと旦那さんが全然性格が違ったとしても、異性である旦那さんにお父さんを投影することは自然現象です。
この辺はちょっと説明がめんどくさいので簡単に言えば「お父さん=自分と一番心理的距離の近い男性」なので、夫婦になって「自分と一番心理的距離が近い男性」に旦那さんが昇格すれば、Mさんは「お父さんに対してしていたことを無意識的に旦那さんにもしてしまう」ということになります。
これ、ものすごく重要なポイントで、夫婦関係の亀裂はこの辺から生まれることも多いです。
つまり、Mさんのお父さんがモラハラ系で自分が言うことは絶対で、言いたいことが言えなかったとするならば、旦那さんとお父さんが性格が全然異なったとしても言いたいことが言えずに流されて結婚してしまったりするんですね。
ということで、今、結婚されている方はパートナーに「父」や「母」をどれくらい投影しているのかを検証されてみるといいでしょう。
その時に注目してほしいのは「父(母)に対してしていたのと同じ態度をパートナーに対して取っていないか?」というところです。
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で、そのことに気付いたら手放すことができます。
気付いただけで、結構手放すことができちゃうものです。
なので、「ああ、またお父さんを投影したなあ」と気付いたら、「これ、いらね」と手放すイメージをしていきましょう。
もちろん、ガチなワークをしたいという方はこちらをご利用ください。
DVD『本気の手放しワーク』
https://nemotohiroyuki.jp/schedule-cat/27607
かなりお勧めですぜ。
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その一方で、「言いたいことを言えるようになる」というトレーニングをしていきましょう。
それでよくお勧めしているのが「書く」ということです。
◎お父さんに言いたいけれど言えなかったこと
◎夫に言いたいけれど言えなかったこと
◎その他、お母さんやそのほかの人に言いたいけれど言えなかったこと
◎今、誰かに言いたいこと
これらをガンガン、ノートに書いていくんです。
頭の中でイメージしてもいいですが、書いた方がよりリアリティがありますから、こっちの方がお勧めです。
ひたすら書いていくのがお勧めですよ。
あと、
>(父に言いたいことをあなたに言ってしまいました。と伝えようかと思いましたが、向こうにしたら「はぁ?(怒)」ですよね。)
こういうことも旦那さんに伝えてもいいと思います。
これもまたコミュニケーションの一つですから。
「はあ?」と思われたしても、トバッチリには違いないにしても、ちゃんとお知らせする方が今後のコミュニケーションに役立つわけです。
★そんなコミュニケーションについて書かれた本はこちら
>「敏感すぎるあなたが人付き合いで疲れない方法」(フォレスト出版)
★そういう自分を丸ごと愛してあげるために。
ワークショップ『自分を愛する、ということ』
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