それは「手放し」なのか?「諦め」なのか?



「ベストを尽くした!」と自分を受け入れることができ、未来に希望を感じられる状態が「手放した」状態で、何らかのモヤモヤが残って強がっている状態が「諦めた」状態です。
その区別はなかなか難しいですが、自分の感覚を元にチェックしてみることがおすすめです。

根本先生、いつも楽しくメルマガを拝見させていただいております。ありがとうございます。手放しと愛の関係性についてお伺いしたく、メールさせていただきました。

私は婚活中の30代女性です。年齢と経験を重ねる中で手放しが進み、物や人に執着しなくなってきたなあと感じています。何でも自分で決めていくことができますし、本質を見つめられる感じがして、とても楽です。

しかし、パートナーシップにおいて、手放しが楽であることを覚えてしまった人間は、うまく距離を縮めることが難しいのかも?簡単に手放せるから「心底合う人」というハードルを上げるばかりで、一生彷徨い続けることになるのかも?それは本当に自分が望んでいることではないかも?と思っています。

例えば、私が婚活で出会った元彼とお別れした理由は、価値観の違いについての話し合いがしにくいなあとか話がなかなか伝わらないなあという煩わしさが、元彼との距離を縮めたいとか、関係性を維持したいという思いに勝ってしまったからです。
「私のような我の強い人間は、元彼には合わない。私も窮屈だから自由になりたい。別れよう」と結論づけてしまいました。その後の感情として、寂しいなあと思うことはあっても、後悔することはありません。
私は手放し力をアップさせることで、とてもドライで自己完結型な人間になったんだなあと悲しくなりました。

単純に、そんなに好きではなかったのかなと結論付けることもできます。
ただ、婚活は、好きになる力や運命にする力が必要だと聞きますし、私自身もその考えに共感しています。そのため、この先の出会いにワクワクしながらも、その力のなさへの落胆を抱えているという矛盾した状態です。
「愛を育む力」と「手放しできる軽やかさ」の関係性というかバランス感覚がよくわからなくなっています。

そんな私が「この人と何が何でも添い遂げたい、そのための努力なら何でもする。話し合うことだけでなく、放っておいたり待ったりすることも含めたコミュニケーションが面倒だなんて思わない」と断言できるような愛に近付くためにできることは、どんなことでしょうか。

直感的には、パートナーとの距離を縮めたり関係性を維持したりすることによる嬉しさを思い描いたり、パートナー以外の人間関係で近距離の心地よさを感じたりすることが必要なのかなと考えています。
あるいは、関係性自体を手放すのではなくて、「本当に合う人なら〇〇だろう」というような思い込みを手放すことが必要なのかもしれません。

もし何か一言でもアドバイスいただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
(Kさん)

>私は婚活中の30代女性です。年齢と経験を重ねる中で手放しが進み、物や人に執着しなくなってきたなあと感じています。何でも自分で決めていくことができますし、本質を見つめられる感じがして、とても楽です。

おぉ!素晴らしい!!
それはだいぶ軽やかに生きられるようになったと思いますね~

軽やか=自分らしいってことですから、今のKさんはかなり「自分らしい生き方」ができる状態に近いんじゃないかな~と思います。

「手放し力」というのは、人やモノへ執着しなくなり、より自分の本質に沿った選択ができるようになりますから、ぜひ身に着けたいものです。

とはいえ、執着するのも個性なんで、「私もその力が欲しい!めっちゃ欲しい!何が何でも欲しい!!」と「手放す力を手に入れることに執着する」必要はありません(笑)

「まあ、そういう人だもんねえ。しょうがないわねえ」と根本先生に言われるのがオチです。

そういう意味で「自分らしさとは何か?」というテーマをいつも考えている私なのですが、Kさんにとって

>「この人と何が何でも添い遂げたい、そのための努力なら何でもする。話し合うことだけでなく、放っておいたり待ったりすることも含めたコミュニケーションが面倒だなんて思わない」

って思いは自分らしいものだと思われますか?

また、順番が前後しますが、

>ただ、婚活は、好きになる力や運命にする力が必要だと聞きますし、私自身もその考えに共感しています。そのため、この先の出会いにワクワクしながらも、その力のなさへの落胆を抱えているという矛盾した状態です。

「好きなる力」「運命にする力」というのは、Kさんらしいものだと思います?

物事にあまり執着しないタイプの人は、自分の気持ちや思考をコントロールすることをあまり好みません。

どちらかというと「なんとかなるさー」的な感じで、自然の流れに身を任せるのが得意です。

だから、好きになれない人を好きになろうともしないし、運命を感じない人に運命を感じようと努力するようなことも好みません。

何が何でも添い遂げたい!!なんて思いもあまり持たないと思います。
「この人とずっと一緒にいられたらそれでいいけど、そうじゃなかったらしょうがないよね」という感覚になると思います。

だから、Kさんも感じられているように、その両者を追い求めるというのは矛盾したことに見えてきますよね。

さて、ほんとうのKさんはどちらのタイプなのでしょうか?

サバンナを駆け巡り獲物を仕留める狩人なのか、小川に釣り糸を垂れてじっと待つ釣り人なのか、海に網を広げて獲物を待つ定置網漁法を得意とする海人なのか、はたまた・・・。

もちろん、どちらのタイプなの?って言われて、どちらに偏ることばかりではなくて、それぞれのミックスなのがややこしいですけどね。
白黒はっきりさせたい武闘派の皆様にはモヤモヤするところでしょう。

例えば、Kさんは「私のような我の強い人間は・・・」とおっしゃっていますが、そうした個性を持つ人はこだわりの人、アーティスト(芸術家)なわけですから、「これぞ!」という男に出会わなければ満足しません。

だから、「いいんだけどなあ、惜しいなあ。これは違うよなあ」と、陶芸家が窯から出した壺をがちゃんと割るようなことをよくします。

しょうがないんです。そういう人間なんだから。

だから、その情熱をたぎらせて「草の根を分けてでも私に見合う男を見つけ出してやる!」と鼻息荒く狩り場に突撃するのもよし、「まあ、そのうち釣れるでしょ?」と気長にキャッチ&リリースを繰り返すもよし、なのです。

その前提となるのは「私にぴったりの男は必ずいる!!」という信頼です。
そして、それを支えるのは「自己信頼」。つまり、自信です。

自分らしい生き方を追求していくと、「なるようになる」という得体のしれない自信が湧いてきます。

自分に合う人がいるなら必ず現れるし、そうでないなら、それで幸せになれるから問題ないさ~♪となるわけです。

だから、Kさんに必要なのは「必ずホシはこの地球上にいる!」という信頼ではないかな、と思うのです。

「手放し力」についてもう少し触れて見ましょう。
オンラインスクール並みに少しレベルの高い(つまりは難しい)話になります。

これはKさんがそうだと言いたいわけではないので、その点ご承知ください。

一般的にこの力は誤解されやすいものです。
年齢とともに執着する気持ちが減って来て自由になり、生きやすくなるわけでとても素晴らしいことです。
様々な経験や知恵や教養などから人間力が高まっていくことで得られるものです。

ところが、似たような感覚に「諦め力」というのもあります。
あまり深追いせずに諦めてしまう状態であり、失敗することへの怖れを感じないために自分を正当化する手段であり、疲れないようにエネルギーをセーブする状態です。

例えば、狙っていた男を取り逃がしたときに「くそーっ!」と思いながらも、「まあ、しょうがないな」と思うわけですが、その思いが「手放し」なのか「諦め」なのかは実に判断しにくいところがあります。

手放し力がある、というのは、その男を本気で手に入れようとベストを尽くした結果、逃げられたときに、その悔しさ、寂しさ、残念さ、無力さなどを受け入れた上で、「やれることはすべてやった。それで手に入れられないのだからそれが彼との運命なのだろう」と受け入れることを意味します。

一方、諦め力とは、失敗することが怖かったり、どうせ、無理だろうという思いが働いて始めからベストを尽くしておらず、それゆえに男を取り逃がしたときに悔しさや無力感などはあまり感じません。
そして、「仕方がなかったんだ」とか「あいつが悪いんだ」と言い訳を色々と用意して自分を正当化し、まあ、無理だったんだよ、と自分を納得させる術のことを言います。

こう解説すると全然違うもののように思えますが、実際、どちらなのかを区別するのはとても難しいものです。

それが「手放し」なのか「諦め」なのかは、未来への希望がそれを教えてくれるものです。

ベストを尽くした結果、うまく行かなかったときには、それなりの達成感と充実感と潔さなどもあります。
だから、「次こそは!」と思えるし、自己否定や自己嫌悪があまり強く出てきません。
つまり、未来に希望が持てる状態ですし、自己肯定感はいささかも傷ついていません。
これが「手放し」の状態。

その一方で、そもそもベストを尽くしていないのだから、心の中にはモヤモヤが残ります。
「本気でやったら手に入れられたかも」と感じられることもありますし、「始めから諦めていた?」と感じさせるような言動を自分がしていたりします。

その微妙な違いで見分けることができるのです。

カギは「本気だった?ベストを尽くした?」という問いかけにあります。

とはいえ、これもまた理想論で、100%なんて分かりません。
自分に厳しい人は、ベストを尽くしてその狩りに挑んだのに、「いや、まだまだだ。私は全然ベストを尽くしていない!」と思ったりします。

だから、やっぱり
『どれくらい自分のことを知り、受け入れているか?という自己肯定感が大事なんだよね~。そして、自己肯定感を元に自分らしく生きていくことがやっぱり大事なんだよね~!』
といういつも通りの話になるんですけどね・・・(笑)

Kさんはおそらくだいぶ生きやすくなってきてると思います。
だからこそ、そこで「私らしさ」にこだわって、私らしい出会い、私らしい相手、私らしい恋に突き進んで頂ければと思うのです。

そう意識するだけであんがいうまく行くかもしれませんよ。
すでにそれだけの素養はあると思いますし!

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