「あきらめ」のススメ。



よく「あきらめましょう!!」って話をしています。
カウンセラーらしからぬ発言な訳ですが、セミナーでも個人セッションでも繰り返しています。

そもそも「あきらめる」という言葉の語源は「明からしめる」「明かにする」と言う意味だそうで、そこから「受け入れる」というニュアンスで使っているんです。

「だってダメって、思ってもそういう男が好きなんでしょ?しょうがないじゃん」
「ふつうの男がいい!って考えたって、ふつうの男には惹かれないんでしょう?しゃあないよね」
なんて風に使うわけです。

不倫してるのが辛くて「別れなきゃ、こんな恋をしててもダメだって分かってはいるんです。けれどどうしても離れられなくて」というご相談もつい数日前に頂いたわけですが、やっぱり「しょうがないよねえ。あきらめたら?」って提案をしてしまいました。

もちろんこれ、恋愛に限ったことではなくて、仕事でも、趣味趣向でも同じこと。

「組織の中で活動するのって向いてる?向いてないんでしょう?じゃあ、ふつうに就職しようなんてあきらめたら?」

「意味がないから止めたいって言うけどさー、でも、ついつい課金してまでゲームにハマっちゃうんでしょう?しょうがなくない?」

そんな風にあらゆるテーマで「しょうがなくね?」「あきらめたら?(笑)」って言うてます。

「あきらめる」=「受け入れる」ってことは、自己肯定感なんです。

(1)まず、自分を、今の状況を受け入れる。
(2)そして、次にどうするか戦略を立てる。
(3)そして、どうそれを実現するかをデザインする。

そんな流れをいつも意識してる私です。
つい私たちは(1)をすっ飛ばして、(2)から入ろうとしていまいます。
その前提にあるのは「今、うまく行っていないってことは私がダメだから」という自己否定です。

あなたはダメ出しされてやる気になるタイプ?
それとも、褒められて伸びるタイプ?

もし前者ならどんどん自分に鞭を振るっていいと思います。ひとりSMごっこにより成長できるタイプです。

しかし、もし後者なら、自己否定から入るやり方はあんまりうまいこと行かないと思うんですよね。
自己否定って自分にダメ出しすることだから。

だから、まずは受け入れること。
すなわち、今起きていることに対して、あるいは、自分の性格趣味趣向にオッケーを出すこと。
そこからがスタートだと思うんです。

もう少し具体的な話をしましょう。

「いつも職場で上司と対立してしまう」というAさん。
よくよく話を聞けば、彼女は納得できないことは自分が理解できるまでとことん質問したり、考えたりするタイプ。相手を追い詰めてしまうことも珍しくない典型的武闘派女子。
セッションの中でも「なぜ?どうして?」という質問が連発されます。

仕事はできるので顧客からの信望は厚いが、上司からすれば扱い難いメンドクサイ部下。
そして、後輩にもけっこう厳しいことを言ってしまうので、社内で孤立することがよくあるそうです。
それで上司と対立して不遇な目に遭ったり、ケンカして会社を辞めなきゃいけなくなったりしてきました。

そんな不器用な自分はダメだからと、なんとか温厚な性格になろうと努力してきたのですが、やっぱり納得できないと相手に突っ掛かってしまうんです。

「ま、それがAさんだもんね。しょうがないわね」と連れなく答える根本先生。

「でも、これじゃあ、どこ行っても仕事にならないんですよ!せっかく力を発揮しようとしても衝突ばかりで!」と早速反発するAさん。

「でも、もしAさんが温厚なキャラになったら、今みたいな仕事のクオリティは保てないと思いません?
それに曲がったことが嫌いだなんて、誠実な証でしょう?お客さんからはそこを支持されてるんだから今のままでもいいじゃない?」

「でも、、、それじゃあ、、、」

「もう、あきらめなよ(笑)あたしってそういうキャラなんだからー!って」

「でも、そしたらどこでも上手くできないじゃないですか?どうしたらいいんですか?」

Aさんみたいなキャラの人は組織の中でうまくやるには向いてないと思うんです。
仕事はできるし、お客さんからの評価も高いわけです。
じゃあ、それを「どう活かそうか?」というテーマの方が前向きだと思うんです。

ある程度の権限と仕事を丸投げされて、そこで自分なりに仕事を進めていく方がきっと楽だし、面白いし、自分に合ってると思うんです。

「いっそのこと、独立してフリーでやってみたら?」

賢い彼女はひそかにそれを考えていたそうです。
でも、自信がなく、経験もなく、自分には無理だと思っていたのでなかなか許可ができなかったそうです。

「同じ業界で、独立して、うまいことやってる人、知らない?探してみれば?そういう方向で探し始めたら必ずそういう人を見つけられるから」

そして、彼女はその方向性で「女性起業家」を探し始めました。
そうすると“たまたま”(←これよく起きること)、会社が取引先と共同プロジェクトを立ち上げることになり、先方がその適任者として彼女を指名してきたのです。

彼女をとても気に入ってくれている先方が、どうしても!と彼女を指名して来たそうで、彼女は今の会社に在籍したまま、新しい組織を立ち上げ、プロジェクトを遂行する大役を任されることになったのです。

このような話は恋愛でも、夫婦問題でも、あちこちに転がっているのですが、「あきらめましょう」ってお伝えする意味はご理解いただけたでしょうか?

向上心や何とかしたいって気持ちが強い人ほど、手っ取り早く“自己否定スタート”を選んでしまいがちなのですが、いい加減長いこと生きて来て、自分がどのような人間かはだいたい分かって来てるでしょう?(笑)

それに、適材適所と言いますが、自分のキャラや価値観を受け入れた上で、その自分が生きやすくなる方法や、自分らしく振る舞える環境を“選ぶ”あるいは“創る”ことはだんだん可能になってきました。

かつては既存の価値観に自分を合わせる“適応能力”や“調整能力”が必要だったのですが、むしろ、これからの時代は“個性”が重要だと思っています。

適応能力も個性の一つですから、そこに強みのある人は今まで通り成功していくことが可能なのですが、それ以外の個性を活かすこともできる時代になってきましたから、自己否定せずに、そのままの自分を活かす道がどんどん拓かれているのです。

「それって自分に向いてる?」
「そういう価値観があるなら、今の関係って辛くない?」

(1)まず、自分を受け入れる。今の状況を受け入れる。
(2)その上で、どうしたいか?を考える
(3)そして、実践する

このプロセスを意識してみると、ずいぶんと生きやすくなるんじゃないでしょうか?

Aさんに提案したように、今の時代、ネットであらゆる情報を検索できますから、自分と同じようなタイプの人ってきっと見つかります。
そして、その中には、自分の1歩先、2歩先を歩いてくれている人がいて、「師匠!」と呼べる方にも巡り合いやすくなっています。

もちろん、自分を変えることだってOKです。

セッションの中では「どうしてそういう自分になったんだ?」という話もしていきます。

「ああ、親との関係がそういう風だったら、そういう価値観を持つようになるよね」と原因が分かりますから、そしたら対処の仕方もたくさんあります。

とはいえ、そのプロセスは決して「そんな自分ではダメだ」という自己否定ではなく、「それが私だもんね。そうなるほかないもんね」と自己肯定しながらがお勧めなのです。

ということで、積極的な「あきらめのススメ」でございました。

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