誰かへの期待があると関係が重たく苦しくなる心理~ただのおっちゃん、おばちゃんと思え!!~



個人セッションの連続コース、PCCを始めています。
それぞれ変化の出方は様々ですが、2~3回目になるとその人の根っこにあるパターンが出てくることが多いようです。
それでもポジティブな変化も状況の変化もいろいろあって皆さん、素晴らしいです。
特に内面的な成長、変化というのは驚くことの方が多いくらいですね。

夫婦、恋愛、仕事、ライフワークなどテーマは多岐にわたりますが、ちょっと掘り下げてみるとよく出てくるのが「お母さんとの関係」です。

お母さんとはお腹の中からの付き合いですから、一番近く、濃いものになるんですよね。

子どもはお母さんのことが大好きだし、何でもできるすごい人のように見えてしまうものです。
だから、子どもにとっては「お母さんも完璧じゃないんだ」という気付きはけっこうショックなものなんですよね。

そんな子どもたちは「親に期待する」ということをよくやります。
お母さんに対してもそうだけど、お父さんに対してももちろん期待します。

でも、特に近い距離にあるお母さんがとても完璧な人だったり(いわゆるスーパーオカン)、過干渉、心配性などで癒着してしまったりすると、意識的にお母さんを常に上に見るようになります。
ある方は勤め先の社長(女性)にお母さんを投影していましたし、別の方は旦那さんにお母さんを投影していました。

そして、スーパーオカンだった場合は「私は何をやってもお母さんみたいにできない」と劣等感を感じるようになり、また、癒着がある場合はお母さんを周りの人(特に目上の女性やパートナー)に投影して、そこでも癒着関係を再現するようになります。

思春期に反抗期を迎えて「なんだ、オカンもただの人じゃねーか」という悟りを得て自立していくことができれば、その傾向は避けられますが、反抗心を抑え込まれて反抗期がない場合は、その癒着の関係のまま大人になるので、そうした問題が出てくるのです。

この場合の自立というのは精神的に親から自立することを意味しており、仮に社会人になって経済的に親から自立したとしても、精神的に依存状態が続くケースも珍しくないものです。
いわば、一歩社会に出ればちゃんとした大人なのですが、お母さんの前では10歳くらいの子どものままでいてしまうのです。

さて、そうした状況にあると「お母さんに期待したままの大人」になります。
つまり、精神的には親に依存した状態で、お母さんを見上げてしまっているのです。10歳ですから当然ですよね。

そこでは「お母さんはすごい」と思っていたり、「お母さんと娘(息子)の関係のまま」でいると、お母さんの弱さや問題が見えませんし、仮に見えたとしても「私には何もできない。だって子どもだから」とサポートができません。

ここでちょっとややこしい話を挟むと、精神的には依存しているけれど、経済的には自立している場合、お金や社会性という意味ではお母さんをサポートすることはできるのですが、精神的には見上げている状態なので、まるでお母さんの奴隷や付き人のような振る舞いが生まれます。
お母さんのことをムカつく!!と思いながらも、お母さんの愚痴の聞き役を専任していたり、お母さんの頼まれごとを断れなかったりするんです。

こういうケースはとても多いですね。

そして、癒着というのは感情的にはしんどい反面、お母さんに精神的に守られているというメリットがあるので、頭ではお母さんから離れた方がいいと思っても、それがなかなかできないんですね。

それはまるでお母さんのもとからなかなか離れようとしない小さな子どものような感じです。

そこでセッションなどではその癒着を手放すようにするのですが、社会的に自立をしていると、精神的な自立は意外と早くできるようです。
今回の連続セッションでも数名の方にこのセッションをしたのですが、「お母さんとの関係が驚くほど楽になった」という声を皆さんからいただきます。

「あ、そういえば私、大人だった」という気付きを得られるんですね。

お母さんとの癒着を手放すということは、期待を手放すことでもあるし、お母さんを見上げる癖を手放すことでもあります。

だから、癒着が手放せるとお母さんのことが「ふつうのおばちゃんなんだよね」と思えるようになるんです。

ちなみに心の成長プロセスとしては、親に依存していた子どもは、精神的に自立を始めると、お母さんに対して敵対心や対抗心、競争、さらには否定などのネガティブな思いが出てきます。
その時に「お母さんのことが嫌い」と思ったり、お母さんと顔を合わせるたびにケンカになったり、お母さんに対してものすごい怒りを感じたりするようになります。

さらに、この癒着関係があると、職場の社長に対して同じ気持ちを抱いたり、パートナーに対して「こいつ嫌い、無理、ダメ」と感じて離婚したくなったりするんです。

だから、案外、会社を辞めたくなったり、離婚したくなったりしたときによくよくその問題を見てみれば、本当は社長やパートナーが原因ではなく、お母さんが原因だったということもよくあるんです。
それで私のブログではよく「ラスボスおかん」なんて言い方をしていますね。

癒着があるときは特にそうなのですが、お母さんを見上げているときは「嫌悪感」「怒り」という感情を持つことが許せなかったりします。

だから、「お母さんのことを嫌いになってもええねんで」とか「お母さんにムカつても全然OKやねんで」ってお伝えすると、はっ!とされる方も珍しくないんです。

皆さんは誰かを嫌いになることを自分に許せているでしょうか?

さて、そんな期待する癖、見上げる癖があることはもう自分には慣れ親しんだ状況なので、自分では自覚ができません。
ほとんと習慣的に上司を見上げる、旦那を見上げる、誰かを見上げるという状態に気が付けばなっていて、それに違和感を感じないんですね。

それで期待にまつわる様々な問題だけが表面化してくるのです。
例えば、こんな感じ・・・

・私のことを理解してくれない、分かってくれない
・頑張っても私を認めてくれない
・私なんてどうでもいいんでしょ?大事じゃないんでしょ?
・裏切られたような感じや報われない感じ
・相手の顔色を伺って疲れてしまう
・気を使い過ぎて振り回される他人軸状態
・競争心が強く、何かと張り合う
・我が、我が、と自己中心的な主張ばかりしてしまう
・自分の気持ちを表現できない、などなど。

だから、社長にしても、パートナーにしても、「こいつもただのおっちゃん、おばちゃん」という風に見ることをお勧めしています。

昨日のセッションでは、そんな社長さんと向き合ってみたんですが「社長さんもふつうのおばちゃんなんだよね」って見方をすると、それまでの嫌悪感や抵抗が抜けて、「あ、そうか。じゃあ、しょうがないか」とあっさり手放しができました。

そうすると「子どもと大人」だった関係が「大人と大人」に変わります。
対等になるわけですね。

そうすると「子どもだと思ってたけど、私って大人だった」という意識に変わるので、その社長さんの弱やさ苦悩が見えてくるようになります。

「弱いお母さんなんて受け入れたくない!」という子ども心が、「お母さんもふつうのおばちゃんだから弱さもあるわな」と受け入れられるようになるんです。

この変化はけっこう一瞬で起こります。

三角座りをしていて「景色が全然みえなーい!」と不満を言ってた人が、立ちあがったら「なんだ、よく見えるじゃない」と気付くようなものです。

だって実際は大人で、そういう生き方をしているのに、お母さん、上司(社長)、パートナーに対してのみ、三角座り状態だったからですね。

期待が手放せると対等な目線で相手を見ることができるので、弱さが見えるだけでなく、そのサポートもできますし、また、その関係自体を解消することも可能になります。
(つまり、離婚するとか、退職するとか)

皆さんが感情的にわだかまりを感じる相手が今、いるとしたら、もしかしたら、そんな期待が働いているのかもしれません。
そして、様々な事情によってその人を見上げてしまっている状態なのかもしれません。

そこで期待を手放すべく、「こいつもふつうのおっちゃん、おばちゃんなんだよな」と意識してみると、その関係性がグッと楽になるのではないでしょうか。

ちなみに、見上げる、見上げる、という話をしていますが、プライドや競争心が入る場合は、逆に、見下げる、という状態になります。
ここでは「見上げる」と「見下げる」はどちらも同じことです。優越感と劣等感が裏返しで同じであるように。

また、この期待するパターンは何よりも自分自身にも向けられています。
自分に対して期待するので、それが理想主義となるのです。
そうすると自分自身を「こうあるべき」「これくらいできなきゃいけない」「このくらいできて当たり前」などと思って過剰なプレッシャーをかけるんです。

私もふつうのおっちゃん、おばちゃんだし、と思ってみるとスーッと軽くなるかもしれませんね。

この期待の問題というのは他人に対しても自分に対しても「完璧主義を手放して、弱さを受け入れる」という成熟さを学ばせてくれるものです。

相手の強みも分かるし、弱みも受け入れられるようになると、対等な関係性を築きやすくなるのです。
それってすごく楽だと思いませんか?

そんな関係性を手放すワーク

東京:10/8(月祝)13:00-16:00 本気の手放しワーク(神楽坂)

東京:10/8(月祝)13:00-16:00『本気の手放しワーク』

自分に還る2日間へようこそ!

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11/10,11 沖縄リトリートセミナーを那覇で開催いたします!!


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