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自分のことをダメだと思って直そうとしたり、周りの正しさに自分を合わせさせようとしたりしても、やっぱりうまく行かないのが世の常でございます。
だから、今は「自分に合うスタイル」を探す方がずっとうまく行くのです。
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ブログの中でネタとして取り上げてもらいたいと思い投稿しました。
相談に乗っていただきたいことは、強がったり素直になれない心の癖があり、それを手放すにはどうしたらいいのか、ということです。
・主な例として
-仕事でミスをした時に、指摘を受けたり注意をされても表面上でしか謝ら(れ)ない。失敗から学ぼうとせず、また次も同じミスを繰り返し、最後には謝ることが嫌になる。
-仕事の出来ないヤツだと思われるのが嫌で取り繕うとするが、周りにはそのことがバレている。そのくせ態度だけは一丁前に偉そうで、プライドが高い(実際に人から言われました)。
-分からないこと・知らないことがあっても素直に聞いたり、人に教わったりすることがなかなか出来ない。つい知ったかぶりをしてしまう。
等、自分の立場や周りからの評価を自分で悪くしてしまいます。可愛げがなく、とっつきにくいヤツだと周りからは思われているだろうなと感じています。
自分の中にある罪悪感や完璧主義の傾向がとても強く、「出来ない自分」を許すことができていないことが背景にあるのではと思います。
不完全な自分を隠して、取り繕ったり演技をするのはしんどくて苦しいです。もっと周りとも楽に人間関係を築いていきたいです。
ちゃんと内容が伝わっているか分かりませんが、ひとつアドバイスを頂ければと思います。
(Sさん)
自己否定・自己嫌悪があると私たちはこんな心理を辿ることが多いと思います。
1.何か問題が起こる
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2.自分なりに原因を分析する
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3.自分の性格・考え方・振る舞い・価値観が原因だと判断する
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4.そんな自分ではダメだと結論付ける
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5.その性格・考え方・振る舞い・価値観を直そうとする
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6.もともと持っているものなのでなかなか直らない
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7.そもそもそんなモチベーションもかからない
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8.変わらないので同じ問題を繰り返す
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9.そんな自分のことがますます嫌いになる
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Sくんの場合もそうですよねー。
Sくんは「3」の原因を「罪悪感・完璧主義」という風に見てますし、確かに、そういう見方をするのも無理なきことだと思うんですけど、やっぱり苦しいし、辛いですよね。
そして、悪循環が繰り返されるんです。
これらは「自己否定・自己嫌悪」がベースになっている思考パターンで、「わかっちゃいるけど、なかなか変われない」現実を作ります。
そもそも嫌なところを直すって、必要だと思ってるけど、嫌じゃん(笑)
そこにかけるモチベーションって低いじゃん。
そこと向き合い続けることってやっぱり嫌じゃん。
そしたら、直らないよねええ・・・。
そもそも直さなきゃいけない!って思いも「直さないと嫌われるから」「直さないと必要とされないから」「直さないと周りからバカにされるから」「直さないと周りに迷惑かけるから」などの理由で、どれも思い切り後ろ向きですよね。
それに「嫌だ、辛い、苦しい」時に、自分を変えようとすると、「嫌じゃない、辛くない、苦しくない」状態を目指すので、それが本当の自分らしさなのかどうかはさておいて、とりあえずの対症療法的な行動に出やすいんです。
いわば「痛み止めを打つ」というのに似ています。
だから、しばらく経てば再び痛みはぶり返すわけです。
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人はネガティブなことをするのは嫌です。
やりたくないことや、苦痛なことや、しんどいことをやらなきゃ!と思ってやるのは嫌なので、何とか理屈をつけて自分を納得させて、何とか自分をだまして取り組もうとします。
自分を脅すんですよね。
「そんなこともできないと人から嫌われるぞ!」
「その性格直さないとみんなとうまくいかないぞ!」
「それくらいみんなやってることだろ!」
「それができないと生活ができないだろ!」
そして、その自分を脅すことすら習慣化されるので、常に自分にナイフを突きつけてるような状態になります。
疲れるでしょ?そういうの。
そして、できれば、そこから逃げ出したくなるでしょ?
それが原因で仕事が長続きしなかったり、恋愛がうまくいかなかったりってことが起こるのです。
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肯定的に自分を見る、というのは、そんな皆さんに向けての処方箋です。
Sくんのいいところってどんなところでしょう?
Sくんが書いてくれたことを客観的に見たら、このリクエスト文の筆者が持つ魅力や才能ってどんなものでしょう?
それをぜひ考えて頂きたいのです。
問題や自己嫌悪から才能を引っ張り出す、というのは肯定的に自分を見る一つの方法です。
「ダメなところを見つけて直す」がうまく行かないことって多いでしょう?
実は私もかつて「問題を見つけ、それを修正する」という視点でクライアントさんの話を聴いてきたんですね。
「完璧主義なところが問題ですよね。それを直した方がいいですよね」という視点。
「自己嫌悪が問題ですよね。それを直した方がいいですよね」という視点。
でも、それってやっぱりあんまりモチベーションを上げることにはつながらないって気付いたんです。
例えば、完璧主義な人というのは「創作」に携わることに向いています。
「創作」って作品を作ったり、デザインしたりってことだけでなく、例えば、業務フローの効率化だったり、書類やデータ管理のシステム化だったり、「創造的」なお仕事全般を指します。
そういう方は現場に出て人と接するよりも、後方支援的に業務効率化を進める方が向いていたり、人と接するよりもコンピュータでの作業が向いていたりします。
また、それこそ「職人気質」な部分を持ち合わせているので、モノづくりも合ってます。料理人、ケーキ職人、家具職人みたいな「職人」の仕事ですね。
さらには意外と農業にも向いていると思ってます。
また、人と関わるのが苦手な人は、そもそも今のようなレベルで人と関わることを望んでいない(向いていない)ケースもあります。
ある程度経験をしてみることも知見を広げるためには大事ですが、その上で、Sくんに考えて頂きたいのはコレです。
「そんな自分がフィットする場所ってどんなところなのだろう?」
自分を否定して何かに合わせるのではなく、今の自分が合う場所はどこか?を考えるんです。
「ない」って思わなくてもいいです。
「ある」前提で考えてみてください。
もちろん、すぐに見つかるわけではないと思います。
ずっと自己否定して何かに合わせる、自分を直す、という風に考えてきたならば、いきなり「自分に合う場所」と言っても混乱するだけです。
あるとも思えないし、見つからなかったらどうしようって焦りも出てきます。
しかし、必ず見つかるものです。
しかも、たいていは意外な形で。
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人間関係が苦手で職場でいつもしんどい思いをしていたある人は、仕事を辞めて生活費稼ぎのためにバイトで入ったお店で「接客業」の面白さに目覚めました。
人のためにあれこれ考えて商品を提供することが彼女にはフィットしていたんです。
苦手だと思っていたのは、横のつながりや曖昧な距離感のせいでした。
「客と店の人」という線引きができている環境では実は全然問題なかったのです。
その後、彼女はお店で一番の売り手となり、新店舗の店長となりました。
けれど、人間関係の構築が苦手であることを知っている彼女は経営者と話し合って、人を管理するマネージャー役の人を付けてもらうことにし、彼女は自分が表に出て売り上げを上げることに集中すればいいことになりました。
これも意外な着地点ですよね。
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「自分を周りのシステムに合わせる」ことができる人は順応性・適応能力が高い人。
今までの時代はこの能力がとても求められていました。
しかし、これからは「自分の個性にシステムが合わせて来る」時代。
だから、自分に合う仕事のスタイルは何か?ということを考えてもいいんです。
いや、むしろ、その方がいいんです。
ちなみに私は、人見知りだし、あまり人と深く交わることを望まないし、自分勝手で、気分屋です。
だから、組織の中ではとても生きていくことはできませんでした。
それで、一人でもできる仕事に就かざるを得なかったんです。
「自分に合うスタイル」で生きられる時代です。
周りの意見に流されず、「自分に合う仕事の仕方ってなんぞや?」というテーマを掲げて、数か月~数年、研究してみてはいかがでしょうか?
ということで、お勧めなのはこの2冊。
>「敏感すぎるあなたが人付き合いで疲れない方法」(フォレスト出版)
>「敏感すぎるあなたが7日間で自己肯定感をあげる方法」(あさ出版)
さらに、そんな自分の人生を見つめ直すならこのセミナー。
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