適切な距離感を掴むには「感じる能力」がとても重要



自分の足で立つこと。
そして、相手の反応を感じ取る力。
それによって適切な距離を掴むことができます。

一歩近づいてみる。
うん。大丈夫。
もう一歩近づいてみる。
少し相手に緊張感が走る。
自分はもう少し近づきたいけれど、無理はしない方が良さそうだ。
ここで少しじっとしていようか。
でも、相手はちょっと警戒感があるみたい。
少し、そう、半歩くらい下がろうか。
うん。この辺がちょうどいい感覚だ。

しばらくここにいるともう少し近づいても大丈夫な気がしてきた。
相手も少しずつ慣れてきて心を開いてきたみたい。
半歩近づいてみる。
さっきは緊張感があった距離だけど、今は大丈夫になったみたい。
もう一歩、は少し大きすぎるから、半歩、近付いてみる。
一瞬、相手は警戒したっぽいけどすぐに心を開いてくれた。
よし!

じゃあ、思い切ってもう一歩。ほんとはグッと近付きたいけど。
あ、ちょっと近付きすぎた。シャッターがスーッと降りちゃった。
ここは勇気ある撤退だ。
でも、勢いよく近づきすぎたから、さっきは大丈夫だった距離もちょっと厳しいか。
もう少し下がって距離を取った方がいいだろう。

冒頭から長々と失礼しました(笑)

「どうしたら相手との適切な距離を掴めるか?」というセッションがあるんです。
グループでのセッションでたまにやるのですが、二人でペアを組み、距離を取って近づいたり、遠ざかったりして“お互いに”“心地よい(適切な)”距離を見つけます。

そうするとAさんとペアを組んだ時には1.5メートルくらい、Bさんと組んだ時は1メートルくらいが適切な距離であることが分かったりします。
Bさんの方が親密感を感じられてるみたいですね。

その時、この距離がお互いにとって心地よいかどうかを判断するのはその「感性」です。
つまりは「感じる力」。

「私は近づきたい」という欲求があるときは、相手がNoというサインを出していても自分の思いが強すぎて、距離を縮めすぎてシャッターを下ろされてしまう、というこもよくありますね。

特に自立系武闘派女子&男子の皆さんは「常に前進」とか「特攻」とか「猪突猛進」とか「一点突破全面展開」を座右の銘にしていることが多く、相手のシャッターをぶち抜いてその心を蹂躙していくことがありますから要注意ですよね(笑)

また、逆に野良猫気質の方は親密感に怖れを持つのでついつい間合いを取ろうとしてしまいます。
だから、相手が「ねえ、近付いてよ」オーラを出していても、怖くて近付けなかったりします。
一方、自信がない状態でも同じことが起こりますね。
相手の「来てもOKサイン」をキャッチできずにチャンスを逃してしまったり、考えすぎてワケが分からなくなったりしますね。

つまり「自意識」と言いますか、「自分の感情」と言いますか、意識が「自分」にしか向いていないときには相手の反応が感じ取れません。
時に一方的な思い込みや判断で「きっと近づいても大丈夫だろう」と誤解して関係性を乱してしまったりします。

だから、やはり「自分の足で立つ」ということが一番。
自分をきちんと持って、その上で相手の様子を感じ取る力が必要になります。

ちなみに「感じる」ということなのでこれは女性よりも男性の方が苦手。
だけど、感受性が強い女性は自分の感情に捉われる度合いは男性よりも強い。

ということで、男女ともそれぞれ違う理由により、適切な距離感が分からない、という問題に陥りやすくなります。

セミナーのセッションでは「感じる」ということを意識してもらうので「しゃべり」はなしにしてもらうんですけれど、実際の人との距離感では「コミュニケーション」が使えます。

「ちょっと近付きすぎ?」
「もう少し近づいても大丈夫?」
「あ、ごめんなさい。ちょっと距離取るね」
「もっと近づきたいんだけど大丈夫?」

なんて、言葉を使えますね。
そして、言葉を使って確認を取るとお互いに安心感や信頼が生まれやすく、相手との距離を縮めやすくなります。

実際の人間関係においても、上のセリフはぜひ使ってほしいな、と思います。

もちろん、人によってはその反応が分かりにくい場合もあります。
カウンセリングでも、「相手の反応が分からない」とか「相手は近付いてもOKだと思っているんだろうか?」という相談はとても多いんです。

本当はそこでコミュニケーションを重ねてほしいですね。
そして、相手の態度や言葉から「ああ、これが今はちょうどいい距離感なんだな」ということを感じ取っていきたいものです。

ちなみに、この距離感。
ビジネス上の関係だと、少し距離のあるところに「適切な距離」があるので、逆にコミュニケーションが取りやすいんです。

問題はやはり男女関係。
「うーん、この反応ってどうなんだろう?」
「彼はどんな風に感じてるのか分からない。さっぱり伝わってこない」
「ああ、急に音信不通になっちゃった。近づきすぎた?」
「大丈夫と思って受け入れたら、めっちゃ嫌な奴だった。どうしよう」

そんな状態になりやすいですね。

でも、基本的に「ちょっと近付いてみて、相手の反応がNoでなければもう少し近づいてみる」という方法がいいんじゃないかな?と思ってます。

相手の態度が変わる(近すぎて怖くなってこわばる)地点って必ずありますからね。

「これ、大丈夫かな?いけるかな?あ、いけるね。これはどうかな?あ、ヤバいね。」
そんなことを感じ取れるようになりたいものです。

そのためには自分の足で立つ、という基準を満たすべく、自分に自信を持つこと、自己肯定感を上げること、がやはり大事なんですよね。
ってほんと根本さんって同じことしか言ってないよね~って思われるだろうけど・・・。

でも、適切な距離感って本当は誰もが無意識のうちにやってることで、近付きすぎる奴にはシャッター下ろして近づかせないようにするし、遠くに感じる人には「寂しいじゃん」って言って近づこうとするし。

まるで潜水艦がソナーを飛ばして周りとの距離を測っているようなことを私たちはテレパシーみたいなものを使ってやってるんですね。
それは子どもの頃からずっとです。

だから、そのことをちゃんと意識することも大事ですね。
「できないこと」ではなく「やってること」ですから。

それから、感性を磨く、というのも大切ですね。
感じる力を磨く、ということ。

職場の人、行きつけのカフェのスタッフ、ショップ店員さん。
そういう人たちとの間で「適切な距離ってどれくらいかな?」ってことをその人その人に向けて意識してみるレッスンは効果的です。

そうすると恋愛という本番でそれが生かされるようになっていきますし、いったん破たんした関係を修復するのにもすごく役立ちます。

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