いったい何が起きているんだろう?~事実を指さし確認、思い込みは事実化せよ~



不安や怖れがあったり、思い込みが激しい性格だったりすると、事実に様々な情報を付け加えてそれを現実と思い込んで行動してしまいます。
何が起きているのか?を見極めて、思い込みは“事実化”してみましょう。
地に足が着いた行動ができるようになっていきます。

「旦那が離婚したいって言ってきたいんです。でも、それって彼の本音じゃないと思うんです。だって、そういうことできる人じゃないですから。」

「このくらいの業績悪化ならまだ盛り返せる。今まで通り頑張ろう。来月にはきっと良くなっているに違いない。」

「再検査を言い渡されたけど、たぶん大丈夫な気がする。だって前も再検査したけど大丈夫だったから」

「きっとこのまま別れるって言われるに違いない。彼にあんなことを言ってしまったんだもの。あれだけひどいことされたら普通相手のこと嫌になるもの。」

「こんなミスをしてしまって上司の評価もダダ落ちに違いない。去年も同じ過ちを犯したし成長してないって思われて、きっとあのプロジェクトからも外されるに違いない。」

そういう風になる気持ちも分かります。
ポジティブな思いであれ、ネガティブな解釈であれ、私たちは今起きていることを様々な要因を付加して現実として見ています。

20160321事実と現実

このように、現実に起きていること=事実に、先入観、常識、希望的観測、思い込み等を付加してそれがあたかも事実のように思い込んでいるのです。

特に「思い込みが激しい人」や、自立側の立場にずっといた人」などは要注意ですよね。

しかし、本当に何が起きているのか?何が事実なのか?を見極めるのは難しいんです。
どうしたって過去の経験や思考や性格・感情が事実を捻じ曲げて見えにくくしてしまうものですから。

「何が起きてるのかを意識的に見ていきましょうね」

という話をします。
特に問題が起きているときなどは事実に様々な要素を付加してみてしまってるので自分でも何が本当で、何が思い込みなのかが分からなくなるんです。

1.夫の携帯に部下の女性とのやり取りがあった
2.怪しげな文章がいくつかあって気になる。
3.相手の女性が夫に好意があるんじゃないかと思われる発言がある。
4.夫も案外その気じゃないかと言う素振りをしている。
5.今度ご飯に行く約束をしている。
6.たぶん2人っきりじゃない感じだけれど、本当のところは分からない。
7.その日は夫は職場の飲み会だと言っている

さて、この中で「事実」はどれだと思います?

1はそうですよね。女性とのやり取りがあるのは事実ですよね。

2はどうでしょう?怪しいかどうかは人によって判断の別れるところですね。
ここは「私にとっては怪しい文章が見つかった」としておきましょう。
「私にとって」を付けると、これは事実になりますよね?だって自分がそう思ってるんだから。

3はかなり思い込みが入ってますよね。自分にとってはそういう風にしか見えなくても実際相手はどう思ってるか分かりません。だって本人に確認取ってないでしょ?(笑)
だから、「私から見ると相手は夫に好意があるように見える」としましょう。
これもまた「事実」ですよね?

4も3と同じですよね?
「私から見ると夫もその気があるように見える」という私を主語にした事実にしておきましょう。

5は事実ですね。

6はどうでしょう?希望的観測?それとも事実?2人っきりじゃない感じってどこから分かる?「本当のところは分からない」は事実ですよね。ほんとに分からないんだもの。

7はどうでしょう?実際彼がそのように言ってきたのであれば事実ですね。カレンダーにちゃんと書き込んでおきましょう。

この1~7のやり取りが全部「事実」のように見えてしまうと、私たちはそれを前提に様々な思考を張り巡らし、行動し始めたりするんです。

「勘違い」ってそこから生まれますね。

特に思い込みが激しい方。

8.夫は飲み会だと嘘をついて彼女と二人でデートするに違いない。そう言えば最近、私への態度が冷たいし、そっけないからきっと私と別れてあの女と一緒になるとか考えてるんだわ。
そしたら私はどうしよう。幼い子供二人を抱えてシングルマザーとしてやっていくの?やだ。そんな自信ないし、そんなことできないし。実家にはお姉ちゃん家族が最近引っ越してきてるから私たちもなんて言えないし、それに私も仕事を離れて5年も経つし、資格も何もないから今さら正社員として雇ってくれる会社なんてないと思うし。ほんと、そうなったらどうしよう。

すでに離婚後の生活設計までしてしまってますね(^^)

そう思ってしまったこと自体は事実ですが、その中身は案外、想像が多いんです。
「私がそう思っている」
「私はそう感じている」
という風に事実化しておかないと、妄想が妄想を呼んですっかりファンタジー(空想)の世界の住人になってしまいます。

また、そういう風に見るとそういう風に見えてくるんですよね。

9.普通に飲み会から帰ってきた。思ったよりも早い時間。今日のところはこのくらいにした方がいい、と彼女と話し合ったに違いない。これは計画的だわ。
携帯を肌身離さず持ってるのも怪しい。お風呂にまで持って行ったし、きっと見られたくないものがいっぱいあるんだわ。あとでちゃんとチェックしなきゃ。
そういえばスーツの匂いはどうかな?う、おっさん臭い・・・。ポケットに怪しいものは・・・、あ、レシートだ。あ、でもコーヒーチェーンか。ランチの時のか。何だ。お財布は・・・別に怪しいところもなし。意外と金持ってんな。お小遣い減らそうかな。いや、きっとどこかにある!あやしいものが!

まるで夫がすでに浮気をしていることを前提に見てるのが分かりますよね?
よくこういう話をするんですが「浮気してる証拠」は見つかりやすいですけど、「浮気してない証拠」って見つかりにくいんです。

ま、分かりやすく夫婦関係で纏めてみましたけど、他のケースでもこういうことってありませんか?

何が本当で、何が自分の思考なのかを切り分けることって人間関係を築く上でもとても大切ですよね。

「あの態度は私のこと嫌いに決まってる」

って思ったら、嫌われてることを前提に行動してしまいます。
でも、事実がそうでなく、単なる私の思い込みだったとしたら、自ら人間関係をつぶしてしまってることになるんですよね。

「判断(ジャッジメント)」って言いますが、そうした思い込みが作る判断は事実を捻じ曲げてることも多いのです。

“指さし確認”って知ってます?
電車の運転手さんがよくやってるやつです。

「これは事実」「これは思い込み」「これは妄想」「これは事実」という風に一つ一つきちんと見つめてあげるといいんです。

そして、思い込みや妄想に気付いたら「これは私がそう思っている」と“事実化”してあげることも忘れずに。
だって、そういう風に思っちゃうことは事実なんですから。

こうして事実をちゃんと見て、事実化していくとどうなるか?っていうと、相手や周りに振り回されにくくなります。
「私がそう思っている」という事実を持ってるために地に足が着きやすいのです。
それに飛躍的妄想も抑えられやすくなりますね。

不安や怖れの感情が強かったり、自信がなかったりするとその妄想はどんどん膨らんでいきます。
だからこそ、地に足を着けるために大切なことだと思うんです。

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