「沖縄病」という非常に罹ると厄介な、ほとんど治癒不能と言われる病、ご存知でしょうか?
「そんな奴らがいるんだ」と、私も今までは対岸の火事の如く、のんびりと鼻を鳴らして眺めておりました。
しかし、どうも、対岸だと思っていた場所が、実はとてつもなくご近所で、故に、あっという間にこちらも巻き込まれてしまったようです。
気がつけば、私も重篤な患者の一人となっていました。
いや、正確には「私達」です。
娘は時々、遠くを見て、「おきなー、行きたいねえ」と呟きます。
妻は時々、「またあの宿に泊まりたいね」とうっとりとした表情で暗示をかけてきます。
私は、週に何度も「沖縄本」に目を通し、お気に入りのエッセイを何度も読み返しています。
そして、一定期間、そこの空気を吸わないと、禁断症状が出てくるのです。
特に大きな休暇前になると、直接、もしくは、間接的な友人から
「今度のGWに家族で沖縄行くんだけど、どこか、お勧めのところ教えてくれ」
などという依頼が舞い込んできます。
それは禁酒してる奴に、何の酒がうまいのか教えろ、というのと同じ行為であり、よって、その瞬間から、私はあの琥珀色の液体ならぬ、コバルトブルーの海がまざまざと瞼に蘇り、がたがたと震えるが如く、心が沖縄に飛んでしまうのです。
現地の言葉を借りれば、マブイ(魂)が沖縄に行ってしまった、ということ。
ということは、ここにいる私は単なる肉の塊であり、腑抜けであるので、命を取り戻すためにも、可及的速やかに沖縄旅行の計画を立てなければいけなくなるのです。
しかも、どの島にマブイが飛んで行ったのかは分からないので、やはり、複数の島を回らざるを得ないようです。
いやー、これは困った・・・。
引越し直後で、まだ腰も定まっていないというのに・・・。
しかし、魂を取り戻さねば、地に足と付けて生活することは不可能ですよね。
そう、きちんと人間として生活していくために、それは、必要なのです。
仕方が、ないのです。
と、大義名分も立てたところで、早速、マイレージの残高をチェックし、かつ、予約日にきちんと電話をかけ、馴染みの宿に連絡をし、出かける準備を整えてみました。
ということで、久々の沖縄旅行決定!
資金は工面できたのか?と言う問いはない方向で・・・。
皆さんの「ここへは行っといた方がええで」と言う情報、お待ちしています。
因みに行く先は、本島と石垣の予定です。