年賀状の整理をしていると、ディズニーランドの写真をはがきに印刷したものをけっこう頂く。(今年はUSJのは1枚もなかった(笑))
私の膝の上に登り降りをしていた娘が
「わー、わたしもいきたーい」
とシンデレラ城やらミッキー&ミニーを見るたびに雄たけびをあげる。
「うーん、あんたは行けるかな~?どうかなあ?遠いよ~(汗)」
というと
「おきなー(沖縄)より遠いの?」
という鋭い指摘。大きくなったもんだのぉー、と娘の成長に目を細める余裕もなく、
「うん。気持ち的に遠いの」
という苦しい言い訳をする父。
「へぇー、そっかー。でも、行きたいなー。小学生になったら行ける?」
彼女にとっては「小学生=大人」であり、小学生になれば、車も運転でき、パパとママと一緒にビールも飲めると思っている。
「そうだね、小学生になったら行けるんちがう?」
「やったー!!」
心が罪悪感でちくちく痛む。
さて、いかにしてディズニーから逃げるか?が引き続き今年のテーマである。
とはいえ、別にディズニーを憎んでるわけではなく、同じネズミ族(私は子年)としてミッキー氏には少なからぬ親近感を抱いている。
しかし、一度行ったが最後、目の形までミッキー化してトロリとしてしまう周りのマニア並びにその一族郎党を眺めるにつけ、どうしてもTDLは禁断の園のような気がしてしまうのである。
よって我が家では未だにTDLへ行こう!という計画が上ったことはない。
しかし、うちの娘に良くお下がりの服をくれるお姉さまはTDL/TDSならば分単位のスケジュールも即時作成可能という超ディズニーマニアで、彼女の今年の年賀状はフロリダのディズニークルーズであった。
彼女がうちの娘をたぶらかせないよう、我が家に近づく事を暗に警戒している。
とはいえ、彼女がくれる袋いっぱいの服や雑貨には当然ディズニーものも少なくなく、知らないうちに感化されていることは想像に難くない。
ただ、私が彼女をTDLに連れて行きたくない理由は、必ずしもそこが禁断の園だからというだけではない。
もしうちの家族がTDLに行くとなれば、当たり前のことだがうちの奥様も一緒だ。
それはすなわち、家計的にも大冒険になってしまう危険性が高いことを意味する。
というのも、奥さんもディズニーは嫌いではないが、羽田から直行バスの浦安へ向かい、そこで何泊かしてそのまま羽田に戻るような“つまらない”計画を決して承認することはないと思われるからである。
羽田とTDLを結ぶバスは高速上とはいえ「東京都心」をかすめ通る。
その東京都心には様々な誘惑物が所狭しと陳列されている。
そして、当然奥様はごく自然な反応として目が輝き、途中下車を希望されるはずである。
すなわち、「ディズニーリゾートに2泊して、後は都内で2,3泊できたらいいよね」というのが奥様の最低限の希望であろうと思う。(以前、さりげなく尋ねたところ、普通にその計画を口にされた)
さらに、思い起こせばかつて東京のある友人は
「理加ちゃんこっち(東京)遊びにこないの?ディズニーランドとかあるから、お子さんも喜ぶのに。それに理加ちゃん連れて行きたい店、いっぱいあるんだ、あたし。六本木とか原宿も理加ちゃんが喜びそうないい店、いっぱいあるよー。そうそう、その間、ねむねむはカウンセリングしてたらいいじゃん。あたしが理加ちゃんと娘さん東京案内しとくし。夜もいいところ、あるんだよね~。雰囲気のいいカフェとかも知ってるし、紹介したい友達もいるしね。でも、夜は難しい・・・あ、でも、その間、ねむねむはさ、父と娘、水入らずで過ごせば全然問題ないよね?」
とのたまった。鬼である。
他にも「理加ちゃんが来るんだったら、会いたいな~。一緒に行きたいところがあるし~。楽しそう~。」という人は聞いているだけでも数人居る。
さらに「奥さんと娘さんにすごく会いたいよー。早く連れて来てよ~。ねむねむが仕事してる間、ちゃんと退屈させないように仕事休んでも相手するからさ~」という人は更に多い。
自分の嫁や娘が、友達からとても愛されていることはとても嬉しい。
が、心境は複雑である。
あのー、僕もカフェが好きなんですけど・・・。
僕を退屈させないとかは考えないんでしょうか?
僕と行きたいところはないの?あ、そう。無いですか。
しかし、なおまずいことに、東京のカウンセリングルームがとてもオシャレな街(代々木上原)に引っ越したため、東京出張から帰る度に「一緒に行きたい店を見つけた」とか「理加が喜びそうなショップがあった」とか「ここいいでしょう?一緒に歩けたらいいよね」とか、奥さまの東京欲をますます高める言動を繰り返している。
ということで、最後の砦を自ら壊してしまわないか不安ではあるが、まずは格闘してみようと弱々しい決意を固めている。
崩落した際は救援を求む。
#こういう書き方をするとうちの奥様が非常に怖くてわがままで金遣いが荒いという印象を抱かれる方が稀にいらっしゃいますが、あくまでこれは実話を元に構成しているネタ話ですので、その点を了承しつつ楽しんでいただければ幸いです。