住めば都の郷愁なり。


いつものことだが、今回もやっぱり同じ思いに駆られてしまう。
僕の出張は今ではだいたい4日か5日。
ちょうど慣れて愛着が着いてきた頃に、その土地を離れることが多いので、いつも最後の晩は胸に詰まされる。
しかも、出張は純粋な旅行と違ってカウンセリングやワークショップが目的だから、その土地に住む人と直接心で触れ合う、交流する。
それゆえ、余計に情は移って、人や街をより愛おしく感じやすい。


到着した日、その次の日はまだお客さま気分で、慣れた土地でもビジター然とした態度で過ごすことができる。
むしろ、大阪の我が家や家族に未練たらたらで、早く帰りたいな、などと思っている。
そして、その気持ちを払拭するかのようにマメに付近の探検に出かけたり、普段はあまり見ないセブンイレブンで買い物をして観光客気分を味わったりする。

でも、3、4日が過ぎてくると体も心も馴染んでいるのが分かる。
4チャンネルが毎日放送じゃなくて日テレなことに自然に反応し、天気予報は自然と「東京」を見てたりするからだ。
すると「ああ、この場所はいいなあ。このまま住んでもいいなあ」と思い始める。
僕にとっては“4日住めば都”なのだ。
ちょっと出かけるのが億劫になり、食事も手近なもので済ましてしまう。
周りの景色に新鮮味がなくなり、ここに起居しているのが当然のように感じられてくる。

そんなときに手帳で「明日は11:30の便か・・・」などと思うと寂しさと空しさが襲ってくる。
なんだかちょっと遠距離恋愛のような気分になってしまうみたいだ。
(・・・って僕は残念ながら遠恋はしたことないけど)

そうして最後の晩はお約束のように夜更かししてしまうのだ・・・。

ただ、救いなのは、また日が経てばここに戻ってこれるということ。
それを思って自分を納得させるのが最後の晩の仕事である。