脱稿しました。本の執筆をお馬さんに例えて人生の学びを得てみた。



ウダウダ言いながらも締め切りは守る男です。こんにちは。
4月上旬に書き始めた新刊の原稿、今回はいつもと違う切り口だったのであれこれ思い悩み、編集者に泣き付き、到底締め切りまでに書き上げるのは無理だろうと思ってましたが、桜花賞のハープスターのごとき追い込みを決めまして、締め切り3日前に無事脱稿。

3月から4月にかけてスケジュールが詰め詰めで、分かりやすく競馬に例えるならまるで外から被せられて前も詰まった馬ごみに包まれた状態でした。
結果的にそれが脚を残すことになったのでしょう。
腹を括って直線にかけるかのごとくゴールデンウィーク前からの沖縄旅にかける競馬(執筆)をしたのですが、それがものの見事にハマってラスト2ハロンを33秒台前半の末脚で差し切ることができました。
(え?ワケわかんない?なんで?笑)

今回の本、テーマは「暇がメンヘラを作る」。
暇な時間を退屈して過ごすんじゃなくて、前向きに使うにはどうしたらいいのか?という、ある種の時間管理術の本になります。

とはいえ、私のことなのでノウハウ本ではなく、メンタル面をサポートする内容で、最終的には新たなライフワーク本になりました。

そもそも私は執筆に関しては完全なる追い込み馬でございまして、スタートを決めて好位に付け、4角先頭で押しきるような横綱相撲は大変苦手でございます。

出遅れも多く、前半はペースを落として何なら最後方に待機する感じで最後の直線にかけるので、かっこよく言えばディープインパクトみたいな執筆スタイルなのですが、作家としては条件馬クラスみたいなものなのでそんな偉そうなことは言えません。

今回も前半はいつものように折り合いに苦労しまして、全体像が見えない手探り状態で悶々としてました。
でも、いつもそうなんですが執筆の手が止まっていても頭の中であれやこれやと妄想している間に道は拓けるもので、半分を過ぎた頃から先が見え始め、それに伴って筆も乗り始めまして、33秒台の末脚に繋がったわけです。

そういう経験を通して、先が見えないモヤモヤした状況でも諦めずに葛藤してると突然視界が明るくなるってことを実践してるんだろうと思います。

そういう競馬(執筆)に慣れてきたので締め切りが迫っていても焦ることなくじっくり構えることができるようになりました。

自分を信じられるようになってきたってことかと思います。

知り合いの作家さんなどは毎日一定量をコツコツ書くスタイルで自分もそれができたらいいのにと思ったことはありますが、馬ごとに合った脚質があるように、作家にもスタイルがあるのでしょう。

30冊くらいの本を書いてきて(でも書き下ろしは7割くらいなのかな?)、ようやく自分のスタイルが見えてきたというのは、つくづく晩成型なんだと思います。

そうして、自分のスタイルが分かってくると自分を信じるということもできるようになります。

今回も旅から帰ってきてからは1日1万文字以上を量産しましたので、体が元気であれば追い込みが利くわけです。

本を一冊書くというのはやはり肉体的精神的になかなかの重労働なんですが、それを通じて自分を知り、自分を信じ、ベストを尽くす、という学びをしているのでしょう。いつになっても学びはあるもんです。

脱稿後は、もっと書くべきことがあったんじゃないかと思ってしまうのでスッキリ!という訳には行かないのですが、ここからは編集者にお任せして読みやすく分かりやすく仕上げて下さることを信頼して待つ段階です。

とりあえず昨夜は一区切り付けようと珍しく家でささやかな祝杯をあげまして、また今日からまた一歩を踏み出していきます。

というのも連載原稿と文庫本ゲラチェックの締め切りが迫っており、その他、セミナーの大型企画も控えており、連投でレースに出走する馬のごとき息を入れる暇はないのです。

そう思えば放牧を挟んで大レースだけ走る一流馬と違い、私は頻繁にレースに出走する条件馬なんだろうと思う次第です。
とはいえ、無事是名馬ですから、ちゃんと動いてくれる体と頭、そして支えてくれる家族には感謝なのです。


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