心が緩むと何かがふわっと広がった感覚がする。



最高気温が22℃という世界から、数時間後には、外気温9℃の世界へ。
そして、「この冬一番の冷え込み」という日々を過ごすと、体が冷えてたまらない。
こんな写真を大阪で見るとなんだか寒々しい。

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なんだか昨年の夏の写真のようにも見えるが、実はわずか3日前の風景である。
透明度バツグンの白い砂浜で仲の良い姉弟がごっこ遊びをしている。

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潮干狩りをしているわけではなく、珊瑚のかけらを拾っているらしい。
きゃーきゃー歓声をあげながら11歳児と4歳児は水遊びをしている。

目を転じれば、人は少ないが、家族連れ、友達連れがめいめい水際で遊んでいる。
この日は長袖Tシャツにパーカーでは少し暑いくらいの陽気であり、風が心地よく、まさに大阪で言えば10月頃の陽気であった。
穏やかで平和を感じて、誰もが眠たそうだ。

以前このビーチに遊びに来たとき、頭上を何機もの戦闘機が通り過ぎていった。
普天間基地がすぐ近くにあるためだ。
でも、この日は一機もその姿を見なかった。たまたまなんだろうか?

沖縄に来て以来、毎日海を眺めて過ごしていた。
ビーチに来たのはこの日が初めてだったけど、目の前に海があるのが当たり前ってすごく幸せなことだと改めて実感した。その思いは妻も、子どもたちも共通のようで、そういう生活をしたいな、と思ったのである。


私は「おにぎりを食べに行こう」って言葉だけでかなり幸せな気持ちになってしまうサガである。
この日、友人から教えてもらった「青森の初女さんのところで勉強された方が握るおにぎりが食べられる店」に行った。駐車場には「わ」「れ」ナンバーのない、地元の方が大切に守っている店である。

オープンしてすぐに入店したがけっこうの人出で、おにぎりセットが出てくるまで40分くらいを要した。
隣の席のおじさんは「遅いな、何かあったんじゃないのか?」と沖縄の方言で言っていた。
元々時間がかかるのは覚悟していたから私たちは大丈夫だったけど、それを知らない人はイライラを通り越して心配になるに違いない。

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実は私は相当のイラチである。肝臓があまり良くないんじゃ?と疑われるほどに(そして、その理由も明確なのだが)待つことが苦手である。

けれど、この島に来て数日。
少し肌寒い室内で(とはいえ私は長袖一枚である)スマホを見ながら、おしゃべりしながら、子どもの遊びに付き合いながら待つということもできる。

気持ちを込めて作られたことが一目でわかる料理は、待つ時間も含めてご馳走である。
私の口には少々塩辛く感じたけれど、でも、思わず一気食いしてしまいそうなくらいの不思議な美味に満たされていた。


「確実に心が緩んでいる、これはしばらく忘れていた感覚だ」とそのときはっきり気付いた。
海とおにぎりがそれを思い出せてくれた。

やはり人には定期的に休息が必要だ。

移住はともかく、忘れないうちにまたここに来る必要がありそうだ。


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