(本の感想)まさかこれほど家族を省みる視点が変わるとは思いませんでした。



子どもの将来は「親」の自己肯定感で決まる(実務教育出版)

 読みながら繰り返し感じたのは、私は親を深く愛していたし、両親も私をとても愛していたのだということでした。
 私はまだ相手も結婚の予定もありませんが、自分の自己肯定感について考える中で両親の自己肯定感も知りたいと思うようになり本書を読むに至りました。

 友達の家に比べれば問題だらけの私の家族。
 その中でも特に問題児な私のことを、両親は大嫌いなのだと思い、私自身も両親が大嫌いでした。
 けれどママに語られる多江や賢一の思い、世間の目や思い込みに振り回される視点から「私は私、人は人」へと変わっていく二人を追いかける間に浮かんでくるのは、両親の笑顔や私に謝ったときの姿でした。
 「大人の話に入ってくるな」と怒られたのは、子どもに心配をかけたくなかったから。
 「お前がいるから」と暴言を吐かれたのは、親もどうしていいのかわからなかったり「こんな親でごめん」と言えなかったからではないか。
 そして私が問題児だったのは、自分が悪者になることで家族が仲良くなるならそれで構わないと思うくらい両親を、家族を愛していたから。
 そんなふうに解釈していくうちに、否定し続けてきた家庭が不器用な愛情に満ちていたのだと感じて涙が溢れました。

 ちょっと親とのことの理解につながるかも、もしかしたら私が親になるときが来たら役に立つかも、くらいの軽い気持ちで読み始めた本書。
 まさかこれほど家族を省みる視点が変わるとは思いませんでした。
 もっと早くにこの本に出会えていたら親のことをわかってあげられたのにという少しの後悔と、いつか私が家庭を築くときには柔らかな愛情に満ちた優しい場所にしたいと思える温かな読後感を得られました。

 現実が突然好ましい方向に変わることはなくても、読むことで1年後、3年後……の未来が変わりうる言葉に溢れている本でした。
 ありがとうございました。
(Yさん)

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