仕事の憂鬱さを減らしたい。~目標なき「やり過ごす」は他人軸になるから危険だぞ~



「いつかこの仕事を辞めるのだからそれまではやり過ごそう」という“あいまいな目標設定”はとても危険で、仕事のモチベーションを下げるだけでなく、メンタルを大いに削ることになってしまうものです。
それはどこかに「他人軸」が潜んでいるからで、したがって「今」自分軸を取り戻していく必要があるのです。

こんにちは。いつも大変お世話になっております。簡単ですが、よかったらネタ提供させてください。
根本さんのセミナー動画を中心に自分を掘り下げ、ライフワークを生きることを目指しています。

私は41歳の会社員で、苦行として仕事に取り組んでいます。
たぶん母を幸せにするためにがんばってきました。
大企業勤務という世間体や出世したいという他人軸の欲は手放せており、かつそもそもお金儲けにあまり興味がないので、根本的に会社員は向いていないなと思っています。
ただ、自己嫌悪は減らせたものの、自分の価値を認められていないので、いま辞めて職場の人に迷惑をかけることはどうしてもできません。
半年くらい週1で辞表を書いていましたが、無理でした。諦めました。
たぶん、そのうち、いまがやめどき、というのが来ると思うので、その日までやり過ごしたいと思っています。
ですので、それまで少しでも仕事を心安らかにこなしたいというのが当面の目標です。

やーっと本題ですが、毎朝仕事が憂鬱でたまりませんが、むしろ仕事前がもっとも憂鬱で、仕事中の方がまだましなのが不思議だと思っています。
なぜなのでしょうか。どうしたら仕事前の憂鬱さが減らせるでしょうか。
根本先生の、「朝9時までに1分間ください。不安が消えて、心が元気になります。」も活用させていただいていますが、もっともっとと思い、お伺いさせていただきました。
仕事中の方がましといっても、もちろん仕事中あった嫌な出来事が心にのしかかって毎朝の仕事の憂鬱さをもたらしています。
また、私の場合、仕事で起きる憂鬱な出来事は主に以下です。

・仕事が忙しい、面倒な仕事が増えた(とにかく仕事が面倒で、嫌いです。)
・上司がむかつきます(たぶん、私の人生に喝を入れるために神様がよこした人なので。)
・優秀な後輩に劣等感、嫉妬からイラつく
(Mさん)

「苦行として」という自覚がおありという時点で筋金入りの武闘派女子である匂いが漂って参りましたが、その後の文面を読むにそれは確信に変わっており、また同志たちのみなさまの「分かる分かる!」との大合唱が聞こえてくるような気がしております。

「自分をうまく乗りこなせない」的な感覚を覚えたことってありませんか?

たぶん、本来はとても感情が豊かな方なのかな、と思うのですが、それを後天的に思考で抑え込まれているように感じたんですよね。

Mさんの心はどんなことを訴えているのでしょう?
そして、Mさんはその声をどう受け止めていらっしゃるのでしょう?

>毎朝仕事が憂鬱でたまりませんが、むしろ仕事前がもっとも憂鬱で、仕事中の方がまだましなのが不思議だと思っています。

私もパーソナルトレーニングに行く前というのはけっこう憂鬱になるものでして、何とかしてサボる理由はないかと検索するのですが、たいした理由も浮かばず、当日キャンセルは回数券1回消費という事情もあり、さらに、トレーニングをする目的もあるものですから、重い腰を上げて毎回出かけるんです。(何を隠そう、今日も午後からトレーニングがあるのです。)

今のトレーナーさんにお世話になって2年経つんですけど、その気持ちはあんまり変わりません。まさに“苦行”であり、いろんな意味で“精神修行”だと思っております。

でも、いざ行ってしまえば憂鬱さは解消され、何とか体のためにこの時間を使おうと思えるわけです。

やっぱ実際に出かけることで腹がくくれるんでしょうな。
トレーニングルームに入ってしまえば逃げられないわけですしね。

・・・Mさんも同志のみなさまもそんな感じじゃないかな、と思うわけです。

いざ、仕事に行ってしまえば腹がくくれますし、やるべきことも山ほどありますから、憂鬱な気持ちも少しマシになるんだろうと思います。

何でもそうですけど、いざ始まってしまえば大丈夫!ということは多いと思います。

ピアノの発表会も結婚式のスピーチも顧客へのプレゼンも、始まる前までは緊張したり、気分が重たかったり、逃げ出したかったりするかもしれませんが、いざ檀上に立ってしまえば腹がくくれて「意外に楽しかったー」ってこともあります。

私のクライアントさまには最近も美容室やクリニックを開業された方がいらっしゃるんですけど、彼女たちも開業までのメンタルはたいへん浮き沈みがあったようです。

で、おそらく仕事が憂鬱でたまらんのは、こういう状況だからだと思います。

>たぶん、そのうち、いまがやめどき、というのが来ると思うので、その日までやり過ごしたいと思っています。

体育会系の方は「罰走」という経験はありませんでしょうか?

試合に負けたとか練習態度がなっとらんとか気が緩んどるとかの理由により、コーチより「俺がいいっていうまでグラウンド走っとけ!」という指示が出る奴です。

それが「競技場から学校まで走って帰れ!」とか「グラウンド50周」とかなら、まだ辛くてもマシなんです。ゴールがあるから。

けど、「俺がいいと言うまで」というパターンは「え?いつになったら終わりがくるの?」という不安を覚えるものですから、やりがいもやる気も猛烈に失われるわけです。

結果的にグラウンド30周くらいで終わるかもしれないし、もしかしたら70周は知らされるかもしれない、となったら、ペース配分も含め、「どういう心境で走ったらいいのかが分からない」わけです。

一般的に女性性が豊かな方は「目標設定」が嫌いで、「目標を設定された瞬間にやる気をなくす」という特徴をお持ちなのですけれど、それは女性性は自由が大好きだからなんですね。

好きにしていいよー、やりたいようにやっていいよー、という状況が好きなわけですから、「俺がいいと言うまで走っとけ」というのはたいへん不自由な状況なので、ものすごく苦痛に感じます。

つまり、何かしら制限をかけて自由を奪われるのであれば、やはり「目標」(ゴール)というのは女性性にとっても必要なものなんです。

「ゴールに達したら自由にできる」というのがモチベーションになるわけです。

だから、女性性が豊かな方であっても「いつか来る日まではやり過ごす」というのは苦痛なんです。

とすれば、元々目標に向かって突っ走ることが好きな男性性にとってはその状況は苦行どころの話ではありません。

早々にやる気を失ってしまうでしょう。

「やり過ごす」という言葉も「いつまで」という期限があれば我慢することもできますけれど、「無期限」であればしんどくなるんです。

つまり、男性性にとっても女性性にとってもMさんの状況は苦しくなることが確定しているものなのです。

そもそも「やり過ごす」という状態では、目の前の仕事に向き合うことはできません。

ちょっと斜に構えて、適当にごまかす「逃げ」の姿勢になるものですから、なんにせよ中途半端になります。

目標もない、やりがいもない状態ですから「現状維持」を望むようになり、仕事が増えるのも、新しい業務を与えられるのも、人が変わるのも、どれも嫌になります。

「このまま時間だけが過ぎてくれたらいいなあ」と思うわけですね。

そしたら、そんな感情を感じる場所に行きたい人はいないわけですから、仕事前は相当憂鬱になるでしょうし、仕事中は「心頭滅却してやるべきことをやる」に徹するはずですから、だいぶしんどいと思います。

もちろんそれを「精神を鍛えるための修行」ととらえ(つまりそれを目標とし)ているのであれば、まだマシですけど、「いつか来る日まで~」という状態は心理的には相当きついと思います。

だから、仕事への不満はどんどん募るでしょうし、モチベーションはどんどん下がるでしょうし、だんだん「なんであたしはこんなことしてるんだろう?」と“無意味感”というものを感じ始めるでしょうし、それを「仕方がないじゃん」といさめるならば、だんだん心が死んでいく感覚がすると思います。

特に情熱系な方々がこのサイクルにハマりますと「なんで生きてるのかわからん。生きてる意味がねえ」とか言い出すまでに至ることもありますが、どこかでその分を取り戻そうとするので、せっせとアンダーグラウンドの住人になっていく確率も高くなるのです。

仕事が憂鬱な分、刺激的な何かを求めるようになり、そこに沼ることになるんです。

Mさんはまだその点は大丈夫でしょうか?

じゃあ、

>それまで少しでも仕事を心安らかにこなしたいというのが当面の目標です。

というのは目標ではないのか?という話になると思うのですけれど、この場合の「心安らかに」というのは、「やり過ごす」ためのものですから、すでに結論は出ていますね。

先ほどの「現状維持を望む」と同じことだと思うので、あまり効果はないと思います。

そういう状態ですので、

>なぜなのでしょうか。どうしたら仕事前の憂鬱さが減らせるでしょうか。

という疑問に対しては、やっぱ何かしら目標がいるんじゃねえの?と思うわけですけどいかがでしょうか?

ライフワークを生きたいと思っている一方で、たぶん、それに逆行することをやってらっしゃいますから、まずは、そのライフワークを明確にするところが必要でしょう。

会社員に向いていない、と思われるのであれば、じゃあ、何に向いているのか?を明確にしていくことです。

そのうち辞める、のではなく、いつ辞めるのかをはっきりさせることです。
Xデーを決められないのであれば、明確な基準を設けたほうがいいでしょうね。
「○○円、貯金ができたら」とか「ライフワークを決められたら」とか「婚約したら」とか「次の家が決まったら」など、“自分軸”の基準を設けてみましょう。

今の状況はメンタルを削りに削っている状態なので、いざライフワークが見つかってそこに向かって動き出そうとしても、なかなか心身が言うことをきいてくれない可能性も出てきます。

「リモートワークができる会社に転じて世界を転々とする!」というやりたいことが見つかったとしても「でも、めんどくせえ」となったり、「自分にできるのかなあ」と思ったりしてブレーキをかけちゃうってことです。

ライフワークを生きようと思ったら、やはり心身の健康ってものすごく大事ですものね。

それに、今「やり過ごす」姿勢なのに、次「やる気を出す」ということができるかどうかも“習慣”の問題から難しくなるかもしれません。

転職にしても起業にしても「自分軸なのか、他人軸なのか」は重要なポイントになります。

「今の仕事はつまんない。転職すればきっと面白くなる」というのは実はものすごい他人軸でございませいて、「それって会社に期待してるってことじゃね?」と言わざるを得ないものです。

例え、やりたかった仕事に転じることができたとしても、その他人軸な部分が多ければ多いほど同じことを繰り返します。

「やりたい仕事に就いて、はじめは良かったんだけど、だんだんつまらなくなってきた」という話を見聞きしたことがあるかもしれませんが、そういう状態を作るのが他人軸なんです。

ライフワークを生きたい!自分軸を生きたい!と思うのであれば、「今」自分軸を確立し始める必要があります。

転職したら自分軸になろう!ってのは期待に過ぎませんから、たいていコケてしまいます。

私のカウンセリングって「そもそも論」を展開することが多いのですけれど、私からするとまずMさんが本当に今の仕事を辞めたいのかどうかを検討していくことになるでしょう。

何が嫌なの?本当に嫌なの?何がダメなの?みたいな感じで、嫌な質問をいっぱいされると思います。笑

こういうことを書くので怖がられてカウンセリングに来るハードルを上げちゃうんですけれど(すいません)、やっぱ大事なことだと思うんですよね。

例えば、「今の仕事は辛い。やる気ない。嫌だ。」とおっしゃる方の中には「でも、給料がいいんですよねー。この時代なのに福利厚生が充実してるんですよねー。」という方も珍しくありません。

そうすると「生活水準落としたくないでしょう?会社の保養所とかエステの割引サービスとか捨てがたいでしょう?」という話になり、「だから、ほんとは会社を辞める気はないんじゃない?ていうか、辞められないと思ってない?」という結論に至ることも少なくないわけです。

また、「特にほかにやりたい仕事もないし、今の会社は給料が多いとは言えないけど安定しているし」なんてときにも同じことが言えますね。

「いつかは会社を辞める」という気持ちが「ファンタジー」になっていて、「慰み」になってしまってるんです。

それは問題の先送りにしかならず、本質的には何も変わらないのですから、いつまで経っても会社を辞められないし、しんどいのも変わらない(むしろ増える)のです。

それってめちゃくちゃしんどいと思うんですよね。

だから、「自分は会社を辞める気がない、ということを受け入れたほうがいいよ」という提案になります。

それが受け入れられると「会社を辞める気がないならばどうするか?」という風に意識が変わります。

「会社を辞める」という慰み・逃げがなくなるので、自分と向き合わざるを得なくなるんです。

まあ、この「自分と向き合う」「自分の本音と向き合う」ということから逃げてる場合も多いのですけれど。

でも、それってつまんない人生じゃないかと思うんですけどどうでしょう?

さて、Mさんのお話で気になるのはこの2か所です。

>たぶん母を幸せにするためにがんばってきました。

>いま辞めて職場の人に迷惑をかけることはどうしてもできません。

どうも「他人軸」が板につきすぎているのかも、と思ってしまいました。

いま辞めたら職場に迷惑がかかることを知っているんですよね?
ってことはご自身の価値も分かってらっしゃるということですよね?

その価値って具体的にどのようなことでしょうか?

また、母を幸せにするプロジェクトはまだまだ進行中なのでしょうか?
それとも実は終わっているのでしょうか?

「母」を幸せ人してあげたいと思うのであれば、「わたし」を幸せにしてあげなきゃいけませんよね。

今の状況をみても随分と自分自身を放置されてきたんじゃないかと思いますから、さらにご自身をいたわってあがることが必要かもしれません。

自分の本音と向き合ってみるのはいかがでしょうか?
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★自分軸を取り戻すための本と動画

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*文庫版『人のために頑張りすぎて疲れた時に読む本』 (だいわ文庫)
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『人のために頑張りすぎて疲れたときに読む本』(大和書房)
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