溺愛は愛なのか?


親が子どもを支配する方法の一つに「溺愛」があります。
子どもは自主性を失い、傲慢になり、家の中で問題が無い代わりに社会の中で問題を作ってバランスを取ろうとします。

さて、今日はリクエストにお応えしたいと思います!!

************
私には『自分は溺愛されて育ったから幼少期に何も問題はない!』と豪語している友人がいます。しかし何か思いグセのようなものを抱えてるように 私からはみえます。
(自分の投影かもしれませんし、それが正しいかは別としてです)

また他の方でも『自分は溺愛された』と言ってる人って 意外と問題を抱えてるように見えます。
実は私も半分溺愛です。

本当に精神が安定してる人って 足りなさ過ぎず過剰すぎず、バランスなのではないかと感じるのですよね。

溺愛の弊害を教えてください。
(Mさん)
***********


そうですね。バランスの問題なんですよね。

そもそも「溺愛」と言われるくらいの状態になると、それは愛なのか?という疑いを持ってしまいますね。
何でも許されて、甘やかされて、やってもらえて、「いいよ、いいよ」って育てられることを「溺愛」と定義するのであれば、それは果たして「愛」と言えるのだろうか?
だとすると、それは子どものため、というよりも、親自身のためではないだろうか?
ペットやぬいぐるみのような愛玩具として子どもを扱ってしまうのではないか?
過干渉になって、子どもを我が物として支配しようとしていたのではないだろうか?
親が怖れから子どもに何も言えなくなってしまって結果溺愛になってしまったんじゃないだろうか?
そんな疑問が湧いてきますね。

もし、それが愛ではないとするならば、溺愛されてはいたけれど、本当は愛されていない状態と言えるのです。だから、心理的には愛に渇望しています。

そういう育ちをすると人に対して「傲慢」になってしまう可能性があります。
「私は愛されて当然」という姿勢になってしまいがちで、そうなると周りからは鼻つまみ者になってしまいます。

また、与えられることばかりが多いので、与えることが苦手になります。
してもらって当然なので、してあげることが苦手なのです。
そうすると「与える」ことで成り立つ人間関係はあちこち破たんしてしまいそうです。

「愛」ならばきちんと子どもがひとりで生きていけるよう、自立していくところまでサポートする(適切な距離を取る)のが理想なのかな、、、と思ったりもします。
この辺は実際Mさんのお友達がどんな状態だったのか、Mさんがどうだったのかが分からないので、話が難しいところなのです。

また、世の中もバランスで出来上がっています。
家庭内で溺愛されると、社会の中で孤立を味わうこともあります。
例えば、以前、とても家族から溺愛されてる子どもが学校でひどいいじめにあっている、という相談を受けたことがあります。
親御さんは「こんなに家庭内で愛情豊かに育てて来たのになぜなのだ」と怒っていらっしゃったんです。
家と学校とでバランスを取っているのでしょう。
ポジティブな見方をすれば、その子は「家の中でふんだんに与えられた愛を、そうでない同級生の子どもたちに与えるためにいじめにあっている」と解釈できます。
いじめをする子は心に何らかのストレスや傷を負った子ですから、その子に愛を与えるのが彼の希望なのかもしれないのです。

また、パートナーシップで自分と真逆の人と出会うことでバランスを取ろうとすることもあります。
これはカウンセリングでも良くあることで、自分の育った家で溺愛された分だけ、全然愛情のない人と結婚しちゃったりするんですよね。
これもポジティブに捉えれば上記の話と同じで、自分がふんだんに与えられた愛をパートナーに与えることで、パートナーに愛の素晴らしさを気付いてもらうことがミッションになります。

溺愛されて育った人がなぜか仕事が長続きしない、という話にも出会います。
自立心が育っていないので「誰かが何とかしてくれるはず」という依存心から抜け出せないんですね。
だから、踏ん張りが利かず、少しでも嫌なことがあると逃げ出してしまいたくなるのです。
もちろん、バランスの法則からなぜかブラック企業ばかりを渡り歩く人もいるのですが・・・

過ぎたるは及ばざるがごとし、という風に、過剰な愛情を親から与えられると、それは社会の中でバランスを取ることになるのは間違いはないようです。

となると、やはりそれは「情」ではあるけれど、「愛」ではなかったのかな、と思わざるを得ないんですけどね。

さてさて、このままだと評論家になってしまうので(笑)、自分に思い当たる節がある人はどうしたらいいのか?という点についてお話しします。

今、親との距離感、関係性はどうですか?

まずはここからです。
もし、親から自立して一人で生計を立てている状態であればとりあえずOKです。
親元に暮らす方も、例えば経済的に自立している(家にお金を入れている、かつ、貯金や保険をきちんとしている)状態ならば、まだOKです。
一方、結婚している方も、家庭を切り盛りできているのであればある程度OK。もちろん、夫婦仲は良いことが前提ですけれど。

もし、親との距離が近すぎるようであれば、適切な距離を取るように、仕事、お金、家などで調整していくことが望ましいです。
少ししんどい、きつい、厳しい、冷たい、などの抵抗を感じるかと思いますが、それは癒着が切れるときに伴う必要な痛みです。

「自立」がテーマになります。
そのため、「与える」ことをふだんから意識してやってみてください。

与えるとは「その人が喜ぶことをしてあげること」です。
溺愛された方は少し「犠牲」になってしまうこともありますが、それはそれで構いません。

こうしてあげたらこの人喜ぶだろうな、ということを探して実行してみてください。
そのためにも自分の中にある「愛」をきちんと認識する必要がありますね。

「私は十分愛されてきた。だから、この愛をこれからは人に与えるんだ」

そういう意識を持つのも役立つと思います。

毎日使える心理学講座

子育ての心理学

 ★好評発売中!根本裕幸の近著。
こじれたココロのほぐし方 頑張らなくても愛されて幸せになる方法

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter で心理カウンセラー根本裕幸をフォローしよう!


おすすめ関連記事