転校を繰り返した経験が作る心の壁~転校生の孤独~


恋愛や夫婦関係の問題で「なぜか距離が近くなると上手く行かなくなる」という原因の一つに親密感の怖れがあり、その怖れの原因が転校を繰り返したこと、である場合もあるんです。

どこかで書いた記憶があるのに、検索してみると出て来ないシリーズ!!!(笑)

当てはまらない人も多いかもしれないんですけど(実は私もそんな一人)、子どもの頃、親の転勤やその他の理由で転校を繰り返してきた方は人との距離感でちょっとした問題を抱えていることが少なくありません。

でも、それが転校が多かったことに起因する、ということに気付いてない場合もあります。
特に、転校先で上手くやれた人ほど。

例えば、親の仕事柄、2~3年で転勤を繰り返すパターンにあると親密な友達を作らないようになります。
なぜかというと、「どうせ、仲良くなってもいつか離れ離れになるし、その時辛い思いをするから」という思いがあるからです。

だって、今の学校で大親友ができてお互いの家を行き来するくらいになって、ずっと友達だね~!って誓い合って、でも、ある時「今度、パパが大阪に転勤になったからまた学校変わるわよ」ってママに言われたらすごく傷つくでしょう?
辛い、寂しい、悲しい、、、、そして、悔しい。

もちろん、お別れパーティをして、新しい連絡先を伝えて「お手紙書くね!」って約束して、転校しても何度かは手紙のやり取りはあるけれど、自分も相手も今の学校の人間関係が優先されるからだんだん途絶えて行きますよね。

そうした辛い経験をすると親密な友達を作ることを敬遠するようになります。
もう傷つきたくないから、辛い思いをしたくないから、という理由で。

そして、新しい学校で如才なく振る舞って人気者になったり、自分の世界を作って独特のオーラを放ったりして、徐々に分厚いペルソナ(仮面)を作って、自分自身を演じるようになります。
まるで2~3年周期で演目が変わる舞台俳優のように。

そうすると、一定の距離感(=少し人と距離を置いた状態)で「人間関係をうまくやる秘訣」を学ぶようになります。
あるクライアントさんは転校先でいじめられない秘訣に「転校するたびにクラスで一番影響力のある女子にまずは取り入って守ってもらうように一生懸命頑張ってた」という話をしてくれました。
また別の方は「面白い人っていじめられにくいから、進んでピエロ役をやってた」そうです。
それが転校を繰り返す彼、彼女たちが自ら学んだ処世術だったわけです。

そして、その一定の距離感でうまくやれるテクニックを身に着けた人はビジネスシーンにおいてとても活躍することも少なくありません。
その距離感がビジネス的な付き合いをするにはちょうどいいからです。

人とは深入りしないし、やるべきことはきちんとするし、周りが見えているし、どうすればいいのかが分かっているし、自分をコントロールできるし、と。
だから、転校を繰り返してて、という話を聞くと「仕事の人間関係はうまく行ってるでしょ?で、仕事もできる方でしょ?」なんて話をします。

ただ、転校先でいじめを経験すると、より一層殻を作ってその中に閉じこもってしまうケースもあり、人間関係全般が苦手になる方もいらっしゃいます。

さて、そんな「一定の距離感」はドライなビジネスシーンでは役立つものの、より親密な関係性を求められる場面ではとても苦労するんです。

その代表格が恋愛・結婚であり、「友達は多い?」「それなりにいますけど、なんでも話せる親友というと誰もいないかも」という状態です。

実はもともと恋愛や夫婦関係のご相談でカウンセリングをしていて、その中で生い立ちについて話を聞いて「ああ、転向が多かったんや。だから、近い距離が苦手になったんだね」という展開になることが多いです。

転校先でうまくやってきた人からすれば、ある意味それは成功体験ですから、まさかそんなところに原因があるなんて意外に思われる方も少なくありません。
しかも、親友がいて傷ついた、とか、転校するときすごく辛かった、などの記憶はその後、消去されてる(忘れられてる)ことも多いので、「転校は多かったけど、そんな辛い思いはしてないと思います」という風に思う方も少なくありません。

また、「よく根本さんが夫婦関係が上手く行かないのは親との関係にあるって書かれてますけれど、私、両親ともずっと仲良しで、私には当てはまらないと思ってたんです」とおっしゃる方が実は転校が多かった、ということもよくある事例です。

人との距離感って一般的に

他人→知り合い→同僚→友達→親友→兄弟・祖父母→父親→母親→パートナー

の順に近くなります。
転校を繰り返すと「友達」や「親友」のところに痛みが生まれるので、その外側の世界、同僚や知り合いの距離感で人と付き合うようになります。

元々、恋人は他人から始まるので、距離が縮まって、友達以上になってきたときに「イタっ!」ってかつての痛みがぶり返すわけです。

そうすると、一定以上人を近付けられなくなり、親密な関係が築きにくくなりますし、仮に結婚まで到達したとしてもより親密感を抱く距離感(つまり家族になり、パートナーになっていく過程)で、うまく行かなくなるんです。

「他人を親友みたいな距離に入れるとひどく傷つく」というルールを体験的に持ってしまっているからです。(これが潜在意識の中にある“傷つかないためのルール”になっているのです)

恋人や夫婦などの親密な距離になっていくと痛みがぶり返すと言ってもさっき書いたみたいに「あいたたたたたたたたたた」って感じるわけではありません。それだったら分かりやすいんですけどね。

距離が近づいたり、結婚によって一気に距離が縮まってしまうと、その潜在意識ルールが警鐘を鳴らすんですね。

「ヤバいで、ヤバいで、こんなに近くになったら超ヤバいで」って。

そうすると相手に不満を感じて別れたくなったり、これ以上仲良くなるのはダメな気がして「距離を置きたい」って言ったり、相手にあれこれ文句を言ってケンカが増えたり、些細なことから相手のことが信頼できなくなったりするんです。

感情的に見れば「怒り」や「不信感」などが発動します。
その裏には「傷つくことへの怖れ」があります。

だから、「友人から恋人になったんですけど、友達でいるときはすごく仲が良かったのに、付き合うようになってからケンカばかりするようになった」とか「付き合いはじめはうまく行っていたのに、気が付けばお互い罵り合いばかりで疲れます」になるわけです。

すなわち「親密感への怖れ」があるんですね。

この親密感への恐れはブログでもたびたび登場します。
野良猫系な人や、ロックマン系の人に多いパターンですね。

「昔、大失恋をした。それ以来、親密な関係を作るのが怖くなった」というのと同じことが起きているんです。

でも、それが転校を繰り返してきたからだなんて・・・って意外に思われるのです。

そうした痛みをどう取り除くか?ということについては様々な方法があります。

一つ目はコミュニケーションによる解決。
まずは自分自身と向き合い、自分の本音、本当の気持ち、言いたいけど言えなかったことなどをパートナーに伝える機会を持ちます。
「ほんとうはこういう風に思っていたの」みたいな。

自分が本音だと思っていたことのさらに奥に別の本音が隠れてることも多いので、自分自身の気持ちと正直に、素直に向き合っていくことが大切です。

この伝える相手というのはパートナーが一番ですけれど、親だったり、今の友達だったりでもOKです。
友達に本音を伝えることで、すーっとその友達と距離が近づくのが分かるようになります。

それを伝えられるだけでも心が開き、相手の愛を受け取れるようになります。
そう、親密感の怖れって「愛する怖れと愛を受け取る怖れ」ですから。

でも、そうした気持ちを伝えることができたとき、今度はその転校初期から抑圧していた「依存しちゃうかも」という怖れが出て来ることもあります。
すごく相手に依存しちゃって重たくなったらどうしよう・・・とかね。

でも、それも本音だから伝えちゃってね、って言ってます。

二つ目はパートナーがいる人、限定になっちゃいますが、コミュニケーションの一つでもあるセックスでの解決です。
セックスって親密感そのものですからね。
より充実したセックスを自分に許していくことで、その行為の中で親密感の恐れも溶け、傷も癒されていきます。

親密感の怖れはつながりが癒しますから、セックスはその代表的な行為になりますね。

ちなみに転校を繰り返すだけでなく、親密感への恐れがある場合、セックスは「ベッド上の格闘技」とか「心頭滅却して早く終われと念じる儀式」とか「健康的なスポーツ」とか「義務を果たすべく、役割に徹する場」とかになりやすいですね。

そこにぜひ「めいく・らぶ」と言う項目を加えてみてください。(あえてひらがなで書いてみました)

どうしたらそういうセックスができるの?という方は試行錯誤するのがいいですね。
そういう方法を教えてくれるセミナー、ブログ、本を探してもいいですし、自分なりに愛する、愛させる、愛される、という意識でリングに上がってもいいでしょう。
(あ、リングじゃないですね。ベッドでした(笑))

三つ目はちょっと自分を主人公にした小説、映画を作ってみる方法。

「小2で大阪から福岡に転校し、小5で東京にまた転校になった女の子。どんな気持ちで学校を去ったのだろう?どんな気持ちで福岡の学校に行ったんだろう?去るとき、仲良かった子がもしいたとしたらどんな気持ちだっただろう?転校先での不安をどう消していたんだろう?」

そんな風に自分をモデルにした主人公の心象心理を想像してみます。
イメージとしてそんな映画、アニメを思い浮かべるのもいいでしょう。
これはイメージワークになりますね。

そして、その子に今の自分が会いに行ったとすれば、どんな風に声をかけてあげたいだろうか?どう慰めるだろうか?その子はどうして欲しかったんだろうか?

あるカウンセリングでそんなイメージワークをしたとき、いきなりクライアントさんの目から大粒の涙があふれ出て来て「本当は転校何てしたくないんだと思う。でも、パパやママが悲しむと思ってすごく我慢してるはず。」と言う思いを吐き出されました。
「じゃあ、その子を今すぐに抱きしめてあげましょう」と感情を解放していきました。

もちろん、そんな風に感情がすぐに動かなくてもいいです。
そのイメージを頭の中で思い描き続けてください。
ずっと真剣にやらなくてもいいです。時々思い出してあげるだけでいいです。
「もし、そんな子が目の前にいたら、何て声をかけてあげたいだろうか?」と。

これはインナーチャイルドワークの応用編とでも言いましょうか。

こうした方法を使っていくと、潜在意識の深いところにあるそのルールが解放されて、「何か知らんけど楽になってきた」ということがよく起こります。

ぜひ、お試しを。

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