辛いものの話



辛いものが好きである。
それもここ数ヶ月のこと。
それまではどちらかというと胃弱を気にし、あまり積極的に辛いものを摂る雰囲気ではなかったのだが、最近は中華料理といえば坦坦麺を食し、韓国料理といえばキムチを食らいという状態である。
その勢いでずいぶん昔にアタックし、あえなく散ったタイ系酸っぱ辛いモノにも再チャレンジしようかと思っている。
ただし、酸っぱいものはそれはそれで苦手であるので、まだ少しハードルは高い。


「タバコで得られなくなった刺激を辛いものを通じて得ようとしている」という顕著な傾向にあり、我ながら単純かつ、新手の自己いじめか?と呆れるパターンである。

辛いものを食べると自然と汗がにじみ、体がぽっぽと熱くなってくる。
その反応から食が体に及ぼす影響が手に取るようにわかり、かつ、その恐ろしさも同時に知る場面である。
ここ数年、周りの友人がこぞって有機野菜やマクロビオティックにはまって健康食ブームなため、なおさら食に関する知識は豊富になってきている。
しかも、子どもが生まれれば否が応にもその知識は増える。
できるだけ自然に近いものを与えたいというのは基本的な親心であろう。

そして、そんな体の健康を少しでも気にし始めると、辛いものを食べることや、食べている最中に口や喉の欲するとおりに冷たいものを放り込んでよいものかどうか、しばし検討を要するようになる。
体は熱く、まるで運動をした後のような汗をしたらせているが、ここで冷たい水でもビールでも飲み込めば胃にとっては更なるいじめになるのではないか?と思われるのである。

そんな葛藤をしつつ、我慢できずに温かいお茶を口に含み、その熱さのためにヒリヒリ感が倍増してひどく後悔し、そこで冷たいものを一気に流し込んでハッと気付いて胃に謝るなどのアホな行為を繰り返すことになる。

そんなまるで胃にとってのSとMを繰り返すうちに何だか辛いものに目がなくなってきたのである。

辛いものがOKになれば、やはり同時に脂っこいもの(肉類)やご飯の量が増えるのが自然な流れだろうと思う。
その結果、一時は皆さんに「痩せましたね~」と言われるばかりだったのが、最近では「太った?また太った?」と言われることが増えてきた。
そこで、辛いものはしばし封印し、粗食にてダイエットに励もうか?と思う反面、辛いものは新陳代謝を促すからダイエットに良く、むしろ積極的に摂ってもよいのではないか?などという反論がむくむくと頭をもたげ、なかなか断つことは難しいのである。

そして、そんな自分が健康なのか、不健康なのか、ひたすら疑問に感じつつ、コンビニで購入してきたキムチをおかずに2杯目のご飯に手を伸ばすのである・・・。

日々のミニコラム


あわせて読みたい