伝えているつもりで伝わっていないのが愛情表現



分かってもらってると思っているときこそ、そこに期待が入り込んで、実は全然伝わっていなかった、そして、悲劇が・・・という場面によく遭遇します。
受け取りベタな相手でも、工夫して気持ちを伝えたいですね。

「きっと彼は私の気持ちは分かってくれていると思います。」

そう思った時は自分の行動をチェック!です。

なぜかというと、相手が明確に「君に愛されていて僕は幸せだ」とか「君の愛情が痛いほど伝わって来て、逆に僕の思いを君にちゃんと伝えられているのか心配になるくらいだ」みたいに言ってくれているのであればOKなのですが、ほとんどの場合は「きっと」「たぶん」「予想では」だからです。

そういう時は意外と伝わっていません。
あるいは伝わっているけれど、10分の1とか、半分程度とかだったりしています。


日本人には以心伝心という文化があり、何も言わなくても相手の思いを察して行動する、ということが美徳の一つとされています。

それは海外から見れば、それこそ忍者みたいなもので、同一の価値観を持つ者同士だからこそできることだと思うんですね。
違う価値観や生き方をしている人同士の間では「善意が悪意に」なることも少なくないのです。

もちろん、そんな以心伝心ができる関係は文句なく素晴らしく、美しいんですけどね。

だから、相手の気持ちを察して行動することはいいことだと思うのですが、相手もそれをしてくれている、と思うのは危険、ということなんです。

人間関係のトラブルのご相談で、ほんと多いんですよね。気持ちのすれ違い。
Aさんの当たり前はBさんの非常識になることだってあるわけです。
でも、同じだと思って行動すると、とんでもないことになったりするんです。

だから、ちゃんと伝えましょう、言葉で、はっきりと、何度も、ということを口を酸っぱくして訴えることになります。

先日も「お前は俺のこと、そんなに好きじゃないと思ってた。だから、別れてもいいと思ってた」というご主人の言葉にハートブレイクされてカウンセリングにいらした方がいたんですね。
やはり「言わなくても行動から察し、分かってくれるだろう」と思ってらしたみたいです。

今度韓国語版が出ることが決まったらしい名著「頑張らなくても愛されて幸せになる方法」によれば、特に男性は感情に鈍感なので女性同士ならば伝わる意志も、男性には伝わりにくい、だから、はっきりと言った方がいい、と言う記述が随所に出てきます。

なので、特に男性に伝えるときはちょっと強めに意識して伝えることが本当に大切だと思うのです。

特に愛情表現は受け取る側からすると「嬉しい」けれど「恥ずかしい」側面があります。
だから、「分かってるからいいよ。そんな言わなくても」とか「何度も言われると価値が薄れるから言わないで」などの恥ずかしさ発言が相次ぐこともあります。
しかし、その言葉を鵜呑みにして愛情を伝えていないと、上記「そんなに好きじゃないと思ってた」という結果を招くことになったりするんです。
「あなたが言わなくてもいいって言うから我慢してたのに、そんなの酷い!」と思っても後の祭りです。

恥ずかしがり屋さんには恥ずかしがり屋さん用の伝え方を開発したいところですよね。

「彼(女)が受け取りやすい言葉を投げること」

これはコミュニケーションの基本ですね。

「ほら、受け取れ!」

と剛速球を投げるのでは、相手は逃げてしまいます。

「大好き!一緒にいられて幸せ~!きゃ~!!」みたいなテンションだと奴は引くな、と思ったら「私はあなたが彼氏で幸せだな~。」(加山雄三さん風)という「私は~です」という表現にすると、まだ受け取りやすくなるでしょう。

そうして、ちゃんと伝わっているよ、という表現が相手の口から聞けるようになるまでは伝え続けるのが正解だと思っています。

伝わっているようで伝わっていないのが気持ち、と思ってみるといいでしょう。

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