何度か取り上げたテーマかと思うのですが、今回は「好き」に蓋をするのではなく、「怒り」「もうだめかも」と言ったネガティブな気持ちに蓋をしているケースをご紹介したいと思います。
カウンセリングでもちょくちょく出会うのですが、私たちが自分で「分かっている」「意識している」気持ちと、心の中にある「本当の」気持ちが乖離していることがあるんです。
例えば、言葉尻からは彼に対する未練はすっかり消え去っているように見えるんだけど、本人はまだまだ執着しているように意識していることもあります。
このケースでは「執着している自分」に慣れてしまっていて、「執着を手放した自分」がイメージできない場合によく起こります。また、「執着していると意識すること」で、元彼を忘れないようにしている場合もあります。
それくらい元彼の存在が大きく、「恋人・彼氏=元彼」という図式が成立してしまっているようなものです。
このケースでは、もう自分が十分に手放せていること、すなわち、次の恋に進む準備ができていることを確認し、進んでいくように提案していきます。
具体的には、どんな恋愛をしたいのか考えてみたり、元彼との恋から学んだことを復習してみたり、実際に出会いの場に出かけてみたり。
また、「怒り」を封印していることもよく見受けられます。
彼のこと、本当はすごく怒っているんだけど、でも、それを感じないようにするんです。
怒りを持つことそのものに嫌悪感がある(たとえば、お母さんが怒りっぽい人だったから、かつてそれで大失敗したから)とか、怒りを出したら嫌われると思っているとか、というケース。
怒りを感じたくない分だけ、怒りを感じなくていい距離を保とうとしますから、徐々に二人の間に溝が生まれていきます。
そして、気が付けば、ずいぶんと心が離れてしまうんです。
もちろん、好きな気持ちはちゃんとあってでもですよ。
だから、怒りは怒りとしてちゃんと表現しましょう、という提案をします。
怒りの出し方、伝え方の問題なんですよね。
手紙やメールで表現してもいいし、直接言葉で伝えてもかまいません。
怒りをコミュニケーションできることを成熟さの証と言われていて、大人にならないとなかなかできないことでもあるんですね。(怒りを感情に任せてぶちまけるのは、ここで言う“コミュニケーションには当たりません。感情に振り回されている、子供のような状態ですね。)
まず怒りを感じることを許し、それを正当化することなく、ありのままに彼に伝えます。
「私、今、怒ってるんだけど。気分を害したらごめんなさいね。でも、○○の件、ほんとうにむかつくんだ。バカヤロー!って言わせてもらってもいい?(深呼吸して)バカヤロー!ああ、すっきりした」
こういうの、理想的な表現、コミュニケーションだと思います。
理想的ゆえに、現実性はかなり難しいですけどね。
また、抑圧している気持ちには「本当はもう終わりにしたい」というケースも多いのです。
実は今回一番お伝えしたいのがこれなんですけどね。
どこかで気付いているんだけど、でも、気付かないように蓋をしてしまってる状態。
友達からは「あんた、ほんとうに彼のことが好きなの?」と鋭いツッコミをされたり、休日の予定はいつしか彼のことは後回しになっていたり。。。
「彼への気持ちはもうない。このまま一緒にいるのも希望が持てない。でも・・・」というケースです。
「・・・」には「付き合いも長いし、良くしてくれる彼にすごく悪い」とか「別れたとしても、私のことを好きになってくれる人なんていないかもしれない」とか「今一人になっても、この年齢だと厳しいよね、きっと」などの文章が入るわけです。
気付きたくない気持ち、ではあるのですが、でも、蓋をし続けると・・・「浮気」「ケンカ」の問題が出てきたり、揚句は、病気にすらなる可能性もあるんです。
「本当はもう終わりにしたい」と思ったとしても、実際に別れるかどうかは別問題。
立て直し、やり直しもできます。
例えばストレスが溜まっていて、その鬱憤の矛先に彼がなっているのかもしれないし、知らず知らずのうちに我慢したり、あきらめたりしてきたことがあるのかもしれないし、蓋を開けてみないと分かりませんよね?
それに蓋を開けないと、対策も練ることができないわけで・・・。
もちろん、怖いです。気付くのは。でも、それが結論ではありません。
そう思いながら蓋を開けることは、きっとより幸せな自分に向けての一歩になるはず。
ごまかしながらは辛いですよね。
素直な自分、正直な自分で生きたいものです!
でも、そういう時に限って、蓋を開けて出てきたのは「彼のことが大好きな自分!」で、ますます幸せな気持ちになったりするのです。
それはそれで、素晴らしいことですね(^^)
少し勇気を持って、蓋してる気持ちがないかチェックしてみませんか?