[225]主人の不倫から、今後について話し合いをしようとするのですが・・・



<リクエスト>

主人の不倫から、離婚や再構築について話し合いをしようとしてもずっと黙っています
私が話すだけで、5、6時間でもずっと俯いたまま、時には泣くだけです
どういった心理で黙っているのでしょうか
主人の性格はすごく受け身で、人からみればすごくよい人ですが嘘をよくつきます

(るるさん)


<根本からの回答>

沈黙して話し合いがうまく行かない状況でも、学び、気付き、発見はあるものです。

のれんに腕押し、というところでしょうか?
確かに今後のことを話し合おうとしてもダンマリを決め込まれたら困りますよね。
うつむいたままで泣かれても・・・と途方に暮れる、るるさんの溜息が聞こえてくるようです。

さて、こんな風に私たちは考えるんです。
「沈黙もコミュニケーションの一つ」という風に。

ご主人の沈黙に込められた意味、るるさんはどう考えていらっしゃいますか?
るるさんと同じご相談もよく寄せられるので、色々なパターンがあることも分かってきました。

ただ、閉じてしまった貝を無理やりこじ開けようとしても無理ですよね?
5,6時間も俯いたまま、ということは、5,6時間も一方的にるるさんがしゃべり続けてるのでしょうか?それも凄いことだと思ってしまうんですよね。
そのとき、どんな口調、どんな態度をるるさんは取られてますか?

相手が心を開きやすいコミュニケーションを心がけていらっしゃいますか?
一方的に自分の感情をぶつけているわけではないと思いますが、語気に怒りや不信感、寂しさ、悲しみ、恨み辛みといったネガティブな感情が含まれていると、相手はますます貝になってしまいますね。

ご主人側の心理としては、一つには「何も言えない」というケースがあります。
例えば、とても責任を感じていて、罪悪感が強く、何を言われてもただその通りで、言い返す言葉が見つからないという場合。
これは「怒られて当然」という思いが隠れてるわけで、ひたすら耐え忍ぶ状況です。

また、一方的にまくし立てられて、もし、仮に一言でも反論しようものなら、さらに10倍の言葉が返ってきそうな場合には、だんまりが得ですよね。
もちろん、言い負かされると分かっていたとしたら・・・。

一方的にまくし立てられるわけではなくても、正論を懇々と言われても、やはり正論なだけに何も言えなくなってしまいます。

また、「何を言っていいのか分からない」という場合もあります。
言いたいことがあるんだけれど、それをどう表現していいのか、どう伝えて言いのかが分からない場合。
口下手だったり、大人しかったり、自分の気持ちを表現するのが苦手なタイプの方に多いわけですが、じーっとひたすら考えてしまうわけですね。

一方で、沈黙という形を取った「反抗」という場合もありますね。思春期によくある、ひたすら親の言うことを無視するようなイメージです。
また、「逃避」という場合もあります。ダンマリを決め込むことでやり過ごそう、という心理。犯罪者が警官に対して黙秘を続けるようなパターンです。

ただ、コミュニケーションって、心と心を繋げるものですから、るるさんが「話し合い」をしたいと思っても、それが一方的な思いだとすれば、やはり片想いになってしまうんですよね。

相手の同意も必要なんです。

もちろん、夫婦の問題だから、話し合うのが筋なわけですが、それができるのかどうか?についても、きちんと配慮したほうが良いと思うんです。
さらには、どうしたらできるのか?というお互いがやり易い形を模索していくのも大事なこと。
カウンセリングでも、直接話し合うのが難しければ、メールのやり取り、文通や昔懐かしい交換日記形式のやり取りをお勧めしたりもしています。
もちろん、カウンセラーが間に入って通訳をする場合も少なくありませんね。

要はるるさんとご主人が気持ちを通じ合える何かがあればいいわけで、そのやり方を自分たちなりに模索していくことが大切なんです。

ただ、そうした作業を進めていく上で、なぜ、不倫という問題が起きたのか?なぜ、こうした沈黙の時間が続くのか?についても、徐々に理解が進んでくるかもしれません。

だから、こうしてうまく行かないところにも何らかの発見や学びって必ずあるものなんです。

「うまくやろう」とか「こうすべき」という考え方はできるだけ捨ててしまいましょう。
話し合いをしようとしてもうまく行かない・・・という現状からも学び、気付き、前進できる要素がたくさんあるんです。

特にご主人のような方の場合、心を開いてくれるのには相当の時間が必要みたいですから・・・なおさら焦らず向き合って行きたいですね。

いい関係が再び築かれること、願っております。
有難うございました。

=今日のミニレッスン=

沈黙の中に、相手の主張を読み取ろう。

男と女の心理学


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