<リクエスト>
彼氏のことが好きかと聞かれると、好きだと即答できません。
もしかしたら自分のことを好きだと言ってくれる人だから好きなのかもしれません。自分のことを好きだと言ってくれる人が好きなのは本当にその人が好きなのとは違うのでしょうか?
(すももさん)
<根本からの回答>
でも、案外別れてしまうとダメージは大きいかも。
カウンセリングでも「彼への気持ちが分からないんです」というご相談を頂く事が少なくありません。
何か問題があって、振り回されて、疲れてしまってそう感じる場合もありますが、特に彼が原因というわけでもなく、始めからそうだった、というケースもあります。
単純に頂いたご質問の文字だけを見れば、答えはYes、すなわち、「自分を好きだと言ってくれる人が好き」であって、「彼のことが好き」ではないと思います。
ただ、本当に彼のことが好きじゃないのか?というと、これまた疑問が残るのです。
つまり、「本当は彼のことが好きなのに、好きだと認められない」という状態があって、「好きだと即答できない」というケースも少なくないからです。
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「恋に恋する」という言葉、聞いたことありませんか?
相手ではなく、恋をしている自分が好き、という意味なのですが、これと同じように、彼が誰であれ、自分のことを好きになってくれるから好きという方もいらっしゃいます。
この背景には、今までの人生の中でだいぶ「自分」を置き忘れていることが少なくないんです。
つまりは、意志がもてない、自分の考えが分からない、そうした迷子のような部分をお持ちのだったりするんです。
例えば、支配的だったり、過保護な親御さんに育てられると、自分の意志よりも親の意志の方が優先されてしまいます。
また、理性が勝ったタイプの親御さんだったり、家族みんなが無口でシーンとした家庭で育つと、自分の気持ちを表現することができなくなってしまいます。
こうすると、そもそも「好き」だけでなく、自分の感情そのものが曖昧で分かりにくくなってしまうんです。
もし、すももさんが彼のこと以外でも、周りの人の意見や感情に振り回されたり、周りを見てから自分の意見を決めるなどの傾向がある場合は、このケースに当てはまると考えていただいていいかもしれません。
その場合は、ご両親との関係、学校生活、そして、過去の恋愛などの経緯を改めて振り返って見られるといいでしょう。
もしかしたら、癒されるべき痛みが心に見つかるかもしれませんから。
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また、上のケースと似てるのですが、何らかのトラウマ(過去の大失恋など)が原因になって、「好きになることができない」=「好きなる事が怖い」という場合もあり、やはり同様のことが起こりうるんです。
この場合はちょっと困ったことに、自分(意識)では彼のことが好きかどうか即答できないのに、心は彼のことが大好き!だったりするんですね。
つまり、頭と心(感情)が乖離してしまってるんです。
だから、「彼のことが好きかどうか即答できないのは、ほんとうは彼のことが好きじゃないからなんだ」と思って別れると、後からとんでもないダメージに襲われたりします。
だって、本当は大好きなんだから。
実は、このパターン、とっても多いんです。
例えば、好きになることに怖れを抱いていると、自分が仮に彼のことが好きになっていったとしてもなかなかそれを認めることができなくなります。
そうすると、彼のことが好きになればなるほど、無意識的にその気持ちに蓋をして、麻痺させようとするんですね。
だから、「彼はいなくては困る人なんだけど、好きかと言われれば即答できない」という状態を招きます。
この場合は、過去に恋愛で辛い思いをしたり、成長過程で「私は愛されてない、必要とされていない」といった心に痛みを抱えている場合が少なくありません。
そうすると、二度と辛い思いをしたくないがために、好きになること、人によっては異性に興味を持つことすら禁止してしまうこともあるのです。
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そんな観点から見ると、すももさんにとっては、まず早急に彼のことが好きじゃないとか、好きだとかを決め付けないことが肝心かと思うんです。
その上で、ちょっと遺跡発掘作業に似てるんですけれど、自分の気持ちを一つ一つ見つめていく時間を作ってみてはいかがでしょうか?
例えばカウンセリングでよく話題にさせてもらってる両親との関係、思春期までの学校生活、思春期の頃の学校生活、初恋や初めて付き合った人とのこと、大失恋といえば?など、恋愛に影響すると思われず項目について一つ一つ書き出してみると、今回の件以外にも様々な発見が得られるのではないでしょうか?
もちろん、カウンセリングを使ってみて、それで心の中をカウンセラーと一緒に見つめていくのも有効な手段です。(むしろ、大いにお勧めしたいと思います!)
=お勧め!エクササイズ=
【パートナーがいらっしゃる方へ】
パートナーに再び愛の告白を!
これを読まれてから24時間以内に。
【パートナーがいらっしゃらない方へ】
好きなものを指差し確認!
お遊びだと思ってください。電車の運転手さんがするように、あなたが好きなものを見かけたときに「あたし、これ好き」と指を差して指摘してください。
これは「頭の好き」と「心の好き」を一致させる効果があります。