[11]本気と遊びの違いは?



最近、カウンセリングルームに持ち込むアイテムが増えました。
それは白地の用紙。
ま、普通のコピー用紙です。

言葉で話すよりも、身振り手振りで、あるいはその紙に書いてお伝えする方がより理解できたり、納得できたり、気持ちが整理されやすくなると思うんです。
耳で聞くだけでなく、視覚的にも分かりやすいでしょうから。


今までは必要に応じて部屋を出て取りに行ったりしてたんですけど、あまりに使用頻度が多いんで、予め紙を持ち込むようにしました。

「図解」と称して、お客様の人間関係(相関図)とか、心の状態とか、これからのアプローチ方法とかを説明or提案させていただくのにはとても役立ちますし、汚い絵と字ですけど、持って帰って頂くこともできますし。

それにカウンセリングでは僕から見た価値・魅力・才能などをお伝えすることも多いんですけど、大抵そういう部分は聞いた傍から忘れるものなので、「お土産です!」ってお渡しすることもあります。

まあ、僕は理系出身なので、こう色々と図式化するのが好きというか、得意な方なんですね。
ワークショップでも、ホワイトボードにあれこれ書きながらお話するのもこういう理由です。

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さて「楽しみにしてます!」という声を毎日のように頂く男女関係のなぜ?シリーズ。
積み重ねて11回目。
何とか今度の名古屋のワークショップまでには終われそうな雰囲気ですね。

お客様から頂くメールを拝見していると「ああ、こういうネタがいいんだな・・・」ってことを改めて教えてもらってます。
相互コミュニケーションの良さですね。
インターネットならでは・・・の企画のような気がしてきました。

今回のテーマは「本気の相手と遊び相手の違い」です。

これは難しいなあ・・・。
どの角度からお話するのがいいかな・・・。

例によって長文ですが、最後までお付き合いくださると嬉しいです。

純粋に本気か遊びかの違いというのは、はっきりと態度に出てきます。
一言で言えば、あなたのことを大切にしてくれるか、気持ちに配慮してくれるかどうか、なんですよね。
遊び目的(飲み仲間、セックス、お金など)の場合は、その場しのぎの会話が多いですし、その目的だけが目当てですから、その他のことについては関心を示してくれません。

本気で自分と向き合おうとしてくれてるのならば、少々気分を害するようなことを言っても、あるいは、自分の状態があまりよくないときでも、きちんと受け止め、大切にしてくれます。
でも、遊びだったら、「それなら、ええわー」ってさっと切られます。

「今日生理だから、できないの・・・」って伝えたときに「いいじゃん。生理中でも」って気にしなかったり、「あ、そう。じゃ、ええわ」って、さっさと帰られたら、それはもう遊び相手と思われてると判断して間違いないですよね?

それから、会ってすぐホテルに行きたがるのも、本気な部分もあるかもしれないけれど、セックスの方に比重が置かれてると考えていいかも。

本気な時って、性欲もあれど、もっと相手を知りたい気持ちが強いですから話に花が咲いていきます。
こういう部分ってのは、男性も女性もあまり大差ないものです。

ただ、難しいのは、そうした「大切にしてくれる態度」「気持ちへの配慮」というのは、相手なりの方法に拠るところなんですよね。
だから、相手なりにあなたのことを大事にしてるつもりでも、あなた自身はちっともそうは感じなくて「遊びじゃないかしら?」って勘繰ってしまうこともよくよくあります。

特に受け取りベタだなあ・・・と自覚されてる方は、警戒心や猜疑心が強くなり過ぎて、相手なりの愛情表現を受け入れられなかった経験も少なからずあるんじゃないでしょうか?

一度、「遊びじゃないかしら?体だけが目当てじゃないかしら?」って思い始めると、次々彼にテストを吹っかけたくなるんですよね。
「私のこと、本気で好きならこのハードル飛べるわよね」みたいな。

警戒心を持ちすぎたり、猜疑心が強くなる背景には「私なんて愛されるわけがない」という無価値感が隠れていることが多いです。

そういう無価値感が出てくると、知らず知らずのうちに相手を「完璧な人」と思い込むようになります。
まあ、自分の中のダメな部分を感じるので、相対的に彼が一歩上に立ったような気がしてしまうわけです。

だから、彼の中にも自分に自信が無かったり、どうしたらいいかが分からなかったり、恥ずかしかったり、緊張して話がうまくできなかったりするとは夢にも思えなくなるんですね。

これは大きな誤解、すれ違いを生みます。

彼なりに一生懸命やってくれてることでも、それが自分から見たら遊ばれてるような態度に見えてしまうこともあるんです。

だから、ここで彼側に求められるのは、そうした自分の素直な気持ちをコミュニケーションによって伝えていくことです。
変にかっこつけようと、いいところを見せようとし過ぎると、逆に相手に警戒心を抱かせてしまうことになりますね。

一方、彼女側に求められるのも、そんな不安な気持ちなどを素直にコミュニケーションしていくことです。
「あなたはそのつもりが無いかもしれないけれど、私にはあなたが遊び相手として私を見てるようにしか感じられないときがあるの」
って勇気を持って伝えてみましょう。

直接言えなかったらメールでも手紙でも構いません。

相手が本気ならば、そんなあなたに与えた誤解を彼なりにクリアさせようとしますし、遊び目的ならば、そこでちょっと引いた態度(「めんどくせーなー」とか「言い繕い」など)を取ります。

好きな相手に遊ばれるのは辛いことですよね。
でも、そうかもしれないって感じながらも、好きだからって理由で関係を続けてしまうと、後でまた大きな痛手を背負うことになります。

体が目当てだけの人と一緒にいたとしても、それはそれで一時的な寂しさは紛れるかもしれませんが、長い目で見れば良いことって何もありません。

もし、そうした問いを投げかけて去っていくようであれば、それは辛いけれど、長い目で見たら「良いこと」になるんじゃないでしょうか?

ただ、こういうときに一人で考えて、一人で判断しないことが大事ですし、友人に相談することも良いことなんですが、その答えに振り回されないようにすることが大事です。

友達に相談すると、あなたのことを大切に思う分だけ、一生懸命答えてくれようとします。
でも、それは多くの場合「自分の経験に基づくアドバイス」だったり、「自分が見聞きした事例」だったり、「自分自身の考え方」だったりしますから、必ずしも彼の心を言い当ててるとは言えないんですね。

無価値感に陥って、不安や怖れ、そこから生まれる警戒心、猜疑心に捉われると、こういうことが良く起きてきますので要注意です。
彼に直接接しているのは私自身ですから、友達からの意見はあくまで「参考意見」として受け止めましょうね。

そして、自分の無価値感を癒してあげる(自分の価値を見つける、磨く、高める)ことに意識を向けていくと自分に自信が持てるようになっていきます。
そうすると、より高い精度で判別が付くようになっていくんじゃないでしょうか?

だから「遊び?本気?」って思って、それがよく分からないときには、彼に対してはコミュニケーションを、自分自身に対しては何らかの無価値感や自信の無さを癒すことを目標にしてみましょう。
それからでも十分間に合いますから、焦らずにいきましょうね。

***

また、恋愛などで「本気になれない・・・」という問題を持たれる方も少なくないでしょう。
自分がついつい「遊び」になってしまう場合。

本気になれない裏側には、一つには自分が自分にきちんと向き合えない何らかの事情があります。
例えば、一人の人を本気で愛する自信の無い人は、保険として他に遊び相手を作りたくなるものです。

また、もう一つは、恋愛以上に自分が求めてるものがある場合です。
セックスだけが目当てってのは、自分の欲求を満たすために相手を使ってしまうことになりますよね。
また、仕事や趣味などの方が興味が大きいとしたら、彼氏に対してあまり本気で向き合おうとは思えなくなります。

そんな女性をカウンセリングしたこともあります。
(ご本人からは、こういう場で紹介する許可をいただいてます)

やはり恋愛に本気になれない、本気で人を好きになったことが無いという方で、ステディなボーイフレンドはいるんだけど、彼氏とかパートナーとかは呼べない、そんな状態でした。

自分が始めた仕事が面白くなって、また、忙しいのもあって、彼と会ってる時でもどこかで仕事のことを考えることが多かったそうです。
時にはセックスの最中でも、ふと忘れてた仕事を思い出してしまって、集中できなかったこともあったそうなんです。

そんな彼女のことを彼は大好きだったんですけど、それがちょっとうっとおしいとも感じてたんですよね。
自分はその気持ちに十分応えられないし、仕事の方がどうしても面白くなってしまってて。
だから、いつも彼はどこかしら哀しい顔をしていて、そんな彼を見るたび、彼女は常に罪悪感を感じてたそうです。(彼が罪悪感のシンボルになってしまってたんです)

で、そんな彼女の内面を観ていったら、20代の始め頃に大失恋をしてたことが分かりました。
とても素敵な彼で、いっぱい彼女は依存してたんですね。
でも、ずーっと彼には内緒で付き合ってる彼女がいて、「とても幸せだなあ・・・」と思ってた時に、突然「俺、今度結婚することになって」と切り出されて振られてしまったそうなんです。

それがすごいハートブレイクになって、以後恋愛にのめりこまないように、男性をあまり好きにならないようにってずっと仕事を頑張ってきたみたいです。
彼女もきれいな方で性格も良いので、常に言い寄ってくる男性もいましたし、彼女自身も寂しさから関係を持つこともよくありましたが、結婚話を切り出されたり、「お前は俺の女」て扱いをされ始めると、もう嫌になってしまったそうです。

そんな風に彼女が本気になれずに、いつも遊びとしてしか付き合えない背景には、恋するハートが未だに痛んでるってことが分かってきたんです。

実はそれから10数年が経っていまして、その彼女を振ったかつての彼氏のことは顔すらもよく思い出せない状態だったんですね。
辛い分、一生懸命忘れようとしたみたいですから。
だから、僕がそういう見方をお話したときには、とてもびっくりして意外に思ったのと同時に、「やっぱりな・・・」という気持ちが強く出てきました。

だから、10数年経た後でも、改めて当時の彼と心の中で向き合って、手放していくことが必要だったんです。
そして、彼女は親子関係でもお父さんとの間に問題がありまして、そこでも男性を信じきれない状態を作り出していたんですね。
だから、彼女にはお父さんとの関係を改善していく方向で何度もセラピーを重ねていきました。

で、その後はどうなって行ったかというと、ちょっと気になる人が仕事を通じて出来まして、「ほぼ生まれて初めてのトキメキ」と感じるようになったんですね。
でも、実はそこからが結構大変で、ちゃんとした恋は10数年ぶりですから、どうアプローチしていいのか分からないんです。
自分が20歳の頃に戻ってしまったように、きゃっきゃ騒ぐような感じになりまして、カウンセリングでも「こういうときってどうしたらいいんですか?」って質問を矢継ぎ早にぶつけられたものです。

そして、付き合うことに成功したはいいけれど、その後は今まで隠れてた女性としての自信の無さとか、好きになりすぎちゃって怖いとか、彼女も言ってましたが「まるで高校生の恋愛のような」気分で、時々仕事も手につかなくなるときも出てきたんですね。
でも、何とかその辺を彼女はうまくやれまして、その新しい彼とも徐々に良い関係を築いていけるようでした。

で、また、その彼が彼女を虜にするだけの魅力に溢れた男性なんです。
(一度、彼女が「紹介します」って連れてきた)

その後、しばらくしてカウンセリングにも区切りを付けましたので、その後果たしてうまく行ってるのかどうかは分からないのですが(「便りの無いのは良い知らせ」と言いますから、たぶん、大丈夫だと思います)、彼女のようにきちんと自分と向き合って行くと、うまく行くことがある、という癒しのプロセスとしてご紹介させて頂きました。

自分自身のために、あるいは「遊びじゃないかな?」って感じて不安になっている方に参考になれば幸いです。

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