今のグレーな彼との関係が進まないのは過去の性被害の影響があるからでしょうか?



その被害をどのように今の自分がとらえているのか?(もちろん心で)がポイントになると思います。
強く痛みが残っていればそもそも恋愛に対しても抵抗が出るものですし、癒しが進んでいても親密感への恐れが出ることだって珍しくありません。
思考ではなく、感情・感覚に目を向けることでさらに先に進むことができるものです。

はじめまして。いつも先生のブログに励まされています。
根本先生の本やブログを読みながら、自分なりに手放しや自己肯定を進め、周囲の人に「雰囲気が変わった」と言われるようになりました。本当にありがとうございます。
今回自分で分析するのが難しいと思うことがあり、初めて投稿させていただきました。

私がお伺いしたいのは、過去の性暴力被害と今のグレーな彼との関係についてです。
私は今、いい感じではあるけどなかなか交際に発展しない年下彼との関係に悩んでいるのですが、それは過去の性暴力被害の加害者との関係を再現しているからではないかという疑惑が自分の中で浮上したのです。

私は約2年半ほど前、職場の上司から強制性交の被害に遭いました。
とても慕っていた上司に、出張先の飲み会の後「部屋で飲み直そう」と誘われ、自分がまさかそんな目で見られてるとは夢にも思わず安易について行き、力づくで行為に持ち込まれました。
その時の私は「あの人がこんなことするはずがない」「好きじゃないと性行為はできない」という自分の価値観に合わせるように、その人のことを好きなんだと思い込もうとしました。
「この関係を続けなければ自分は仕事でも用無しになってしまう」という強い不安もあり、加害者に対する依存や執着が強くなっていきました。
しかし、次第に加害者は私と距離を置くようになり、私は精神的にかなり追い込まれていきました。罪悪感、焦燥感、不安、嫉妬心、好きになりたくて好きになったわけじゃないのにという不納得感で頭と心と体がバラバラになりそうでした。
そこでようやく精神科を受診しカウンセリングを受けて、自分が性被害に遭ったこと、相手は加害者で自分は被害者であることを認められるようになりました。
また、性暴力の被害者が陥りやすい心理状態があることも初めて知りました。(もっと世間に理解が広まってほしいです…)

そしてこの被害の約1年後、7歳年下の同僚の彼と距離が縮まりました。しかしこの彼も、断りなく手を出そうとしてきたのです。
「付き合うの?」と確認すると、色々と言い訳をして保留にされ、それから現在まで約1年半ほど近づいたり離れたりを繰り返してきました。(ちなみに彼には性被害のことを話しました)

彼は、私に近づく直前に8年間付き合っていた彼女に振られ、その後は彼女はいない、今はいらないと言っています。
しかし私はなぜか「本当は他の相手がいるから付き合わないのでは」と疑い、その証拠探しをしてしまいます。
また、性被害の後、何にも悪くない加害者の家族に対する異常な嫉妬に苦しんだのですが、今の彼に近づく同僚女性に対しても、似たような嫉妬で我を忘れてしまいます。(彼との関係が拗れた原因の一つでもあります)
さらに、離れるよりは体だけでも関係が続いたほうがいいと思い、関係をもとうとする自分もいます。

彼のことは好きだし、ちゃんと付き合いたいです。
ロックマンなのかただのシャイボーイなのか、プライドが高く素直じゃない彼ですが、面倒な私の相手をしてくれて、彼なりに私を気にしていてくれているのもわかります。
だけど、どうしても彼に欺かれているような気がしてなりません。

そんな彼へのお恨み帳を書いてるうちに、なぜか加害者への恨みつらみや、その経験を恥じていること、本当は自分がそういう流れに持ち込んだんじゃないかという自分自身への疑いとそれに対する弁解が出てきました。
もしかして、今の彼との関係が体だけの関係から先に進まないのは、彼ではなく私が問題なのでしょうか。離れることが怖くて白黒つけられないことも、そのことと何か関係があるのでしょうか。

もうそろそろ私も落ち着いた幸せな生活を送りたいです。
お忙しいところ恐縮ですが、根本先生のご見解をいただけますと幸いです。何卒よろしくお願いします。
(Cさん)

それは辛い目に遭いましたよね。
慕ってた上司ですもの、パニックになってしまってもおかしくないと思います。

それを精神科医や今のグレーな彼に話せたことは大きいかな、と思います。

誰にも言えずに長年過ごし、カウンセリングで初めて話される、という方も少なくないものですし、誰かに話すことで少なからず心も落ち着いていくものです。

そして冷静に振り返られるのもすごいことです。
思い出したくもないし、思い出せないってことも多いものですから、客観視できてることがめちゃくちゃすごいと思うんです。

精神科医の先生にだいぶ助けられましたか?
それともすでにカウンセリングなどを利用されましたか?

なかなかできることじゃありません。

で、こうした事件というのは100%加害者が悪い!ってことにしてしまっていいのですけれど、元々いい人だったり、優しい人だったり、相手が慕っている人だったりするほかに、元々自己嫌悪が強かったり、罪悪感があったりすると、「あたしが悪いんじゃないか?」という風に思ってしまうものです。

特に好きな人が相手だと「共犯者」になろうとしますし、また、一生懸命相手のことを理解しようとして、「どっちも悪くない」とか「自分が求めていたことだ」という風に解釈しようとすることもあります。

以前も「暗がりを歩いていた自分が悪い」とか「酔った勢いで自分が相手を誘惑していたんじゃないか?」とか「自分が警戒心を解いてしまったのがよくなかった」などと思い込もうとしていた方々がいらっしゃって、「いや、そんな風に思っちゃダメ。いやなもんはいやってちゃんと受け入れなきゃ自分がかわいそうでしょう?」などと諭していたものです。

しかも、身近な人からの事件って、「裏切られた」と感じるはずですし、「そんな人を信頼していた自分がバカだった」と再び自分を責めますし、「騙された」とまで思ってしまうことだってあると思うのです。

そういうの、私は二次被害って勝手に呼んでいるのですが、そのできごともさることならば、そのあとにも2度、3度と傷ついてしまうものなのです。

だから、できればその部分を誰かに話して「いやいやそんなことはねえ。あんたの気持ちもわからんでもねえが、そもそもあんたは何も悪くねえ」とちゃんと否定してもらうことも大事です。

ちなみにこうした事件を警察に届け出るとこれまた精神的に傷つくことが多いので、それも考えものです。(警察の人はたいてい優しくしてくれるものですが、やはり事実確認とかになると・・・)

だから、弁護士に話して一任するのが精神的被害を最小限に食い止める(それでも最小限ですが)方法かな、と思っているんです。

さて、こうした“内密”なトラウマというのは、様々な思考や解釈や理解等によって封じ込められていることが多く、また、思い出すのも辛いのでそうするのも仕方はないのですけれど、やはり、その後にダメージを残すことが多いです。

お恨み帳を書けるようになったのはそれはそれで前に進んでいるのですけれど、そこで恨みつらみや自己嫌悪が出てくるってことは、まだまだ傷が残っているのかもしれません。

「もう二度とあんな思いはしたくない」

という思いは当然あると思うのです。

そうすると頭では「あの人とこの人は別人だ」と思っていても、体の感覚にはそのときの体験が残っているものですから、それ以上距離を縮めることが怖くなるんです。

例えば、牡蠣に当たったことがある方は読者の中にも少なくないと思うのですけれど、そこでひどい体験をした分だけ、「ちゃんと火が通ったカキフライだから大丈夫」と頭でわかっていても手を出せなくなることってありますよね?

頭でわかっていても、体が拒否することって少なくないんです。

それは様々なトラウマに言えることで、大事なプレゼンで失敗してしまい、会社にも大迷惑をかけてしまって以来、人前で話をすることができなくなっちゃったケースも同じです。

恋愛にはこうしたトラウマってけっこう多いと思うのです。
「大好きだった彼とよくデートしていた心斎橋に行けなくなっちゃった」とか「婚約破棄されてから恋愛そのものが怖くなっちゃった」とか「自分は真剣に恋をしてたのに、相手は遊びだったことが分かって不信感しかない」みたいなことってみなさまも想像しやすいというか、何なら「わかるわかる」じゃないでしょうか。

つまり、頭ではもう大丈夫!次の恋に進むんだ!と思っていても、心や体がそれを拒否することって多いのです。

頭(思考)ってのは論理的に考えるものですから、けっこうあっさりさっぱりしています。

でも、心身(感情、感覚)はそのときの体験を感情として刻んでおり、さらに、防衛本能も働いて、自分を危険から守ろうとします。

だから、私たちの行動において思考ってのはあんまり役に立たないものでして、心が伴わなければ動けないし、無理やり動いたとしても長続きしない仕組みになってるわけです。

そういうわけで、その心、感情と向き合っていくことがとても大切であり、そこにある痛みを解放していく(癒し)が求められているんです。

ちなみにこの「思考」と「感情・感覚」という比較をよくお話しているのですが、実情はもう少し複雑なことが多いです。

例えば、Cさんと似たような経験を持つ方を最近まで継続的にカウンセリングしていました。

彼女、性欲は元々強いんです。
だから、彼氏が欲しいし、セックスだってしたいんです。
けれど、そのトラウマがあって、素敵な人と出会って距離が縮まって、いざするぞ!って段階になってくるとなぜか逃げ出したくなるんです。

頭ではもう大丈夫、と思っているし、欲は強いし、でも、感情は拒否してる、という感じ。

この葛藤を抱えていました。

一度、無理やりしようとしてみたことがあるんです。
けれど、体は勝手に震えるし、全然準備が整わないし、で途中でダメになりました。

そのときのショックも相当なもので、あれだけ大好きだった行為なのに、こんな風になるのか!と改めて傷ついてしまったんです。

このまま一流のオナニストとして生涯を終えるのか?と打ちひしがれていましたが、最終的にはイケメンでハイスペな男を打ち落としまして、事情を全部理解してもらったうえで、ひとつひとつ丁寧にコトを進めまして、無事復活!となったようです。(おめでとう)

ということでCさんの話に戻れば、それだけひどい経験をすれば、グレーな関係の彼が「ちょうどよい」となるのも無理はないわけです。

この理解はものすごく重要でして、「今のあたしには」この彼との距離感がちょうどよいと思っておいていただきたいんです。

逆に言えば、そこまでCさんの傷は回復してきた証、とも言えるんですよね。

「男はもういらん!」と思ってしまうこともあれば、不信感が募ってグレーな距離にもなれないこともある中で、そこまで来てるのは大いなる進歩と言っていいんです。

ここまでのお話の中で、

>だけど、どうしても彼に欺かれているような気がしてなりません。

と思う自分の気持ちは理解できませんか?

ただ、このグレーな彼との関係を見るにはその性被害以外の面にも目を向けようってするのが私のカウンセリングなんです。

そもそもCさんは今までどんな恋をしてきたのでしょうか?
それまではセックスに対してどのようなイメージを持っていたのでしょうか?

そして、状況を見て、その事件の前後でCさんがどんな風に変わったのかにも注目していきます。

「不信感」というのは当然ながらものすごく強く出てきます。
でも、それ以前から男性に対する不信感はなかったのかどうかも確認したいところです。

また、

>離れるよりは体だけでも関係が続いたほうがいいと思い、関係をもとうとする自分もいます。

という風に思うのは今のCさんだからなのか、それとも昔からそういう思いを持っていたのか。

さらに、「彼に心を許す」ということに対してどんな風に感じているのか。

もし、彼が「正式にお付き合いしましょう」と言ってきたら、自分はどう感じるのか。

こうした「感情」をより深く、広く見ていきたいわけです。

大きなトラウマがあるとそこにフォーカスしがちなのですが、それ以前から何かしら男性や恋愛に対して抵抗があったり、女性としての自分に嫌悪していたりする背景ってのはなかったのかな?という風に見ていくものです。

ものすごく繊細な話になるのですけれど、「自分がまさかそんな目で見られてるとは夢にも思わず」だったのはなぜなのか?という点もやはりそれまでのCさんの心理を表していると思うのです。

もちろん、上司が相手なんだしそんなことを警戒しろって方が無理な話なんですけど、もっと深いレベルで、自分の女としての価値をどれくらい受け取れていたのかな?という視点で見ることもできるのです。

また、グレーな彼との関係が進まないのも、例えば、罪悪感がすごく強くあるとか、もう騙されたくない、裏切られたくない、という思いがあるとか、何かしら「ちょうどよい理由」があるものです。

だから、その理由を解き明かしていけば「どうすればよいのか?」も見えてくるわけです。

私のカウンセリングってのは誰が悪い、誰が良いって見方はあんまりしないんですけど、今回の件では上司が100%悪いと思っています。

ただ、それは事実として起きてしまったことではあるので、そこでひどく傷ついてしまったCさんのトラウマに目を向けたり、そこで明るみになったCさんの問題について向き合ったりしていくことをしていきます。

そうして、その体験を“忘れる”くらいまで洗い流していくことで、今のグレーな彼なのか、はたまた別の男なのかは分からないけど、「ああ、幸せ~♪」とパートナーに寄り添える日を迎えたいと思うのです。

さて、ディープな話を最後に一つ。

こうした事件の裏には「罪悪感」という感情が大きくかかわっています。

そして、そこには穢れや罪人、処罰されるべきだ、牢屋に入るべきだ、という観念を生み出すものです。

だから、Cさんにとって「あたしは悪くない!」と思い込む必要があるのは、その罪悪感から自分を無期懲役に処してしまうことがあるからです。

幸せを無意識に遠ざけ、幸せになれない相手を選び続け、自分を傷つけ続けるような恋愛を作りがちになるんです。

だから、自分自身に「無罪」をちゃんと宣告してあげなければなりません。
なんせ、この場合、裁判官も検事も弁護士も全部自分なわけですから。

もちろん、この罪悪感は恋愛にとどまるわけではありません。
仕事においても、日常生活においても、自分を犯罪者のように扱ってしまうことが少なくないんですね。

もちろん、表面にこの感覚はあまり出てこないかもしれません。
だから、無自覚に行ってしまうからちょいとめんどうなんですけどね。

だから、そうした罪悪感の浄化に取り組んでいくことも多いものです。

そして、時にはその罪悪感、元々昔から心の中に根付いていることも珍しくないものでして、究極は「女でごめんなさい」ですし、「助けてあげられなくてごめんなさい」だったりするものです。

とはいえ、その罪悪感も癒していくことができるものですので、これを機に人生丸ごと見つめなおして幸せになるべく、じっくりと心と向き合ってみるのはいかがでしょうか。

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