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今回の事例では「シングルマザーの私vs独身の彼」という図式なのですが、その心理は恵まれていることへの罪悪感や過去のトラウマが作り出す親密感への怖れが現れています。
罪悪感があると彼を背負い込み、彼の問題を自分の問題のように見てしまうのです。
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先生の本やブログを読んで目下勉強中です。
母娘関係や過去の経験から、私はロックウーマンかな?と思います。
今、同じくロックマンな彼について悩んでいます。
私はシングルマザーで、結婚や恋愛はもう無理と思い、セフレを探していた時にアプリで彼と出会いました。
お互い意識し始めたけどうまくいかなくて…というよくある話ですが、その彼も私と似たようなトラウマ持ちなのです。
彼は子持ちの方と結婚・離婚を経験し、次にお付き合いした方もシングルマザー。
その恋もうまくいかず、彼女も欲しいけど今はセフレ…と思っていたそうです。
聞けばお母様との関係もあまり良くないそう。
好きだと言ってはくれましたが、次付き合う人とは結婚して子供が欲しい。だからどうしたらいいかわからない、と言われました。
ショックでしたが私もまだ人とお付き合いする勇気がなくて、じゃあ暫くはこのままで…となりました。
それから私は根本先生の本を読み漁り、おかげで以前よりは自分軸を取り戻すことができました。
やりたい事が明確になり仕事に真剣に取り組んでみたら、並行するように恋愛にも前向きになれたのです。
ただ、彼が切望する「本当の自分の家族(子供)」を既に持っている私、に私自身が引け目を感じてしまっていて、それだけがラスボスのように立ちはだかっています。
子供はかけがえのない存在ですが、彼のことも同じくらい愛しています。
その愛は彼には伝わらない、子持ちの私では彼を幸せにしてあげられない、の彼軸ループです。
根本先生、私に足りないものはズバリ何でしょうか。
(Yさん)
ズバリ足りないモノ!そう、女王様マインドです!!
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以上!!
なんてやったら切れ味良いですが暴動が起きそうな今日この頃。でも、間違いではないんですけどね。
女王様マインドって女性性の一つの成熟した姿ですし、相互依存関係を築くためのものですから。
さて、Yさんのお話を読むとまず彼のパターンが目に付きますね。
シングルマザーと結婚して離婚して、次に付き合ったのもシングルマザーで、そして、同じくシングルマザーのYさんと出会ったってことですよね?
よほど「お母さん」を求めているのでしょうか?
とはいえ、彼についてはそれ以上つっこめないのでYさんのお話に移ろうと思います。
Yさんと彼はちょっと似たところがあると思うのですが、結婚や恋愛は無理と思ってセフレ探しを始めたのはなぜなのでしょう?
恋はしたくないけどセックスはほしいから?
誰かと深い仲になるのはめんどくさいけど、女では居続けたいから?
私もよく「恋はもういらん。けど、やっぱ女でいたいし、セックスはしたい」という声を耳にするんですよね。
まあ、そういう思いもあるよね~と思うんですけど、よくよく突っ込んでいくと別の本音が見えてくることが多いんです。
「ほんとは誰かとちゃんと付き合いたいけど自信もないし、しんどいし、めんどくさいし、怖いし、またダメになったら嫌だし。だから、セフレくらいがちょうどいい。」と。
ここでいやらしい話をするともしYさんがほんとうにセフレを求めていらっしゃったんだったら「次付き合う人とは結婚して子供が欲しい。」という彼の言葉を聞いたら、「じゃあ、求めてるものが違うよね。あたしはそうじゃないから。」と関係を切ることができたはずですね。
でも、もしYさんがさっきの「 」内のような思いを持っていたんだとしたら、たぶん本音は彼とちゃんとお付き合いしたいんです。
好きって言ってくれたしね。
ということで、やはりまずはYさん自身のトラウマに着目すべきじゃないかな?と思うんですよね。
自分軸を取り戻し、恋愛に前向きになれてきた今だからこそ。
そのトラウマって親密感への怖れを確実に作り出していますよね。
いったい何があったんだろう?と思うんです。
離婚のこと、その後の恋愛のこと、一度見つめ直してみるのもアリかな、と。
離婚って納得して別れたつもりでもいろいろと残るものですし、また結婚生活の間にいろいろと自分を抑え込み過ぎて本来の自分を忘れちゃってることもあります。
彼との距離を縮めるためにも役立つことだと思うんです。
〇自立系武闘派女子のための恋愛講座~過去の恋を清算する、棚卸しと手放しセッション!~
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ということで、ようやく本題というか主訴に移りたいと思います。相変わらず長い前戯ですよね。けど、本番も意外と長いと思いません?笑
>ただ、彼が切望する「本当の自分の家族(子供)」を既に持っている私、に私自身が引け目を感じてしまっていて、それだけがラスボスのように立ちはだかっています。
こういう心理を一言で表すなら「恵まれていることへの罪悪感」と言います。
自分にはすでに愛する家族(子ども)がいて、それを持っていない彼に対して罪悪感を覚えてしまうんです。
そして、自立系な方々は基本的に「背負い込み」が得意です。
あ、別名「抱え込み」と言います。
柔道や相撲の決り手みたいですね。笑
たぶん、Yさんも情熱系な女子だと思うんですが、そういう方々は特にこの技を得意とします。
そして、罪悪感があると自分を罰するために相手の問題を自分が背負ってしまうようになります。
分かりやすく言えば「相手を不憫に思い、あれやこれやと世話を焼いてしまう状態」なのかもしれません。
自分が持っているのに相手が持っていない、しかも、その相手が大好きな人だとしたら、相手をついつい不憫に思い、何とかしてあげたい、何とか分け与えたい、何かしてあげたい、いや、何かしてあげなきゃ!という風に感情が動いていきます。
そして、まるで彼の問題が自分の問題のように見えてくるんです。
そうすると「面倒を見る側。何とかしてあげなきゃと思う側(自立)」と「面倒を見られる側。何とかしてもらう側(依存)」となって「癒着」になります。共依存って言ってもいいですが。
罪悪感って癒着を作るんです。
そして、その罪悪感は同時にYさんを罰するために自分が望まない不幸な選択をさせようとします。彼のことが大好きなのに彼から離れようとしたりね。
Yさんの「子持ちの私では彼を幸せにしてあげられない」という気持ちにはここでお話しした罪悪感と、冒頭の方にある親密感への怖れが混じっているのかな?と思うんです。
なので、某イジワルカウンセラーはYさんにこんなことを聞くかもしれません。
「子持ちの自分では彼を幸せにしてあげられないと思うことのメリットって何だと思う?」と。
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罪悪感から彼に背負い込みの技をかけると、自分の問題と彼の問題がごっちゃになり、二人の関係は対等ではなくなります。
恵まれてることへの罪悪感から今、彼と自分が対等だとは思えないんじゃないでしょうか。
だから、ここで発揮されるべきはYさんが学ばれた自分軸です。
これは自分の問題、でも、あれは彼の問題、と切り分けて見つめること。
そして、お互い対等な目線で向き合おうとすること。
自分に愛する子どもがいて、彼にそれがいないのは「彼の問題」です。
「次に付き合う人とは結婚したいし、子どもが欲しい」と言っているのは「彼」であり、その問題を解決するのは「彼自身」です。
彼の問題解決にYさんが手を貸すことはできますが、でも、あくまでその問題は彼自身が何とかすべき問題なんです。
ここでもしYさんが女王様マインドを会得されたのであれば彼やこの恋愛に対してこういう意識を持つことができるでしょう。
「お互いトラウマがあってうまくいかないのはそれぞれの問題。私は私の問題と向き合い、それを乗り越えたいと思っている。そう思わせてくれた彼には感謝しかない。だから、この恋をきっかけにまた自分自身の心としっかり向き合っていきたい。
彼は彼で一人の大人だから彼もまた自分の人生を自分で選択していくことができる。
なぜ、このような恋を繰り返してしまうのか?なぜ私が子持ちであることを知りながら結婚・出産という言葉を持ち出すのか?それは私と結婚したいということなのか?
でも、それは彼自身の中にしか答えはない。
もし、二人がベストな関係になれる運命ならば、私が自分の問題を乗り越えたとき、きっと彼も彼自身の問題を乗り越えて、そこで改めて出会えるだろう。」
ここには3つのポイントが隠れています。
一つ目はYさん自身が自分の問題とちゃんと向き合うという覚悟が示されます。
トラウマや罪悪感から彼にコミットできず、背負い込みの技を使ってるわけですから当然ながらサレンダーもできません。
セフレを求めたくなる豊かなセクシャリティを持ちながらもそれを罪悪感でコーティングしてしまっています。
その問題ときちんと向き合う、という覚悟です。
二つ目は彼の問題は彼が処理するもの、という当たり前の覚悟です。
言い換えればこれを「信頼」と言います。
独りの大人として「彼は自分の問題をちゃんと自分で解ける人間だ」と信頼するんです。
もし二人が癒着していたり、Yさんが彼を背負い込んでいるとこの覚悟は彼を突き放しているように感じられて「かわいそう」と思うかもしれません。
けれど、そこはちゃんと自分軸を意識して線引きした方がいいんです。
三つ目はサレンダーです。
この問題自体を手放す宣言です。
ここで言う「手放す」というのは誤解を恐れずに言えば「神に委ねる」という姿勢です。
自分は自分のベストを尽くし、彼は彼でベストを尽くしたなら、きっと二人は堂々と結ばれる、という信頼でもあります。
あ、別に別れろって言ってるわけじゃありません。
今の関係のまま、このプロセスを歩むことは可能です。
つまり、今一段の成長を求められているんだなあ、と思い、まずは今日お話しした提案を一つずつこなしてみてください。
そしたらきっと悪いようにはなりませんて。
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