自分にも自分のペースがあり、彼女には彼女のペースがあるので、理解して、信頼しましょう、という話。



自分の価値観や考え方を盲目的に正しいと信じている私たちは、自分のペースで物事を進めようとして、相手の気持ちを受け入れられなくなることがあるものです。
そこでのカギは「信頼」と「理解」。
そしたら、急く気持ちはあるものの、じっくりと待ってあげられます。

根本さんはじめまして。すっかり混乱してしまっており、どうかご助言をいただきたく…!

お相手とは2ヶ月ほど前、婚活アプリで知り合いました。私は33で彼女は1つ下、バツイチです。離婚してから半年~1年ぐらいだと思います。

お互い駐在経験がある(前夫とは帰任直前に知り合い遠距離メインで結婚したようです)ことや酒好きで意気投合し、久しぶりの恋に鼻息荒くしていたのですが、私に再度の駐在辞令が出てしまいました。

テンパった私は中学生のように好意を伝えることしかできなかったのですが、対する彼女は「優しくていい人だと思っているけど、それ以上は今はわからない。まだ3回しか会ってないし、今結論出せと言われると本当に難しい」との回答。

じゃあ会うしかないだろ!と次のアポを取ろうとするも暖簾に腕押しな対応だったため、「気がないならきちんとフれ、さよなら」と縁切りを図ったところ、「フるとかフらないとかわからないと言っている、私はどうすればいいの?」との返事。

その後もうだうだやって、ようやく来週、駐在前最後のデートに漕ぎ着けたのですが、今の私に必要なものは何なんでしょうか?

彼女はいい子ちゃんでいたい/キープ君がほしいだけでしょうか?(ちなみに駐在地は僻地なので絶対遠距離になります)
(Yさん)

連日の男性からのリクエストです。誠にありがとうございます!
女性の皆さんからは「男性の考えていることが分かって有り難い」なるお声を複数頂きました。
なるほど!そうですよね~、確かに確かに。

さて、Yさんの状況ならば早く白黒付けたいところですが「なんぼ早く食いたくても、まだジャガイモやニンジンが固いままのカレーは美味しくない」のは当たり前ですし、もう少し、煮込む時間が必要みたいですね。

Yさんとすれば、駐在が決まり、それゆえに早く白黒付けたいと思うのは無理ないことですが、時間に焦って動いてしまうと肝心の彼女を口説く/その気にさせることができなくなってしまいますよね?

「早く!早く!」と急かされて食べるカレーはやっぱり美味しくないものですから。

人にはそれぞれのペースがあり、早い人は遅い人に対して、遅い人は早い人に対して不満を感じる、というのが定例行事でございます。

彼女からすれば3回のデートで「この人!」という結論が出せないわけです。
しかも、離婚して半年~1年というところで、まだまだそのダメージを引きずっているかもしれず、すぐに「あ、この人がいい!」と飛び込める心理状況ではないのかもしれません。

思考的な男性はよく「要するに俺とは付き合う気がないんだな」とスパッと結論付けたくなるものですが、感情的な女性は「自分の気持ちがはっきりするまでは、付き合うとも付き合うとも言えない」と思うわけです。

これはもう、言語が違うじゃね?と言うくらいあざやかなすれ違いですね(笑)

>その後もうだうだやって、ようやく来週、駐在前最後のデートに漕ぎ着けたのですが、今の私に必要なものは何なんでしょうか?

おそらくYさんはもう駐在先に飛んでらして、もう彼女のことは過去のものになっているかもしれませんが、この状況で必要なことは、彼女を信頼しなさいな、ということです。

彼女には彼女のペースがあり、彼女は自分で考えて結論を出せる人であり、彼女にも選択の自由があり、そして、自分の幸せを見据えて答えを出すだろう、ということを信頼してあげましょう、ということです。

逆に言えば、自分の都合や考え方で彼女を縛ったり、それを彼女に押し付けたりしたら、嫌われまっせ、ということでもあります。

自分が駐在するからこの日までに結論を出せ、というのは、自分の勝手な都合でして、相手がそれに同意するか拒否するかは彼女自身の問題です。
しかも、恋愛、結婚などの今後の人生に大きな影響を与えるものであるならば、なおさら、慎重に考えたくなるかもしれません。

勝手に自分のスケジュールを押し付けてくる男性に、果たして彼女は魅力を感じるでしょうか?というわけです。

しかも、彼女は前夫と「遠距離→結婚」と言うプロセスを体験されてるんですよね?
とすれば、「今回も同じかー、まじかー、また同じこと繰り返すのはやだなー」と思っている可能性もありますし、「前も遠距離大丈夫だったし、今回も余裕っしょ」と構えているかもしれません。

そうした彼女の気持ちを「理解」しようとしてあげるのもまたYさんにできることかもしれません。

海外に暮らしたことがある彼女ですから、なんぼYさんの赴任地が僻地だったとしても、飛行機に乗ってやってくると思います。

女性は決めるまではウダウダしますが、決めたら最後、怒涛の如く動くことができ、びっくりするくらい行動的になります。

「やっぱりあなたがいい。待たせてごめんね」
「ありがとう。いつこっちに来るの?」
「明日」

みたいな会話が普通にできるのが女子の怖いところです。

私からすれば、

>彼女はいい子ちゃんでいたい/キープ君がほしいだけでしょうか?

という風には思えず、彼女は自分に素直なだけだと思います。
逆に言えば、自分の気持ちがはっきりするまでは何とも言えないというポリシーを貫いていらっしゃいますから、むしろ、強い女性ではないでしょうか。

男の人はよく自分しか見えなくなったり、自分のペースにこだわったりしがちなところがありますよね。
道を歩いていても、彼女を置いてさっさと行ってしまったり。

悪気はまったくないのだけれど、シングルタスクなところがあって「次はあの店に行く!」と決めたら、彼女と一緒に歩くというタスクを忘れてしまうわけです。

だから、そこで彼女のペースに合わせてあげられる男性は女性からの好感度が高くなります。余裕を感じさせますね。

彼女のペースに合わせるというのは、歩調だけではありません。
話のペース、買い物のペースもそうだし、気持ちを決めることもそう。

昨日も紹介しましたが、男性は決めるのは早いのですが、その後にウダウダすることが多いですよね。
一方、女性は決めるまではウダウダしますが、決めてからは早いです。

となると、決める、というプロセスにおいてはたいてい男性が早いので、女性に対して男性はイライラしがちです。(レストランのメニューでもそうかもしれません)

なので「女ってそういうもんなんだよなあってか、こいつ、意外と女らしいんだな」という目で見られるようになると、自分に余裕が生まれますね~

そこでカギとなるのが本文中に出て来た「信頼」と「理解」なわけです。

自分の考えや価値観が正しいと思い込んでいると、信頼も理解もできません。
相手を否定して、自分の考えを押し付けようとしてしまいます。

理想は駐在前に結論が出て、一緒に旅立てることかもしれませんが、案外、そう思い通りに行くことは少ないものです。

もし、彼女とうまく行くことになっているんだったら、タイミングがずれても彼女は僻地までやってくるでしょう。
もし、そうでないならば、駐在先で新しい人と出会うかもしれませんね。

美味しいカレーができるまでは気は焦りますが、そこを何かを楽しみながら待ちたいところですよね。

そんな「理解」のための本はこちら。男女の違いについて書いています。

「愛されるのはどっち」(リベラル社)

「頑張らなくても愛されて幸せな女性になる方法」(リベラル社)


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