“妻だけED”の心理。



セックスと家庭に何を求めるか?のずれ。
そして、夫婦の関係性。お母ちゃんと息子になりがちな夫婦。
大きく2つのポイントから「妻だけED」を解析しました。

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セックスレスの記事について掲載していただいた「R」と申します。ありがとうございました。あれから何度も読み返しています。
私にとってセックスはもしかしたら、唯一安心を得ることが出来るものかもしれません。
私が主人に拒否されているほうです。主人が言うには「そんな気にならないそうです」。いわゆる「妻だけED」。子供がいないので、「パパママ」になったわけではないのに!
※いつか、「妻だけED」も取り上げていただきたいです。男性目線からの意見も聞きたいです
(Rさん)
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「妻だけED」って言葉、なかなか妙を得てるなあ、と以前から感心していました。
ほんと、こういう日本語を作るセンス、コピー力ってすごいなあ、羨ましいなあ、面白いなあと思ってるんですよね~

というくらい、数多くのご相談を頂いております。

さて、この問題を見ていくにあたり、とても大切な注意事項があるんです。
それは昨日のブログに書いたことでもあります。(昨日のブログがあって、今日の記事があると思っていただいていいくらいで)

傷つくことを“された”としても、それは自分の心の問題だから相手に怒ってはいけない、と思うと辛いです。

それは“妻だけEDは妻の問題”ということです。
“旦那が拒否するからできないんです”は正確には“旦那に拒否させてるからできないんです”になります。

はい、ブーイングどうぞ~!!!

Boo Boo Boo~~~~

もし、私の目の前にご主人が来てくださって「妻に対してだけセックスしたいって欲求が沸かないんです」とおっしゃる場合は、ご主人の問題です。

もし、ご夫婦でセミナーにいらして「お互いにセックスをしたいと思っているのですが、そういう雰囲気になれないのです」とおっしゃる場合は、二人の問題です。

それが問題だと感じている人の問題として捉えるんですね。
これが私にとっての大前提なんですね。
法律だったり、宗教だったり、社会性だったり、倫理だったりは違うかもしれませんし、もちろん、他のカウンセラーは違うことをおっしゃるかもしれません。

レスや妻だけEDの問題、あるいは浮気や離婚の問題ってどうしたって「相手が悪い、相手の問題」って思いやすいじゃないですか?
相手が変わらなきゃ意味ないじゃない!って思いたいじゃないですかー。
だって、自分にはどうすることもできないし、自分は準備OKなんだからーって。

確かにそうなんですけどね・・・。うん。そう思いたい気持ちはよく分かります。
けれど・・・問題解決という視点で見ると、やはり「主体性」は大事なのですよ。

さて、妻だけEDもありますけど、最近は「夫だけNG」も増えてません?(←的確な用語があれば教えてください)
ちなみに「妻だけED」と「夫だけNG」は心理的に違ってるように思っています。
男女の違いが出る、というか。とりあえず今日は前者をご紹介したいと思います。

ちなみに、なんでレスになるか?という話は前回の話も参照ください。
セックスレスとその解消方法へのアプローチ(1/2)
セックスレスとその解消方法へのアプローチ(2/2)

ともあれ、“妻だけED”を掘り下げてみましょう。(ようやく本題ですね!長い前戯、いや、前置きですね!笑)

「セックスに何を求めるか?」というのはとても大切な問いかけです。
皆さんはいかがでしょう?

Rさんの場合は「唯一安心を得ることが出来るもの」なんですよね。
同じ気持ちの方、多いと思います。
女性にとってセックスは「安心感をもたらしてくれるもの」なのかもしれません。
だから、レスは「不安」を招くんですね。愛されてないんじゃないか?って。

でも、それってセックスじゃないと手に入れられないものでしょうか?
「セックスという行為そのものが好きなんじゃなくて、肌を触れ合ったり、抱きしめられたり、私だけを見てくれている、という感覚が好きなんです。」
という声もよくお聞きします。
だから、「セックスがなくても肌の触れ合いがあるならそれで満足だと思います」と。

もし、セックス以外で安心を感じられるのであれば、なくてもいいんじゃないの?という思いが心の中にあります。「早く終わってくれたらいいのに」とか「めんどくさいなあ」って思いを感じてる方ってそうですよね。

では、男性ってセックスに何を求めるか?というと、一番は刺激であり、性欲を満たすことなんですよね。
そもそも自然と射精しなければいけないように体ができているので定期的に性欲が高まります。

「付き合ってるときはふつうにあったのに、結婚したらなくなった」というケースが代表的ですけれど、「この女に逃げられるかもしれない、別れるかもしれない」という怖れを感じているときは性欲を持ちます。

また、相手とのセックスに強い興味を惹かれている間は、その探求心の強さから性欲も高ぶります。つまり、言葉は悪いですけれど「この体をまだ征服していない!もっと彼女を知りたい!もっと自分のものにしたい!」という欲求が性欲と結びつくのです。

でも、これって日本人じゃなくても世界中の男性に共通するところなんですね。

海外では「セックスレスになると女性から離婚を迫られた挙句、膨大な慰謝料を払わなければならないから、その“怖れ、不安”が刺激となって夫婦の営みが続いている」と言われることもあります。
それはまあ笑い話かなあ、と思うんですけど、外国人の多くの国ではセックスを「メイクラブ」として教えているんです。
そして、男性もそうですけれど、女性もセックスにとても積極的です。

テレビでしたっけ?こんな話をやってました。
(インタビュアー)「どうしてあなたの国では生まれたばかりの子どもを一人で寝かせるの?」
(女性)「そりゃあ、夫婦の営みのために決まってるじゃない!子どもがいたらその気にならないでしょ?」

そんな風にカメラの前で堂々とセックスが夫婦にとって大事だ!って宣言できる男性、女性、日本にどれくらいいるのでしょうね。

日本人は恥ずかしがりやさんなので、セックスは秘めたものとなり、あまりオープンではありません。
だから、セックスが愛の行為である、ということをあまり実感できないんです。
なんせ、男性の多くがセックスを学ぶのはアダルトビデオか風俗店なわけですから。

そうするとこれは男女共通ですけど、セックスって隠すものであり、悪いことになります。そもそも男性はセックスに罪悪感を感じやすいんです(潜在意識ですが)。
だから、「タブーな関係」ではセックスを感じやすいし、求めやすいんです。
逆に結婚して堂々と「セックスしてもいいよ!」って関係になると、どうも気乗りしなくなるんです。
悪いことをするのって表の社会ではちょっと・・・みたいな気になって。

そういうわけで男性のセックス観、少しは伝わりましたでしょうか?

さて、皆さんが夫婦・家庭・家族に求めるものって何でしょうか?
「安定」とか「安心」さらには「つながり」を求めませんか?

家庭を安定的に維持するためにはやはり安定した関係がいいわ、そんないつもケンカしてるのなんて嫌だし!って思いますよね。

これは男性も同じなんです。
外で戦っている男性は家に帰れば落ち着きたい、安心したい、安らぎたい、癒されたい、と思います。
自立的な男性が家では奥さんに超甘えてる、なんて話もよく耳にしますよね。

外では出してる矛を家ではそっと収めたい、と思うわけです。
そう、だから本来ベッドの上で使う矛も収めちゃうわけですね(笑)

女性の場合はセックスに求めるものと夫婦や家庭に求めるものが同じ、というか、近いですね。安心感とか。
だから、レスの問題に気付くのはたいていが奥さんの方です。

一方、男性はセックスに求めるものと家庭に求めるものが異なるんですね。
そうすると奥さんとのセックスというのは別モードでしなきゃいけないんです。
家庭に安らぎと癒しを求める男性が、敢えて刺激を求める狩人モードになってセックスをしようとするんです。

これが心理的な理由の一つになります。

二つ目の理由。
それは家庭内の夫婦の関係です。
子どもがいれば「お母ちゃんになる」のも分かると思います。
子どもたちに接するのと同じように旦那に接してしまえばね。

でも、子どもがいないのに?って思いますよね。
ところが、やはり同じなんです。

家庭内のルールってどういう風に決められてますか?
炊事、洗濯、お掃除から、家のインテリア等の決定権はどちらにありますか?
もし、そこで奥さんが主導する部分が多いとすると、旦那さんはやはり奥さんを「お母さん」と同じ位置に置くようになるんですね。

「まるで子供みたい」って奥さんが感じるところも多いと思うのです。
脱ぎっぱなし、出しっぱなし、開けっ放しに、ぼろぼろご飯をこぼしたり、服を汚したり。
(ちなみに「ほんと4歳児と何も変わらないんだね」とは私の妻が3日前に放ったありがたいお言葉です)

そんな関係になると、妻を「女」として認識することは難しくなりますよね。
「母」ですから。

もちろん、男性の甘えも大きいですね。
極端に言えば男性は皆マザコンですからね(笑)
だから、お母さんを常に求めているし、お母さんを感じたいんです。

「女として見られない」とはそういう心理が働くのです。
そうすると意識は外に向かい、妻だけEDになってしまいます。

「男」「女」でいられるための努力ってお互いどれくらいしているでしょうか?
この辺は男女で違いがあって、「安心」をセックスに求める女性は相手がパジャマでも構いませんし、セクシーな下着をつけていなくても大丈夫です。

しかし、男性の多くは「視覚派」で目に見えるものに意識を取られます。だから、セクシーなランジェリーに興奮するし、胸が大きいだの、お尻が大きいだのに性欲を感じるんです。

あるクライアントさんは専業主婦で、普段はけっこう手を抜いた家着で過ごしているみたいですが、旦那さんが帰ってくる直前にメイクをして着替えて出迎えるそうです。

「外にはライバルの女がいっぱいいる。私が女じゃなければほかの女に盗られる」

そんな危機感がそうさせてるみたいですが、これ、男性心理にうまく答えてると思います。

女性が「安心」を求めると、どうしても「男性から見て女性的に見えるもの」が排除されるようになります。
メイクだって、下着だってめんどくさいでしょ?
落ち着きたいときにそんなの・・・お金もかかるし・・って思うわけです。

そこが男女の違いですね~。

もちろん、男性も家に帰ると矛をしまって子どもになっちゃうわけですから、そこはお互い様です。

ちなみに男性もやはり「男」でいられることが大事。
男を感じるのは・・・実は肉体が一番早いかな。
「戦い」です。男性が燃えるのは。
だから、体を鍛えることをよくお勧めしています。筋トレです、要するに。
そうすると男性はなぜか自信を取り戻していきます。

後はこれを読まれるのがご主人なのか奥様なのかで対応が変わってきます。
どうしたらいいのか?はこの記事から推測してもらってもいいですし、前回の記事を参考になさってください。

さて、ディープな世界を少し覗いていきましょう。

「妻だけEDも妻の問題」と言いました。
セックス観の違いや男女の違いなどについてご紹介しました。
ここからは潜在意識にアクセスしていきます。

なぜ、旦那さんに「私だけED」になってほしいのでしょうか?
旦那さんとのセックスをあなたが拒む感情的理由は何でしょう?
あなたが旦那さんを男として見られないとしたらなぜでしょう?

以前、私のセミナーに出てくれた「妻だけEDの旦那とのセックスレス問題」を持つ方にこんなセッションをしたんです。(ロールプレイのセッションね)
旦那さん役の人と向かい合って立ってもらったんですね。

それまでお話しているときは旦那のことが好きだし、愛しているし、もっと仲良くなりたいって感じだったんですけど、向き合って一歩近づいた時から悲しみや寂しさが溢れてきました。
「どうして?私じゃダメなの?」とか「すごく寂しい」「傷ついている」とか。
でも、そのあとにある感情が出て来たんです。
「怒り」
それも強い怒り。震えるほどの。

セックスレスについての怒りだけじゃないんです。もっといろいろな、それまでの関係性でため込んできた怒り(その一部は元カレだったり、父親だったりへの怒りも含みました)。
気付いていなかったけれどこれだけ強い怒りを持っていたらセックスなんてできませんよね。

その怒りを解放していくと、どんどん愛が溢れてきました。
「愛おしい」って感じ。

そしたらね、旦那さんとの間にあった壁がなくなったんだそうです。
(そもそも壁があったことすら気付いていなかったんですが。その壁こそが怒りです)

壁がなくなったので近づけるようになり、拒否されても自分の愛に自信が持てたので傷つきにくくなり、自然とそういう関係が復活したそうです。

“妻だけED”になるのは夫だけの責任ではなく、自分がどこかそれを望んでいる部分がある、という目で見ていきましょう。
その方が「主体的にできることがいっぱいある」から前向きになれますね!

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