相手の言葉に反応してしまうココロ。



相手の言葉で自分が否定されてるように感じたときに気付けるんです。
自分が自分を否定してるからそう感じたんだ、と。
そして、そんな自分を許してあげると一つ心の荷物が軽くなります。

相手に悪気はないと分かっているのにココロに刺さる言葉ってありませんか?
相手にそのつもりはないんだろうけれど、責められてるような気がしたり、見下されてるような気がしたり。

ある人は上司からの言葉に敏感に反応してしまいます。
「あの書類、まだかね?」とふつうに聞いてくれてるのに、なぜか自分の耳には「君は仕事が遅いね」と言われてるように感じられます。
ミスをして怒られると「君はもうクビだ」と言われてるような気がして、ものすごく凹んでしまいます。

また、ある人は旦那さんの言葉にトゲを感じます。
何かとバカにされているような、見下されているような気がしていちいちイラッとしてしまうんです。
ケンカするたびに「いつも上から目線でモノを言う」と彼に文句を言ってしまいます。


また、ある人は今仕事を探している最中なので肩身が狭いと言います。
お母さんから「何もせんとゴロゴロして」と言われるとものすごくカチンと来てしまいます。

友達との会話にもそういう気配を感じやすい人がいます。
以前触れたマウンティング女子はもちろんですが、相手の言葉に自分が否定されてるように感じて惨めになってしまいます。

心理学を少しでも学んだ方なら、それがどういうことなのかは理解できると思います。
(頭で分かってもそうと受け入れるに抵抗があるわけですが)

そう、いわゆる「投影」なんですね。

自分のことを仕事が遅いと責めているから、上司の言葉が引っかかります。
自分なんて出来が悪い、こんな社員はいてもダメだと思っているから、上司の説教からクビの気配を感じます。
自分のことを否定したり、バカにしたりしているから、旦那の言葉にイラッと来ますし、お母さんの言葉に怒りを感じ、友達との会話で惨めになるのです。

もし、あなたが自分を責めていないのであれば誰かの言葉に反応することはありません。

自己否定・自己嫌悪が先にあり、誰かの言葉によってそれが反応するのです。
でも、見た目には相手に責められてるようにしか感じられません。だから、責められてるように感じるんです。

例えば、私が「こんなにお酒ばかり呑んではダメだ」と自己嫌悪していたとしましょう。
そんな時に奥さんが「お酒ばっかり飲む人はサイテー!」と言われるとすごく腹が立ちます。

一方、私が「お酒ってものすごく人を幸せにするもので、素敵なものだ」と思っていたとしましょう。
そんな時に奥さんがやはり同じセリフを言ったとしたら、腹は立ちません。
「ええ?そんなことないよ。こんな幸せになれるんだよ。魔法の薬じゃないか」と平然と言えるんです。
(でも、少しでも自己嫌悪があればケンカになるでしょうね)

問題はその自己嫌悪・自己否定に自分が気付いているかどうか、です。
お酒の例は分かりやすいですね。
でも、自分のことをバカにしてるとか、自分は仕事ができないなどと自分を責めていることにはなかなか気付かないことも多いのです。
なぜかというと長年の習慣になってしまってるからです。

そう思うことがふつう。
そう思うことが当たり前。
そうなると、もう自分ではなかなか気付けません。

だから、投影の仕組みを知ることができたら、それを逆手に取ることをお勧めしてるんですね。
すなわち、人の態度に自分がどんな反応をするかで、自分が何を感じているかを知る、ということです。

上司から「あの書類、まだかね?」と言われてイラッとしたときに気付くんです。
「そうか。自分は仕事が遅いって自分を責めているんだ。確かに先輩たちのように要領よく書類を作れないのはダメだって思ってるなあ」みたいに。

だから、人の態度等であなたがネガティブに反応してしまったとしたら、そこの自己否定・自己嫌悪あり、です。
それを相手のせいにするのは気付きを一つ捨てるようなもので勿体ないんですね。
そこから自分を振り返り、自分を知り、より良くするための糧にしてみましょう。

「焦って仕事をするとミスが増えるから、マイペースに行こう。仕事は多少遅くても、ちゃんとしてたらいいはずだ」って自分に言ってあげるんです。

そうして自分を許してあげると、その否定が手放せます。
その分、心の負担が軽くなるのです。

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