変なプライドが邪魔をする。



そうと気付いている分だけ自己嫌悪が強まります。それを解消するには「勇気」の出番。そのためにはきっかけと覚悟が必要になります。その一歩を踏み出すために自分に何ができるかを見つめていきます。

「そんなところで意地を張らなくてもいいのに。あとで後悔するの自分なのに・・・」
「変なプライドが邪魔して何も言わなかったんです。そこで素直に気持ちを言っておけば良かったのに」
「せっかくの申し出を断ってしまったんです。喉まで『Yes』って言葉が挙がって来てたのに、口から出て来たのは『No』でした。」

大人になり、自立していくと、私たちは傷つかないようなルールを自分の中に築いていきます。
これは「鎧」と表現されることもある「防衛」の一つ。


子ども時代に素直に気持ちを表現したのに逆に怒られて傷ついたり、バカにされたり、無視されたりすると「素直に気持ちを表現することは傷つくこと」と学び、「素直な気持ちは表現しない方がいい」というルールを作ります。
そうすると傷つくことはないのだけど、その代償も生まれます。それが「好きな人に気持ちを素直に伝えられなかった」とか「すごく理不尽さを感じてムカついたんだけどそれを言わずに飲み込んでしまった」という場面になり、「変なプライドが邪魔した」と思うのです。

でも、そう気付いただけでOKなんですよね。
この程度のことってほとんど私たち全員が体験していることで、変なプライドの元となるできごとは今ではすっかり忘れてしまっているような体験の積み重ねです。
もちろん、その感情と向き合って行くのもアリだけど、必ずしもそうでなくても乗り越えられます。

そうすると次は「勇気」の出番です。

じゃあ、先ほどの「素直な気持ちが言えなかった」という体験をしたのならば、身近にいるだれかを捕まえて、「今の素直な気持ちを伝える、聞いてもらう」という体験をします。
それが苦手な人にとっては勇気要りますよね~
だから、「誰に伝えるか?」は慎重に選ぶことになりますね。
そしてその人にコンタクトをとりましょう。

最近、カウンセリングでこういうシーンになると「じゃ、携帯出して。うん。今。その人とは普段電話?メール?ライン?じゃ、メール開いて。うん。そう、今書いて出すの。今やらないとできないでしょ?」なんて半ば強制的に話を進めたりするんですけどね。
(でも、たいていは「じゃ、今日中ね。今日の23:59までに出してね」と言う宿題にしますね。)

※ちなみにこれが「勇気の出し方の一つ」です。誰かに背中を押される(というと綺麗に聞こえるね!)という。

もし、「変なプライドが邪魔して意地を張ってしまった」とか「本音を言えなかった」としたら、その相手に「今さらだけど本当は」って意地を張らない時の本音を伝えましょう。
これもすごく勇気が必要ですね。
しかも、相手も怒ってたりする可能性があるから、「何言ってんねん、今さら。もう遅いわ」と拒絶されることだってありますよね。
そうしたときは「そりゃそうだよね。自分が悪いわ」と責める方にエネルギーを向けるのではなく、「実はな、また意地を張ってしまって、この話潰してしもうてん」という告白を誰かにしましょう。
こうした手順をきちんと決めておくことも勇気の出し方の一つですね。

とはいえ、「本気で変なプライドを手放す」という覚悟が必要ですよね。
中途半端だとできない理由を探したり、また新たな傷を負ってしまう可能性もあります。
そもそもこのプライドは自分を守るために役立ってた側面があるわけですからね。
それを手放すのが怖いというのもあるのです。
だからこそ、何らかのきっかけが必要になりますし、それ相応の覚悟が必要になります。それが勇気ですね。

もし、そのきっかけが必要であればカウンセリングを受けてみてください。
セミナーに参加する、でも、いいでしょう。
何かを変えるために何らかの行動を起こしてみる(思いと行動を結びつける)と、それがきっかけになることも多いです。

変なプライドって気付いている分、自己嫌悪が強くなります。
それを手放してサクッと自然な自分になれますよう、まずはできることから始めて行きましょう。

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