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良かれと思って言うセリフが「正しさの押し付け」になってることありませんか?
これをしてしまうと関係は壊れていくのに、大義があるので気付けません。
“そんな”相手でも信頼・尊重するのがカギですね。
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人間関係において、やってしまいがちなパターンに「あなたのことを考えて言ってるのよ!」という台詞があります。
親子関係でお母さんが子どもに言います。
パートナーシップで彼(彼女)が彼女(彼)に言います。
上司が部下に言います。
「良かれ」と思って「正しいこと」を言っているので、知らず知らず相手を追い詰めてしまいます。
そして、状況は改善せず、関係性は悪化します。
でも、「良かれ」と思っているし、自分が言ってることは「正しいこと」(間違っていない)と思っているので、「相手が悪い」「相手に問題がある」と受け取りがちです。
しかし、本当に相手のことを考えているのであれば、それを受け取る側の気持ちだって考えているはず。
そう言われたら相手がどう感じるのか?
そして、自分の言うことが果たして本当に「正しい」のか。
あなたのことを考えて言ってるというその思いは善意かもしれませんが、その言い方ややり方が押し付けることになってしまうのです。
つまり、自分の気持ちを考えて言ってるに過ぎないのです。
相手のモチベーションを上げる言葉が浮かばない(言えない)ので、自分の方法を押し付けてしまっているに過ぎないのです。
「そんなにいい加減でどうするの?それじゃあ相手の信用を失うでしょ?あなたのために言ってるのよ!分かってる?」
そんな言い方をされて「はい」と項垂れるご主人。正論だから何も言い返せませんし、仮に言い返してしまうと10倍返しになること分かってますから何も言いません。
その言葉で奮起してきちんとするようになるかというと・・・どうでしょう?
むしろ、相手はその言われ方に嫌気がさして心のシャッターを降ろしてしまうと思うんですよね。
そうするとあなたはまた何度もその言葉を言わなきゃいけなくなります。
本当にそれ、あなたのため、なのでしょうか?
自分のため、ではないでしょうか?
相手の気持ちを尊重しているでしょうか?
正義を振りかざしていないでしょうか?
正しさで人は動きません。
心で人は動きます。
「あなたのために言ってるのよ」という言葉を言ってしまうほどに愛情があることは分かるのですが、その表現方法はどうでしょうか・・・。
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先日、そんな感じで夫婦関係が壊れてしまった奥さんとカウンセリングをしていまして。
だいぶ、旦那さんを追い込んでしまったようなんですね。
すっかり心を閉ざし、何も話してくれなくなりました。
そして、ある時、家を出て行ってしまったんですね。
ブログを散々読みまくって自分がしていたことが間違っていたような気がしたんです。
それで遠路大阪まで足を運んでくださいました。
(そして、ご本人に許可をもらってネタにさせてもらいました。)
彼女は良かれと思って・・・「お小遣いを減らし」「呑みに行く回数に制限を付け」「休日出勤や残業の多さにクレームをつけ」「食べるものを気を付け(脂っこいものを避けるなど)」色々と彼のためにしてきました。
その行為そのものと言うよりも、その言い方、やり方に問題があったのだと思います。
「根本さんだってクライアントさんに何か言わなきゃいけないことってあるでしょう?どうするんですか?」
とおっしゃるので、「基本的に私は聞かれなきゃ答えないんですよ」と答えました。
「その人が分かってやってるって思うんです。そうしたいんだろうな、と。良くないってあくまで自分の基準じゃないですか。だから、良くないって思うのは自分なんだよなって思うんです。だから、『どうしたらいいですか?』って聞かれるまでは基本的に私から『こうした方がいい』『これがダメだ』ってことはあまり言いません。」
「どうしたら?って聞かれても、『こう思います』『私ならこういう風にしますね』という風に“提案”という形を意識します。押し付けにならないように気を付けますね。でも、どうしても言わなきゃというときは『今からすごく嫌なこと言いますけど・・・』とか『めっちゃ気分が悪くなる話しますよ・・・』とか『根本さん、嫌いって思われるかもしれませんけど・・・』とか『今から僕の意見押し付けますから!』みたいな“枕詞”を敢えて入れますね。で、『あくまで参考ですよ』という風に付け加えます。」
そして、最近お気に入りの「廊下に脱ぎっぱなしの靴下問題」の話をするのですが、それはまたの機会に。
ま、これもカウンセリングだからできることであって、プライベートでできるか?お酒が入った席でできるか?と言うとなかなか微妙(すなわちできてない)ですけどね。
私も人に意見を押し付ける傾向があるので、「相手を信頼する」「相手を尊重する」ということを意識しています。
最後にその東京から来てくださった彼女に伝えたことはこんな話でした。
「でもね。うまく行かなくてもいいんです。今回ご主人が出て行ったことで色々と気付かされたでしょう?つまり、ご主人が出て行かなかったらそのことに気付かず、そのことをこれからも繰り返しやってたってことになるんです。だから、今気付けて良かったですよね。それに、やってしまったことについてもね、悪気があったわけじゃないし、むしろ、愛ですよね。その表現が合わなかっただけで愛に間違いはありませんから、そこは大事にしてくださいね」