子どもに何を求めているのだろう?



子育てのご相談を伺っていると、やはり愛してる分だけあれこれと求めてしまうことが多いようです。
でも、子どもに求めているものは自分自身の思いだったりします。
子どもに求めているものをまずは親が見本として採り入れることが一番ですよね。

子育てのご相談も意外と多い昨今です。
そこには夫婦関係も絡んでくるテーマで、いずれ、本に纏められたらいいなあ、と思うくらいネタはあります。
けれど、まだ私の中ではうまく統一されていないので、ちょくちょくブログに書いて整理させて頂こうと。


子どもに対して辛く当たってしまう、というお母さんのご相談をいくつも頂いて来ました。
言うことを聞かなくて・・・
どうしていいのか分からなくて・・・
どう接したらいいのか分からない・・・
あまり厳しくするのもどうかと思うけれど・・・

親になると親の気持ちが良く分かる、と言います。
自分が子どもを持つことで、自分の親の気持ちが分かり、それで親との関係性がグッと良くなる方もいらっしゃいます。
素晴らしいことですね。

自分と性格が似てる子どもの場合、相手の気持ちがよく分かる反面、ママ自身が自己嫌悪の強いタイプだと、逆に「将来大丈夫かしら」と心配になることも多いようです。

でも、問題は自分と違うタイプの子どもの場合ですね。
昨今、個性的な子供も増えてきていますので、それで手を焼いてるママ(パパ)は多いかもしれません。

その際、あることが分かって来るんですよね。

「自分が子供に何を求めているのか?」

ということが。

無意識に「ふつう」を求めるママは多いと思います。
ここで言う「ふつう」というのは、周りの子と同じように過ごせること、協調性があって浮かないこと、幼稚園(保育園)の先生の言うことを良く聞くこと、、、そう、いわゆる「素直でいい子」です。

ママも家事に育児に大変だから、言うことを聞いてくれるいい子が理想なんです。
そうすると、それを期待して、そうなるように躾けていきます。
「ちゃんと片付けなさい」
「テレビばっかり見ない!」
「ちゃんとご飯食べるときは集中して」等々。

でも、どこかでそれは自分自身のエゴで、子どもに理想を押し付けているだけ、と分かっているから、そこでママはまた苦しみます。
自分はいいママではないんじゃないかと。
(そう思う時点で、あなたは素晴らしいママなんですよ、と私は伝えるのですが。そして、ママにはぽかんとされるのですが。)

でも、「いい子」を持つママは、これで大丈夫かしら?という不安を持ちますから、結局、どんな子に対しても何らかの不安や心配は持つものなんですよね。
それはその子どもを愛してるからなんです。
愛があれば不安や恐れはない、というのは確かなのですが、人間ってそこまで100%ではないですから、愛がある分、欲もあれば、期待もします。それが人間らしさです。

そういう意味では、子育てに悩むママは当然ですけど、子どもへの愛が深いから悩むことに違いはありません。

「感情の起伏の少ない子」を求めるママも多いかもしれません。
ぎゃーぎゃー泣いて収まらない子を抱えると、ほんと大変だと思います。
でも、もしかすると、それは自分自身がやってきたことなのかもしれませんね。

「友達が多い子」を望むママも多いかもしれません。
だから、公園や幼稚園・保育園での友達づきあいがすごく気になります。
でも、もしかすると、それはママ自身の成功体験やコンプレックスに基づくものなのかもしれないですね。

自分が子供に何を期待しているのか?何を求めているのか?を観察していくと、逆に自分自身が透けて見えて来るようです。

親のために自分を犠牲して育って来た方は、自分の子どもには自由を与えたいと思います。でも、自由がよく分からないから、気が付けば、自分の親と同じように子どもをコントロールしようとして、それに気付いて自己嫌悪に陥るかもしれません。

個性が大事、って育児書に書かれているから、と子どもの個性を大事にしようとするのですが、その個性を大事にすることがどういうことか分かっていないと途方に暮れてしまいます。
なぜかというと、ママ自身が自分の個性を大事にしていないからかもしれません。

ちゃんと目を見て話をしましょう、そうすると子どもにはちゃんと通じます、と言われるので、そうやってみるけれどうまく行かない。
自分のコミュニケーション能力に疑問を持つ方もいます。
もう少し気持ちを大切にするとうまく子どもとのつながりが生まれることも多いのですが、そういうママはマニュアルやルールに頼ってしまう生き方をしてきたのかもしれないです。

もちろん、ママだけでなくパパもそう。
あるエリートのパパは、子どもが学校の勉強に付いていけないことを知って愕然とし、絶望していたそうです。
ふだんは学校や勉強のことを何も言わないのに、あまりに落ち込みがひどいのでママが心配すると、彼は「何もしなくても、自分と同じようにいい高校、大学、仕事に就いてくれるものと思っていた」とボソッと言ったそうです。
無意識的に子どもに期待していたみたいなんですね。

「子育て」は「自分育て」です。
ママからはよく「自分を成長させてもらってる。こちらが育てられてるみたい。」という声を耳にします。

子どもに求めているものを見て行くと、そこには自分の姿があるんですね。
自分がどう生きるか?
自分がどうしたかったのか?
どういう生き方が幸せだと思っているのか?

そこから自分にフィードバックしていくことが大事なんです。

自分のエゴを押し付けていたなあ、と思えば手放していきましょう。
それが子どもの幸せになる、と思ったら、それを子ども目線で説明してあげればきっと通じます。

ママやパパは見本です。
子どもにこうなって欲しいという姿は、ママやパパが実践していないと、子どもの見本になれません。
「自由に生きろよ」と言ってるパパが、会社から縛り付けられていたら、束縛されることと自由をはき違える子どもに育ってしまうかもしれません。

子どもに何を求めているのか?が分かって、それをまずママ、パパ自身が実践して、お手本を子どもに見せてあげる・・・。

これがベストだと思うのですが、いかがでしょうか。

ベストゆえ、難しいですよ(笑)

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