それは自分が何とかできるもの?人の心は人のもの。人の行動はその人のもの。



もしかしたら、あなたが苦しいのは自分ではどうしようもできない相手の心の領域に関わっているからかもしれません。
今、自分にできることに意識を向けることで、相手に振り回されることはなくなるのです。

私たちが悩み、苦しむものの一つに「自分ではどうしようもないことを何とかしようと思っていること」があります。

自分は彼のことが好きだから、相手にも自分のことを思ってもらいたい。
何とか営業成績を上げたいから、取引先にYesと言ってもらいたい。
人に優しくしてもらいたい。
人にいい印象を持ってもらいたい。
誰かに愛されたい。

そう思ってしまうのはごくごく自然なこと。
誰もが望むこと。

でも、同時に、自分ではどうしようもないものでもあります。


彼が誰と付き合うのか?は彼に選択権がありますよね。
取引先の担当者があなたの会社を選ぶかどうかもその人(その組織)に選択権があります。

それに関して自分はどうすることもできません。

だから、信頼して待つ、相手に委ねる、という信頼や手放しの姿勢がとても大切になってきます。

そこに信頼がない分だけ、私たちは相手をコントロールしようとします。

「私のことを好きにならなかったら知らないわよ」
「うちを選んでくださったら、それ相応のお礼をさせて頂きます。」
「どうして私に優しくしてくれないの?」

相手に好かれようとする行動を取ることも、愛されるために自分を犠牲にすることも、一種のコントロールと言えます。

もちろん、コントロールした結果、それを手に入れたとしても全然嬉しくはありません。
だってそうさせるように仕向けたわけですからね。
そうやって手にした愛は本物でないように感じてしまうでしょう?

相手の心は相手のものだし、相手の行動は相手が自由に選択できます。
だから、自分にはどうしようもできないことを受け入れて、相手に信頼して委ねたとき、それは相手を自由にしてあげることでもあり、実は自分自身を自由にすることもできるんです。

コントロールに走るときは常に相手の行動を監視していなければなりません。
不安や恐れもとめどなく溢れてきます。

しかし、コントロールを手放して相手に委ねているとき、私たちは自由です。

そうなると「今、自分にできることをする」ということに意識を向けることができます。

いつもブログで書いていることですが、私たちはどんな状況であっても「今、できること」は存在します。

相手をコントロールして思い通りにする方法は尽きるかもしれませんが、自分が今できることは尽きることはありません。

そうして自分と相手との間にはっきりと境界線を引くことができます。

これは自分ができること。
これは自分にはできないこと。
これは相手に委ねるもの。
これは一緒にできること。

離婚問題のカウンセリングなどでよくこのお話をしますね。

「それは旦那さんが決めることだから、奥さんは自分ができることに意識を向けましょう。たとえば・・・」という話し方をよくしていると思います。

そうして、手放し、のセッションをすることも良くあります。

「あなたはもう自由です。私はあなたを手放します。私も自由になりました。」

そんな言葉を言っていただくこともあります。

そうして自分が今できることに意識を向けることができるようになると、相手の言動に振り回されることはなくなり、自分らしく、自由に振舞うことができるようになるんです。

「旦那は相変わらず冷たいんですけど、なぜか、私の心は平穏で落ち着いているんです。それに毎日が少しずつ楽しくなってきて」

という状態になれるのです。

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