私たちのマインドに「not」はない!~禁止されると欲しくなる心理~



昔々「タブーの心理」と言う講座を書きました。
今調べてみたら2002年ごろです。いや、そんな昔だったのね(笑)
その後もちょくちょくそんな話をしてるのですが、最近、また増えて来ました。

少し言い方を変えて。

すなわち、「私たちのマインドには『~ない』はない!」という表現で。

マインド、ではなく、脳、と書いてもいいんですけどね。


もう少し具体的に書くと、

「忘れちゃダメ」と思ったものほど忘れやすく、
「嫌われないようにしなきゃ」と思ったときこそ、嫌われやすい行動をし、
「落ち込まないようにしよう」と思ったときこそ、凹むことに出会いやすく、
「好きになっちゃダメ」と思うときこそ、好きになっちゃうのです

「~しちゃダメ」「~しないように」という思いは「~」の部分を意識させ、強めます。

簡単な例を挙げましょう。

『これをお読みの皆さん、今、絶対、振り向かないで下さいね!後ろを見ないようにしてください!』

どんな気分がしましたか?

振り向いてはいけないと思えば、背中が気になりませんか?

「振り向いてはいけない」という否定形の言葉により、「後ろ」が気になり、そこに意識が向いてしまうのです。
そしたら、皆さん、つい、振り向いてしまいませんか?
「禁止」されるとしたくなるように私たちの心は出来ているのです。

だから、

「忘れちゃダメ」→「忘れるようにしよう」
「嫌われないようにしなきゃ」→「嫌われよう」
「落ち込まないようにしよう」→「落ち込もう」
「好きになっちゃダメ」→「好きになろう」

というのと同じになっちゃうのです。

「遅刻するな!」
「散らかすな!」
「走り回るな!」

という子どもへの警告も、

「遅刻しろ!」
「散らかせ!」
「走り回れ!」

という意味になってしまうのです。

じゃ、どうすればいいのか?

一旦、『受容』します。

「忘れちゃダメ」→「ま、忘れてもしょうがないよな」
「嫌われないようにしなきゃ」→「嫌われたらそのときよ」
「落ち込まないようにしよう」→「落ち込んでもまた元気になればいいや」
「好きになっちゃダメ」→「好きになっちゃうかもね~」

否定するのではなく、受容なんです。
そうして、

「忘れちゃダメ」→「持って行くようにしよう」
「嫌われないようにしなきゃ」→「仲良くなりたいな」
「落ち込まないようにしよう」→「元気でいたいな」
「好きになっちゃダメ」→「お互いを大切にしたいな」

とポジティブな言葉で再選択です。

つい、私たちは生活の中で「禁止」や「否定」を使ってしまいます。
しかし、心理的には逆効果で禁止すればするほど、否定が強くなればなるほど、その禁止したいもの、否定したいものが強まってしまうのです。

皆さんの周りにそんな「禁止」「否定」溢れてませんか?
ちょっとした意識で変えられると思います。

毎日使える心理学講座


あわせて読みたい