あなたの身近な人は、自分を映し出す鏡。



以前、ある男性が言ってた話。
「こないだ、彼女の家に遊びに行ったんです。向こうの家族にも良くしてもらったんですが、一つ気になったことが。彼女、普段は優しくて、穏やかで、あまり怒ったところなんて見たことなかったんですけど、お母さんに対して結構きつい言い方してるんですよ。今まで聞いたことない口調で。ちょっとそのギャップにびっくりしてしまったんですよね。」

その話を聞いて思い当たるところがあったので質問してみたんです。
「その彼女ってお母さんと仲良しなんだよね?でも、あまり自分に自信がないというか、自分に厳しい感じの人?」

彼曰く、「そうです、そうです。お母さんとは仲がいいって聞いてたのでちょっとびっくりしたんですよね。それに、彼女ももっと自信持てばいいと思うんですが、自分に対して厳しいところがありますね。」


彼女がお母さんにきつい言い方するのって、ふだん、自分自身に言ってる言葉が出てるんだと思うのです。(おそらく自分自身にはもっときつい言い方をしてると思いますが)

心理的な距離が近づけば近づくほど、自分自身と相手との区別が希薄になり、自分に対して取っている行動を身近な人に取りやすいんですね。

だから、彼女が自分に対して厳しければ、身近な人に対しても厳しくなってしまうのです。

皆さん自身や周りの人で思い当たる人、いませんか?

外では穏やかで、いい人なんだけど、家では暴れてるお父さん。

外では人当りが柔らかく、親切なんだけど、子どもにきつく当たってしまう母親。

外では気配りができて、まとめ役なんだけど、お母さんに冷たく接する娘さん。

外では仕事に遊びに頑張ってエネルギッシュだけど、家では感情を出さない無口な息子さん。

どちらが本当の顔か?と言われたら、両方なんだと思うんです。

ただ、自分自身に対しては身近な人に示す態度を取っているのかな、と思います。

自分に対して強く否定し、攻撃しているお父さん。
自分に厳しく、きつい、完璧主義なお母さん。
自分に対して冷ややかな目を向ける娘さん。
自分のことはどうでもいいと思ってる息子さん。

そんな外とは違う自分が心の中にいるのかもしれません。

この質問を投げかけてくれた彼も、だからって彼女とどうこうってのは考えていませんでしたが、いずれ自分に対してもそんな風にきつく当たられるんじゃないかと思って、少々ビビッていました。

自分自身に優しくするのは、自分のためだけじゃないんですよね。
自分の周りの人を居心地良くさせてあげる秘訣なのです。

逆説的に、自分の身近な人に優しく接することは、自分自身に優しくすることと同じですね。

さて、今日は皆さんの身の回りの人に、自分がどんな風に接しているかをチェックしてみましょう。
特に一番近い人に対してどんな態度なのかを観察してみるといいですよ。

パートナーに、お母さんに、お父さんに、子どもに、部下に、同僚に。

自分自身をそんな風に扱っていないでしょうか?

心理学ミニ講座


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