[2/14]浮気の原因になったもの(1)~夫婦が男と女じゃなくなったこと~



カウンセリングの実際「浮気と離婚の危機とセックスレスの向こう側にあったギフト」

[2/14] 浮気の原因になったもの(1)~夫婦が男と女じゃなくなったこと~

その後、凡そ、月に1回のペースでカウンセリングにいらっしゃいました。
初めの頃は、「来月まで持つでしょうか?」という不安や怖れがいっぱいいっぱいだったのですが、それも徐々に落ち着いて来られます。

その間、私の方では、疲れを取る、癒す、解放する、などのリラクゼーション的なセッションをしたり、イメージの中でご主人と向き合い、コミュニケーションをしていくセッションをしたりしながら、少しずつ心を解放していきました。

そうして、心に少し余裕が出てくると浮気に至るメカニズムが明らかになってきたんですね。


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まず、友美恵さんのケースに限らず、浮気の問題はご主人ひとりが悪いわけではありません。
社会的、法律的に見れば間違ってるのは夫で、悪いのは夫なのかもしれませんが、だからといって彼を責めて心が戻ってくるかといえば、そんなことはありません。
むしろ、責めたら責めた分だけ相手は戻ってこなくなります。

離婚を目指して訴訟を起こすのならば別ですが、もし、やり直したい、別れたくない、としたら、ご自身の正当性を主張する事はかえって彼の気持ちを遠ざけることになってしまうのです。

それに、浮気もいきなり生まれるわけではありません。
結婚式で「僕は君と結婚して3年したら浮気をするからね!」という宣言をする人はいないですよね。
幸せになりたい、この人なら幸せになれるんじゃないか、そんな思いで結婚した方の方が圧倒的に多いと思うんです。

そんな中で徐々にすれ違い、価値観の違いが露見し、愛想が尽きたり、呆れたり、絶望したり、我慢したり、犠牲したり、いっぱい気を使ったり、そういう中で浮気が生まれる土壌が築かれていくのです。

その土壌を作ったのはご主人一人ではありません。
お互いが無意識のうちに、そうするつもりのないところで、浮気を生み出す環境を整えてしまったんです。

だから、この問題に関してもお互い「50/50」(フィフティ・フィフティ)なんです。
つまり、責任は両方にあるわけです。

事実、始めは信じられなくても、カウンセリングを進めていくうちに「旦那が浮気してなかったら、私がしていたかも」という思いにいたる方は少なくないんですね。
そして、友美恵さんのケースはそのことをまた如実に教えてくれる好例にもなりました。

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さて、具体的に友美恵さんご夫婦の土壌は何だったかというと、その一つは自分が女ではなく、ペットのような愛玩具になっていたことです。
もし、友美恵さんがご主人にとってのペット的立場であれば、セックスの対象になり得ませんよね。

「かわいい、かわいい」はしてもらえても、女としては扱ってもらえないわけです。
そうすると、彼は「女」を求めて、他の女性に目が行きやすくなるんですね。

そこから友美恵さんのテーマは「女の私を受け入れる」「大人の女性になる」に定まってきます。

あまり多くを詰め込んだり、設定しても実行できないですし、ハードワークに陥ってしまいますので私のカウンセリングでは「それだけでいいんですか?」というくらい、明確かつシンプルな目標設定をするように心がけています。

シンプルな目標は、はっきり行き先を認識させてくれますし、今自分に必要なものをイメージしやすくしてくれると考えるからです。

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なお、そもそも何で彼女がご主人からペット扱いされてしまうか・・・という点について心理学的に補足させていただきましょう。

この場合も実はどちらかが一方的に悪いということではなく、お互い様、50/50の責任分担です。

まず、愛玩具になってしまう奥さんの立場から見ると、彼女の中には強い無価値感(私は愛される価値なんてあるんだろうか?という気持ち)があって、ご主人のような“立派な方”から妻にしてもらえるなんて・・・という一歩引いた思いがあるんですね。

そうすると、この無価値感が邪魔して、常にご主人に対して見上げる立場を取るようになります。
「夫には到底かなわないし、自分の発言は所詮価値のないものだし、私が何かするよりも主人がやった方がうまくいく」なんて感じています。

つまり、ご主人に対して強い劣等感(コンプレックス)を抱いてしまっているようなものです。
そうすると、自ら下に降りて目下のポジションに収まり、「兄と妹」「父と娘」とともに「ご主人様とペット」のような関係性を作ってしまいます。妹や娘、ペットの違いはお互いのキャラクターが影響するようです。

こうした関係性では「男と女」や「夫と妻」といった対等な関係性は失われますから、セックスレスを始め、様々な問題が生まれやすくなります。

また、ご主人の方からすれば、もともとの性格、生い立ち、仕事経歴などから、奥さんを下に見やすいんですね。
特にエリート社会で生きていたり、プライドが高い性格で自信家だったりする場合はもちろん、体育会系で純粋に腕力が強いという場合もこの傾向が見られます。
いわば、家長制度の名残のようなものかもしれませんが、男性は上下関係のある社会で生きている分、自分が上なのか、下なのかを決める癖がついてしまうんです。

その奥さんが、自ら無価値感を感じて下におりてしまうわけですから、自然と彼の中では奥さんを低く見積もってしまうようになります。

そうすると、「女」ではなく「かわいい女の子」としてパートナーを見るようになり、娘のような、ペットのような感覚を感じますから一人の女性として彼女を扱うことはできなくなります。
そうして「守るべき存在」や「自分がいなければ何もできない女の子」といったレッテルを貼ってしまうことも少なくありません。

この状況は近親相姦をイメージさせるので、「絶対セックスなんて無理!」と思ってしまい、セックスレスになることも多いです。(普通は性欲を感じなくなったり、セックスがとても面倒なものに感じられるようになります)

そこで、佐藤さん夫妻の場合は、無意識的にですが、お互いの利害が一致して、ご主人が上(自立側)、奥さんが下(依存側)を選択するようになったんです。

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