2/5 福岡心理学講座



ご参加くださった皆さんありがとうございました。
アンケートにて頂きましたご質問に回答させていただきます。
参加されていない方にもできるだけ分かりやすいようにさせて頂いているつもりですので、どうぞお時間のある時にお楽しみ下さい。

また、とても打ち上げでも長い時間楽しく過ごせました。
なかなか一人一人の方とお話しすることができなくて僕も残念に感じています。
機会がありましたら、聞いてみたいこと、疑問に思うことはどんどん質問して下さいね。
できる範囲でお答えしたいと思います。

*心理学ワークショップ(福岡)*
2005/2/5(Sat)
13:00~17:00『女の気持ちと男の気持ち~恋愛上手になるヒント集~』
18:30~20:30『欲しいものを手に入れるには?』



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Q.物をあげる側の「優越感」に関して知りたいです。

A.「優越感」というのは、相手よりも自分が上に立っている感覚のことですので、心理学的には「競争」や「比較」の一種と見ます。
ですから、それは好意的なものというよりも、問題として捉えることができます。
即ち、優越感を持ってしまうのは、何かしら自分が優位に立って相手をコントロール(支配)したい欲求や、自分を立てたい欲求などを隠し持っている場合に多いのかもしれません。

例えば、物をプレゼントすることで相手の気を引こうとするのは、それ自体が悪いわけではありませんが、「俺はお前に高価なものをプレゼントしたんだから、ちゃんとそれなりの対応をしてくれなきゃ困るな~」という態度を取ってしまうとしたら、彼がプレゼント以外の部分には自信が持てないことを表していたりします。

実際にプレゼント攻撃で彼女を得た男性の多くが、時間が経つにつれ「プレゼントをあげるから俺と付き合ってくれてるんだ。もし、俺が一文無しになったら、きっとこいつは俺の元を去っていくだろう」という不安を常にどこかで感じていることが少なくありません。
それで見栄を張り続けるしかなく、経済的だけでなく、精神的にも追い詰められていく場合もあります。

こういう場合は、物に込めた気持ちをコミュニケーションすると良いんですよね。
「このヴィトンのバッグは30万もするものだけど、このバッグには込められないくらいの愛情を君に感じてるんだ」
とか言えたら、きっと優越感からは解放されるはずです。

本来「与える」というのは相手を下に見るものではなく対等な行為ですので、そういうコミュニケーションで、優越感を「与える気持ち(温かさ、繋がり、愛情、信頼など)」に変えていくことができるでしょう。

Q.私の痛みって何だろう?と思いました・・・。

A.今回のワークショップ(特に4時間講座「女の気持ち、男の気持ち」)では、実習を通じて自分自身の何らかの心に痛みがあることを感じた方も少なくないかと思います。
でも、今現実に問題を抱えていない場合には、その痛みが何かがすぐに分からないかもしれません。

痛みというとすぐにでも処置しなければならないようなものに感じてしまうこともありますが、必要なときに、必要な形で現れるものですので、それを待つのも一つの方法です。
ただ、気になる場合は予防的に無料の電話カウンセリングなどを利用なさっても良いかもしれません。

分かりやすい例え話としては、大人になれば虫歯に全くなってない方って少なくないと思うんですよね。
でも、私達が実際に歯医者さんに行くのは「痛み」を感じてからが多いのではないでしょうか?
でも最近は予防のために定期的にチェックしてもらいに行く方もいらっしゃいます。
そこで虫歯が見つかれば、痛みを強く感じる前に処置してもらえますので、安心感も高まりますね。

心の痛みも同じように考えてみてはいかがでしょうか?

Q.あんまり大きな目標を設定するのは自信のなさ?

A.そもそも「大きな目標だな」と感じるということはどういうことか考えてみましょうか。
多くの場合「実現できそうもないなあ」「ほんまにそんなことできるやろか?」という気持ちになるからだと思うんです。
傍目には大きな目標と思えても、自分では「ベストを尽くせば実現するのではないか?」という思いがあれば、大きな目標とは感じないと思います。

それがどうして生まれるかというと、色々な背景があろうかと思います。
一つはご質問にもある「自信がない」場合。
これは自分に自信を持つためには「これくらいは実現できないと採算が合わない」なんて気持ちがあるのかもしれませんね。
借金を取り戻すために、万馬券に投資するような感覚ですので、こういうパターンをお持ちの方はカウンセリングの際に「ギャンブルみたいですねー」なんて例えたりもします。

また、周りの期待が大きい環境で育ってきた場合や、逆に放任主義で自分に厳しい基準を持ってしまった場合には、ギャンブル的というよりも、義務的に高い目標を設定したりします。
例えば、親から「お前はお父さんの跡を継いで医者になるんだ」などと小さい頃から言われてきたら、もうそれが当たり前に感じられて、逆にプレッシャーに押しつぶされそうになったりします。

他にも、今自分が絶好調な場合などは、調子に乗って大きな目標を掲げやすい場合もあります。
これは地に足が着いていないので、自分では実現可能と思っていても、現実には悲惨な目にあう場合も少なくないですね。

だから、一概に自信が無いからだけとは言い切れないところがありますので、ちょっと自分が大きな目標を立てる傾向があるとしたら、カウンセリングなどで自分の内面を照らしてみてもいいかもしれません。
きっと納得できる理由が見つかると思いますよ。

また、自分が大きな目標を立てすぎたな、と思った場合には、まずはその目標を頭に置きつつ「今できることってなんだろう?」と思い巡らせて見るのはお勧めです。
ちょうど目的地への布石を敷くように、少しずつ「今出来ること」にブレイクダウンしていくと、大きな目標が実現可能なものに思えてくるようになります。
(これは一種のプランニングで、カウンセリングの初期にもできるだけ時間を割いてご提案しているものです)

Q.宗教のシステムと、心理学講座での考え方は似てるところが多いように思います。

A.心理学と宗教というのはよく比較されることがあります。
実際そういう本も出版されていたりしますので、興味がある場合は図書館や本屋さんで探してみてはいかがでしょうか。

僕としては、心理学、宗教、哲学とも、人間を見つめる点では共通していますが、その方法論やアプローチ方法が異なっていると考えています。

昔読んだ本にこんな表現があり、印象に残っています。


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