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夢って私たちの潜在意識を象徴するものでして、そこから自分の心の状態を見ることができ、これからどう生きていくかを模索するヒントが得られるものでもあります。
一見、キモい夢なのですが、そこからこんなにも話が広がるんだ、ということを知っていただけると幸いです。
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後方待機部隊(元々はたぶん突撃隊長気質)の50歳、未婚です。数年追いかけてるロックマンが留学するらしいです。
今朝なんと弟とイタす夢を見ました!
過保護過干渉な母、怒りっぽい父、弟(生真面目で数年引きこもってた)、妹(主張が激しく怖い)、狡猾で意地悪な祖母、自閉的な祖父(妹は溺愛されましたがわたしは家具の様な扱い)
一年前に突然、両親に対して家を一軒持ち上げる位の怒りが湧き出て下からぺっちゃんこに潰れたわたしが出てきました。両親と連絡を断ち妹とも疎遠に、唯一弟とはお互の誕生日にラインを送るくらいです。
なので、性的な意味じゃなくて親密感を求めてる?
に、しても、気持ち悪い夢でした、、、
ちなみにこどもの頃から自分で自分を慰めてたため、惚れっぽいものの、パートナーはあまりいらないとどこがで思ってます。
最近は遅咲きですがおしゃれもして、昔からちょいモテ、女性受けの方が良いタイプでした。
夢のことはどう理解したらいいでしょうか?
(ロックマンをあきらめなきゃ?と思ってるから?)
(Aさん)
近親相姦の夢ってのは以前も扱ってことがありましてよかったら参考にしてみてください。
>『近親相姦の夢が教えてくれる心の状態とは?~夢分析の例~』
夢ってのは非常に象徴的なものでして、昔から心理分析の重要な対象となっていました。夢占いとか夢分析というのもネット上には溢れておりまして、近親相姦の夢も様々な解釈ができるみたいです。
私の夢分析というのは「感情」に着目するものでして、「その感情を一番感じやすい状況が夢として現れる」という解釈をしていきます。
そして、その「感情」というのは自覚しているものもありますけれど、その多くは潜在意識の中にあるもので「自分ではそんな感情があるとは思ってなかったけど夢を通じてその存在に気付かされる」という風に見るわけです。
例えば、あなたの中に「怒り」があったとしましょう。
ふだんから表面上はいい子にしているあなたはあんまり怒りを覚えることもありませんが、それは抑圧されているだけで実は心の中にどんどん怒りが溜まっていっている状況だとします。
そうするとあなたの潜在意識はその溜まってきた「怒り」に気付いてほしいし、できればその感情を解放してほしいと望みます。
そんなときに「激怒する夢」を潜在意識はあなたに提示するわけです。
そして、そのとき潜在意識はあなたが激怒しやすいイメージを作り上げます。
自分の大切な人が侮辱されている夢、誰かに騙される夢、パートナーに喧嘩を吹っ掛けられる夢、親に裏切られる夢等々、あなたが一番怒りを覚えやすい状況が選ばれます。
だから、夢の中ではまだ学生だったり、実家に暮らしていたり、以前住んでいた街だったり、時代も場所も登場人物もバラバラです。
それでけっこうあり得ないシチュエーションの夢を見せられますし、なんでこの人が夢に出てくるの?という人が現れたりするものです。
だから、私の夢分析は登場人物については深く言及しないことが多く、その人がなぜ出てきたのか?何かあたしに伝えたいメッセージがあるのか?という解釈はあまりしていません。(たぶん、そういう場合もあると思うんですけどね)
なのでAさんの夢にしても「弟」に対してAさんが抱いている感情に注目するのみになると思います。
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そういう意味で「弟とイタす夢」というのもそこに流れている感情を見ていくことになるんです。
顕在意識に上がってきてる感情を見れば、「に、しても、気持ち悪い夢でした、、、」ということですから、Aさんの心の中に強い嫌悪感があることが伺えます。
日常生活の中で何か思い当たるところはあるでしょうか?
もちろんそれは家族との関係に限らず、仕事とか日常の中にその嫌悪感が潜んでるかもしれません。
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「弟」というのはAさんにとってどんな相手なのでしょうか?
「生真面目で数年引きこもってた」弟さんですが、唯一家族でつながりが残っている相手でもありますよね?
その弟に対してAさんはどんな思いを持っているのでしょうか?
かつて「兄と近親相姦をする夢を昔からときどき見る」という方をカウンセリングしていました。
彼女は兄のことが大好きで、恋愛感情に近いものを抱いており、兄が結婚した今もふたりで買い物に行ったり、あれこれ相談したりするのですが、兄と会うときはまるで恋人とデートするかのように気持ちが盛り上がっていました。
だから、兄との近親相姦の夢は彼女にとっては喜びになっていて、罪悪感はあるものの、「朝起きたらパンツはびしょびしょで幸せな気分になる」とおっしゃってました。
彼女は現実的ではない兄との恋愛を夢の中で満たしていたわけで「まあ、そら男はなかなかできんよねえ」というのがよく理解できたものでした。
ま、気持ち悪いと感じた方もいらっしゃるかと思いますが、そういう例もある、という話ですよ。
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また「イタす」という行為そのものに対してはAさん自身、どんな感情を持っているでしょうか?
>ちなみにこどもの頃から自分で自分を慰めてたため、惚れっぽいものの、パートナーはあまりいらないとどこがで思ってます。
とおっしゃってますから、その行為自体、あるいは男性に対して強い性的嫌悪感を抱いているのかもしれません。
あくまでひとつの例えですが、こんなストーリーも描けるかと思います。
「昔から性的興味や欲求は強く、セックスへの憧れがある一方で、家庭や学校などの環境で男性に対しては嫌悪感や怖れ、罪悪感などを強く持っていたので、それを強く禁じてきた過去がある。それが弟との近親相姦という形で夢に現れた。」
そう解釈するとAさんにとって今はセクシャリティをより解放していきたい思いがあり、それがテーマになっていると言えるでしょう。
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また、先ほどの弟さんに対する思いと合わせてみると、「ほんとうはもっと家族と親密になりたい。つながりを感じたい。」と感じているものの、現状は疎遠になっている状況ですから、こうした夢を見せることによってその願望を教えてくれるのかもしれません。
つまり、「家を一軒持ち上げる位の怒りが湧き出て」きた親との仲直りを潜在的には望んでいるのかもしれないですね。
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また、一般的に近親相姦というのはタブー中のタブーですので、そこには相当デカい罪悪感が伴うものです。
となるとAさんの中に大きな罪悪感が潜んでいる可能性があるということです。
この罪悪感について説明するとけっこうややこしくなるのですが、「家を一軒持ち上げる位の怒り」というのも「ぺっちゃんこに潰れたわたし」というところからも「罪悪感」の存在を伺うことができます。
ふつうだと親に対しては「被害者」(依存)の立場を取りますから、親にあんなことされた、こういうことしてくれなかった、という不満やニーズを多く抱えるものです。
「過保護過干渉な母、怒りっぽい父」の元で育ったわけですから、Aさん自身、ぺっちゃんこになるくらい自分を抑えまくって「いい子」になっていたかと思います。
だから、「家を一軒持ち上げる位の怒り」が心の中に溜まってしまっていたのも無理はないと思います。それくらい自分を抑えてきたのでしょう。
しかし、依存の立場ではなく、自立側から眺めてみるとそんな親を救えなかった、助けられなかった、幸せにしてあげられなかった、という無力感や罪悪感もたんまりあることが想像できます。
つまり、その強烈な怒りというのはAさんが持つ罪悪感の強さを表していると思ってもいいんです。
「下からぺっちゃんこに潰れたわたし」という表現はたまたま思い付いたものだと思うんですけど(そういう表現が非常に意味深なんですよね)、ってことは「Aさんは家を背負おうとしてきたってことだよね?」とみることができるわけです。
罪悪感があるとついつい背負いたくなってしまうんですよねー。
ってことは、ぺっちゃんこに潰れてしまうくらいの罪悪感をAさんは持ってるんちゃうかな?と言えるのです。
だから、この夢というのは「家族を救えなかった罪悪感」というものを示していると解釈することもできるのです。
ちなみにAさんは、家族以外でも「背負い癖」はありませんか?
あるいは罪悪感からくる補償行為に心当たりはありませんか?(ハードワークしがち、とか、親密感への怖れ強め、とか、恋人ができると全面的に面倒見ちゃう、とか)
*「いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本」(ディスカバー21)
*セミナー動画:『私の幸せを阻む「罪悪感」を「愛」で癒して「私」を自由に解放するワークショップ』
*心理学講座動画:『罪悪感と癒着の心理』
*光の瞑想~疲れや罪悪感などを癒すイメージワーク~
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その親への強い怒りにしても、罪悪感にしても、弟が夢に出てくることを見ても、Aさんの潜在意識はだいぶ「実家」に捉われているのかもしれません。
Aさんが結婚しなかったのも「家」を背負っているからで、何かと意識の先には親や弟妹がいたのかもしれません。
表面上は全くそんなこと考えてなかったと思いますが、でも、そういう風に言われてみると思い当たるフシがあれこれあるかもしれません。
強い怒りが出て家族を切って自立したのが昨年だとすると、やはりそれまでは何かと「いい子」をして家にとらわれていたのかもしれませんし、そもそもそうして家族との縁を切ることに罪悪感があるのかもしれません。
だから、Aさんにとっては距離が空いてる今だからこそ、改めて「大人として」実家との関係を再構築していく段階にあるんだろうと思います。
つまり、新しい関係を築くとき、というわけですね。
そして、そのプロジェクトに取り組むことで、Aさん自身のパートナーシップやライフワークもまた新たな局面を迎えるかもしれません。
例えば、Aさんと同年代のクライアントさんで「遅まきながら性の喜びに目覚めました!」というお姉さまがいらっしゃいます。
未婚のまま家業を継がれたのでずーっと家にべったりな状態でやってきたのですが、両親とも亡くなられたので悲しみや寂しさもありつつも結果的に自由になったんですね。
それまでは恋人ができても浅く短い付き合いばかりだったのですが、ひとりになってから寂しさを覚えることもあり、またなぜかモテ期が到来しまして深い仲になれる相手ができたんです。
また、別の方は長年実家だけでなく、旦那も子どもたちのことも背負ってきたのですが、離婚を機にライフワークに目覚められまして、前から親しんでいた占い・ヨガ・マッサージ・エステなどを本職にしてずいぶんとうまく行っているようです。
「ああ、こんなことなら早く離婚しとけばよかったー。10年以上前からずっと考えてたのに動けなかったんですよー。でも、今がそのタイミングだったんですよね」とおっしゃってました。
ということで、Aの夢もひとつのキモい夢として処理してしまうこともできますけれど、そこを掘り下げていくことでパートナーシップにせよ、ライフワークにせよ、新たな展開をAさんにもたらしてくれるきっかけにすることもできるでしょう。
まさか、こんな展開になると予想してネタを下さったわけじゃないと思いますけど、まあ、これだけ象徴的な夢ですからねー、やっぱそうなっちゃいますよね、と思って受け止めてもらえたら幸いです。
ということで、人生全体を見渡してこれからどう生きていくのかを考えてみるにはいい時期じゃないでしょうか?
◎そんなみなさまにお勧めですぞ。
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