弱い母を助けようとして育ってくると、助けが必要な問題児のパートナーを持つようになってしまう理由とその対処法。



親が問題児でその親を助けようとしてくると、それは才能レベルに磨かれる一方で、常に「助けが必要な人」を求めてしまうことになります。
しかも、親との癒着が切れてなければ、パートナーともしっかり癒着してしまうものなのです。

私の元夫はパーソナリティ障害だったようで、数々の虐待に耐え切れず、この度離婚の運びとなりました。

言動に一貫性が無く、嘘が多いです。
自己愛が強く、自分を否定する者には酷く攻撃的です。

長く苦しい歳月の中で、先生の著書は多数読ませて頂きました。

離婚という結論を出し、(先生の本を読みながら頑張って決断しました!)生活を分けたことで最悪の状況からは逃げ出すことが出来たと思います。

しかし、法的に子供の面会交流は避けて通ることが出来ず、今後も連絡を取らなければなりません。

あくまで業務連絡と思い、淡々と対応していますが、彼から病的なほど罵りの言葉が送られてきます。

頑張って離婚したのに…
まだこのような形で攻撃を受けるのか
と思うと、辛いです。
罵りに対してはとくに返信していません。

離婚の手続きが一段落しているので弁護士さんを頼ることはもう出来ず、自分で何とかしなければいけません。

やり取りを仲介してくれるような味方は見当たりません。

先生のブログや本のおかげで、彼から連絡が来ない日はそこそこ穏やかに暮らせるようになり自分の楽しいことや、気分が良くなる生活を徐々に取り戻せています。

しかし、彼から面会の連絡ついでに罵られると。
私の心は急転直下、どん底の気持ちになります。

サイコパスやパーソナリティ障害のような人との関わりを、どうしても避けられない状況にいる場合、心の防衛はどのようにするのが良いのでしょうか。

ちなみに私のことを少しお話ししますと、過干渉、ヒステリック、すぐ泣く弱い母の元に産まれた長女です。

自他共に認める(?)癒し系キャラで、激しく癒したい願望を持つ武闘派女子です。

なのでこういう心の脆い相手と関係を持ってしまったのはお決まりの流れだったように自覚しております…
(Hさん)

無事距離を取れているのはいいですねー。
面会の連絡についても弁護士を介することってできると思うんですけど無理なんでしょうか?お金はかかりますけどなるべく直接かかわらないようにするには大事なことだと思うのですが。

さて、Hさんもお察しのように「母」→「元夫」という流れがあるようで、ゆえに「弱い人につい深入りしてしまうパターン」のようなものがあるのかもしれません。

つまりはそういう人に寄り添ってしまうと言うか、近づきすぎてしまい、大変な思いをしてしまうんです。

母というのはやはり最も近い距離にある人で、人間関係の「基本」になるものです。

例えば、精神的に弱い母を側で支えてきた娘は、良くも悪くもそうした環境に慣れていて、母から自立して離れた後もなぜか「弱い人」に寄り添ってしまう(放っておけない)(助けようとする)癖を持ちます。

周りから見れば「なんでそんな人と一緒にいるの?」と思える状況でも、本人は「母」という“免疫”があるので、平気ではないけど一緒にいられてしまうんですね。

特に長女だとより距離が近くなって心理的に癒着してしまうくらいのこともあるものです。

「兄弟姉妹の心理学 弟がいる姉はなぜ幸せになれないのか」(WAVE出版)

問題のある母でも放っておけないですし、大好きな人でもありますから感情を共有してしまうわけです。

そういうわけで、育った環境がパートナーシップでも再現されやすいということになるんです。

>ちなみに私のことを少しお話ししますと、過干渉、ヒステリック、すぐ泣く弱い母の元に産まれた長女です。

そうするとやっぱり母との癒着問題があると思うんですよね。
元夫に母を投影してみている、というか。

そして、癒着があると「自分軸」を確立することが難しくなり、他人との間に境界線を引けなくなってしまうんですが、それが人間関係のパターンになるものです。

だから、パーソナリティ障がいの元夫と一緒にいてほんとうにしんどい思いをしていても、ただただ振り回されるだけになりやすいのです。

そこからちゃんと離婚して距離を置くことができたというのはほんとうに頑張ったと思いますし、素晴らしい決断ができたと思います。

しかし、そうはいってもパターンは継続するものです。

Hさんと似た状況にある人で、やっとのことで離婚したものの、その後も様々な嫌がらせとか暴言とかストーカー紛いのことで悩まされてた方がいました。

「離婚も成立してるんだからそんなのきっぱり線を引いちゃえばいいじゃない」とご本人も気づいているのですが、なぜか元夫に対して離婚してしまった罪悪感を持っていたり、「かわいそうな人だから」と情をかけてしまったりしていたんです。

やはり彼女は幼少期より母のみならず父のことも背負って来ており、デリカシーのない某カウンセラーに「やっぱ一流の武闘派女子ともなると常に負荷を背負って生活していた方がいいトレーニングになるって思っちゃうのよねえ」なんて言われておりました。

つまり、離婚が成立したからって癒着が切れるわけではないってことです。

が、離婚することによって癒着が“切りやすく”はなっていますから、改めてその作業に取り掛かられることをお勧めしたいのです。

「私は私、母は母」
「私は私、夫は夫」

自分の中できちんと線引きをしていきます。

場合によっては「母の人生は母のもの。私のものではない。私には私の人生がある。」という風な文言を追加して、少々“突き放す”感じにした方がいい場合もあります。

離婚して一応生活の安全が保障された場に移られていると思いますから、そこから母、元夫を手放す、癒着を切るということをやっていくのがお勧めです。

「もう傷つきたくない」あなたが執着を手放して「幸せ」になる本」(学研プラス)
*セミナーDVD『本気の手放しワーク』

一応、こんな本や動画もあるのですが、始めは本から手を付けたほうが確実かもしれません。

癒着がきつい場合は動画で手放しワークに取り組んでもなかなかイメージが追い付かなかったり、感情が伴わない形だけのワークになりがちなものです。

だから、頭で理解することも大事なので本を読んでもらい、ワークもやってみて、そこから動画を見られる方が有効かと思われます。

とはいえ、やっぱり一人で取り組むのは難解だと思うので、カウンセリングを定期的に利用されることもお勧めしたいものです。

その分、スピードは早いし、得られるものも大きいものですから。

さて、

>自他共に認める(?)癒し系キャラで、激しく癒したい願望を持つ武闘派女子です。

ということで、たぶん、それはHさんの才能なんじゃないかと思うのですが、それ故に、元夫に対する“情”も気になるところですね。

癒着癖がある人は同様に助けたい症候群に陥ることも多いのですが(だから離婚したあとに罪悪感が出てきてしまう)、しかし、癒着しているということは距離が近すぎるということで、「助けたいけど助けられない」という状態になります。

また、癒したい願望が強ければ、その願望を満たしてくれる人が必要になりますから、せっかく虐待夫を手放したのに、再び新たな問題児に近付いてしまいやすくなります。

だから、私なんぞは「それは仕事にした方がええで」という風に考えるものです。

仕事にした方が線引きがしやすくなりますから。

とはいえ、今度はクライアントさんと癒着しやすくなるものですから、母→元夫という癒着の系譜はきちんと処理しておいた方がいいのは言うまでもありません。

また、「激しく癒したい願望」は素晴らしいものですが、ひねくれた見方をすれば「癒されたい私」がいるんじゃないか?という推測もできるものです。

「助けたい症候群」という人たちがいて、いろんな人を助けたいと思って助けようとしてそんな活動をしているのですが、実はそれは「投影」で、本心では「自分が助かりたい」と思っているものです。

例えば、私のクライアントさんにも助けが必要な人ばかりに恋をする男女がいらっしゃるわけですけれど、「助ける側」の役割にハマっている一方で、実は「助けられたい自分」がいて、しかも「助けられたいけど助けを受け取れない問題」を持っていることも珍しくないものです。

助けたい症候群の人たちは「自分がまず相手を助けて、そしたら、相手に自分を助けてもらう」という戦略を密かに立てているんです。

しかし、「まず相手を助けて」の部分でけっこう失敗してしまうので、隠し持っている助けられたい欲求が全然満たされないまま、次の恋に移行するんです。

よくカウンセラー業界では「癒され上手が癒し上手」という言われ方をするのですが、自分がまず癒されてなければ、クライアントさんを癒すことなんてできないってことです。

「癒し」を与える人が傷だらけでボロボロだったらどう思います?
相手はすごく気を遣うと思いません?

また、自分が癒しを体験していなければ、見知らぬものを相手に与えようとしてしまうことになりますけど、それって可能だと思います?

だから、まず「自分に癒しを与える」ということが大事なのです。

もちろん、完全に癒しきる必要などはなく、癒しを体験していれば大丈夫なのですが、助けたい症候群の方々は自分のことはそっちのけで相手を助けようとしていますので、癒される体験(助けられる体験)ができないので、相手に与えられなくなってしまうのです。

※この辺、けっこう日本語がフクザツなので何度も読み返して理解してもらえるとありがたいです。

ということで、Hさんには、母や元夫、もしかすると他にも問題児と関わって来られたかもしれませんが、そうして背負ってしまった心の傷を「誰かに助けさせてあげる」という経験をしてみたほうがいいでしょう。

そうすることでその願望を実現させることができるようになりますね。

さて、そうして自分に癒しを与えつつ、自分軸を確立していくわけですが、母の影響を処理できるようになれば、元夫に対する態度も大いに変わってくるでしょう。

相手が暴言を吐いてきても「きもっ」と思うだけで、淡々と対応できるようになるでしょうし、まあ、現実的には心理的距離がきちんと保たれれば、そんな暴言を吐いてくることも少なくなっていきます。

そして、同時に「癒しを仕事にする」と決めることが出来れば、プライベートではそれを求める必要がなくなりますから、付き合う人、出会う人も変わっていくでしょう。

>新書版『なぜ、あなたは他人の目が気になるのか?』(フォレスト出版)

『人のために頑張りすぎて疲れたときに読む本』(大和書房)

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