アーティスト気質な方が抱える社会への怖れ。その解決のために役立つ自分軸、与える意識、男性性について。



アーティスト気質な方は感受性が豊かで感覚・感情的なスタイルを好むので、男性性が優位な社会に対しては怖れを抱きやすいものです。
そこで留まってしまうことも少なくないので、そこを越えてライフワークに至るまえのプロセスを描いてみようと思う次第です。

いつもお世話になっております。ライフワーク関連の慢性的な問題についてのネタを送らせていただきます。

歌をライフワークの軸にしたいと思っているのですが、人に聞いて評価されることが怖くて中々動けません。年に数回、youtubeにカバー曲の動画を上げていますが、本当はもっと投稿頻度を上げたいのにあれこれ理由をつけて先延ばしにしてしまいます。

先日友人に、今作業中の動画いつアップするの、今週の土曜までに上げな。と期限を決められてしまい、すごく嫌な気持ちになりました。バンジージャンプの飛び込み台(?)の端で、怖くて尻込みしているところを無理矢理後ろから押されてるような気分でした。もともと、目標や期限よりそのときの感情優先な性格です。

ずっと誰かに助けてほしい、背中を「優しく」押してほしいというニーズを持っていましたが、今回のように強制されると、それなら自分でバンジーするから触るな!という気持ちになります。

自分の成功への怖れ、恥ずかしさ、自信の無さにもみくちゃにされ、何のために歌うんだっけ?人に聞いてもらう必要があるんだっけ?とわけが分からなくなっています。

何か解決の糸口をご教授いただければ幸いです。
(Kさん)

たぶん似たような思いを持つクリエイターorアーティスト気質をお持ちの方ってきっと多いと思うんですよねー。

Kさんと全く同じご相談を受けたこともありますし、「歌」に限らず、絵、写真もそうだし、カウンセラーとか起業の話でもよくあります。

○○をライフワークにしたい!
→けど、他人の評価が気になる!怖い!
→だからなかなか作品をアップできない!
→どうしたらいい?

という定型文が存在するようです。

そもそも「本気でやりたいこと」であればあるほど「怖い」という思いは強くなります。

分かりやすく言えば「大本命の彼女に告白するのはバンジージャンプよりはるかに怖いよね?」という話です。

だからKさんがそれくらい歌が大事で、歌が好きで、歌で生きて行きたい思いが強いのだろうと思うわけです。

それにアーティスト気質の方はアーティストなだけに「感情・感覚優先」なものですから、「怖い!」と思ってしまったら尻込みしてしまって動けなくなるものです。

そうすると経験が積めないから自信も付かず、前に進みたいから焦りばかりが募り、頭では「もっと頻繁にアップしなよ」と分かっていても動けない自分にイライラするものです。

そして、そのイライラが周りの友達や仲間に伝播して、今度は周りもイライラし始めるので人間関係もぐちゃぐちゃになります。

その結果、「じゃあ、やらねぇよ!もうやめてやるよ!」という本来の方向とは逆に向かうのですが、もちろん話はここで終わりません。

それでもやりたい気持ちともう無理じゃねぇか?という気持ちが交錯してモヤモヤしっぱなしで、それならさっさと動けよ!と自分に鞭を入れるわけですが、それでもなかなか動けない自分に自分自身が幻滅し、そうして繰り返される葛藤に自分自身が嫌気をさして、その状況から逃げるようにやめてしまうものです。

その辺になってくると下手をすると歌うこと自体が嫌になっていたり、歌いはするものの気持ちが入らず自分でも完成度に満足できないし、そもそも何のために歌うのかも分からなくなってくるのでパニックになっていきます。

とはいえ、その頃には友達にも相談できず(関係が悪化してるから)、かと言ってどうにもできず、もちろん、日々の仕事にも身が入らず、「何してるんやろ?」と自問自答の日々になっていくものですね。

そのイライラから周りの人に当たり散らしてしまう人もいれば、引きこもって歌とは関係ないことに時間を費やしてしまう人もいます。

・・・ということで、Kさんや同志の皆さんにも思い当たるところが多々あるかと思うのですが、何が問題かというと、Kさん自身もお気づきかと思いますが、まだまだ軸が定まってないってことなのです。

「歌が好き」というのは本気だけど、「歌をライフワークにする」ということは本気になれてないのです。

「歌をライフワークにする」ということがまだまだ遠い未来のように感じられていて、現実感がないのですね。

失敗する怖れや成功する怖れなどの方が圧倒的に強いのですが、「失敗しない確実な方法はチャレンジしないことだ」という法則に従ってしまってる自分がいるんです。

それを「自分に甘い」と表現する人もいますけれど、まあ、誰にでもあることなので無理ないわけです。

他人の評価が気になるってのも、また、誰かに優しく背中を押してほしい、というのも、依存心であり他人軸で、「ああ言えばこう言う」という状態になっていませんか?

友達から何か言われたらカチンと来てしまうし、一方、何も言われないことにも不満を持ちます。そこでも自分に都合が良い状態を願います。

ある日突然すでにアップしている歌の再生回数が激伸びする、みたいな他力本願的な思いはありません?

こうした問題ってのは私もたくさん見ていますけれど、ひとつには「感情と社会性の分離」というテーマが出てきます。

アーティスト気質な人は必ず持つと言っていいもので、自分の感情・感覚・感性を活かして生きて行きたい自分がいる一方で、その自分が社会に対して受け入れらる感覚がないのです。

だから、アーティスト気質な方々はよく「生き辛さ」を感じます。
自分が社会に受け入れられてないような、否定されているような感じがしているので、社会から無意識に距離を置き、怖れの対象として社会を見るようになるんですね。

ところがマンションの一室の防音室で好きなように歌を歌っていれば満足ではなく、その社会に認められたい気持ちもあるので、そこが強い葛藤となります。

つまりKさんにとって一つのテーマは「社会は敵である」という観念を手放すことでもあります。

評価されること、もっと言えば批判されることが怖い、ということは、社会を敵だと見ている自分がいるんです。

もちろんそれは実際に社会が敵なのではなく、自分の内側の怖れを社会に投影しているので、自分の中にある怖れや敵対心、反発心、競争心などが問題となります。

そこから掘り下げれば「お父さんとは仲良し?お母さんからの愛情、受け取れてる?」というテーマにもなるんです。

両親(特に父親)というのは社会のシンボルとして子どもには映りますから。

で、誰でもそうなっちゃうので、とりあえずは「外」ではなく「内」に目を向けましょう、ということ、そして、あるものを「手放す」という意識を持つことを勧めています。

まず、動画を収録するのではなく、自分が歌いたい歌を歌いたいように歌う機会を増やしましょう。

動画をアップすることを目的とするのではなく、純粋に歌が好きで、歌うことが気持ちよくて、歌うことがほんとうに幸せだということを自分に実感させてあげます。

つまり「歌うことをもっと純粋に楽しんでみませんか?」というのが一つ。

そこで改めて「歌が好きだなあ。歌で生きて行きたいなあ。歌をもっと大切にしたいなあ」ということを思い出します。

先ほど怖れから夢をあきらめてしまう話を書きましたけど、他人軸になって外ばかり見ていると、歌が好きな気持ちも見えなくなっちゃうんです。

それって「大切なものを自ら傷つける」ということになりますよね。

せっかくそこまで好きになれたものを自分の怖れから否定し、傷つけ、嫌いになっちゃうのはほんとうにもったいないです。

恋愛に置き換えれば「大好きな彼女に暴言吐いたり、依存心見せたりして嫌われる努力をする」みたいなものです。

怖れ、に目を向けるのではなく、好き、に目を向けられる時間を作ることが大事なのです。

こうして自分の「軸」を固めていきます。

やっぱ歌をライフワークにしたい!という思いをより強めていくんですね。

これがまずは第一段階。

そして、次は「この歌を誰に聞かせたいか?誰に届けたいか?」を真剣に考えます。
ここはものすごく真剣に考えたほうがいいです。
なぜならば、ここで「覚悟」が決まるからです。
多くの人が詰まるのはここなのです。

それは「与える意識」です。

ライフワークになるようなことって必ず「与える」という意識が芽生えますし、必須です。

私たちは自分ひとりのためよりも、誰かのための方が頑張れます。
目の前にそびえたつ壁も、自分のためなら躊躇しちゃうけど、誰かのためならばなんとしてでも乗り越えたいと思います。

この「与える意識」を作ることがたぶん今のKさんの最大の課題でしょう。

ここに本気になれることができれば、他人からの評価も今ほど気にならなくなりますし、更新頻度もあげられます。

だからこそ「誰」を明確にしていくことが大事なんですね。

でも、結局のところ、この「誰」というのは身近な人が多いのです。

母親を元気づけたい、とか、友達を笑顔にしたい、とか。

「悩んでる人を元気にしたい」と思うこともあるかもしれませんが、その「悩んでる人」を突き詰めて行ったら「母親」だったりするわけです。

そして、もう一つあるのが「誰=かつての自分」。これはほんとよくあります。

「人生に迷っていた自分が歌うことで救われたから、同じように人生に迷っている人を歌で救いたい」という思いも、人生に迷っている人にかつての自分を見ているわけです。

つまり、自分を愛する、ということになるのですね。
要するに、実に自己肯定感が大事ってことです。

・・・とまあ、ありきたりな結論になっちまいますけれど。

この誰かのために、というのが明確になるとエネルギーが湧いてきます。

そして、この部分ってのは実は「男性性」が非常に重要になるんですね。

だから、女性性が豊かな方ほどここで引っ掛かるし、躊躇してしまうんですね。

この「与える意識」「乗り越える力」「前に進む力」「決断力」などは男性性がもたらしてくれるものです。

ちなみにあまり好まないことかもしれませんが、その男性性を自分が育てることに抵抗があったり、難しさを感じたりする場合は、そこを誰かに委託することもできます。

自分は歌を歌い、それを世に出すのは誰かに任せる、というわけです。

ただ、その場合は「任せる」わけですから「サレンダー」であり、その点においては相手に従うことが大事です。

「この日までに動画をアップせよ」という指示に対して「いえーす!!」と答える必要があるんですな。

女性性と男性性は本来ならば手を取り合い、1+1を3にも4にもする関係性なのですが、多くの場合は対立構造が生まれるものです。

私はアーティストな方々からご相談を受けることがあるんですけど、自由に好きなように創造したい女性性豊かなアーティストさんからすれば、期日が決まり、場所も決まり、内容もある程度定められ、作品の締め切りがある男性性的なマネージャー・主催者・会社の方針は嫌悪の対象になります。

でも、自分が社会(=男性性)に適応できず、誰かにお任せするしかないとすれば、自分が自分らしい創作活動を続けるために、そうした男性性とwin-winな関係を築いていくのがベストなわけですね。

ここで、男性性は苦手、でも、その部分を誰かに任せるのも嫌だ、となるのもアリですが、そうするとやっぱり「個人的趣味」の領域を出なくなりますから、「気が向いたときに知り合いの店で歌ってお小遣いを稼ぐこと」はできたとしても、「全国各地をライブして巡る」ということはなかなか難しくなってしまいそうです。

だから、歌をライフワークにするってことは、歌をどのくらいの位置に置きたいか?も検討事項になりますね。

好きな時に好きなように歌を歌えるのが幸せなのか、それともいろんな人に自分の歌を届けることがやりたいことなのか?

そのサイズ感で、ライフワークデザインも変わってくると思います。

なのでやっぱり「自分はどうしたいの?」という点がとても大事になりますね。

さて、王道な解説をしたあとはもう少し下世話な話をしていきたいと思う次第です。

アーティストの中には「有名になりたい」「異性にモテたい」「金持ちになっていい車に乗りたい」といった強い欲求をベースに頑張ってる方が少なくないのですが、この欲を持つことも実は大事なモチベーションになります。

先ほどは「誰かのためにそびえたつ壁を越える」というきれいな表現をしましたけれど、「自分の欲のために壁を突き抜ける」という分かりやすい方法論もあります。

「歌で金を稼いで有名になってチヤホヤされて、いい車に乗っていい女を抱いて港区の高級マンションに住むぞ!」という目的が悪いわけじゃないんです。

それに情熱を感じるのであれば、そこに向けて突き進めば良いのですね。

とはいえ、こうした欲もけっこう男性性が作用することが多いのは事実ですけれど。

ということで、Kさんにとっては「軸」「与える」「男性性」という3点が大きなポイントかなと思って解説させていただきました。

「もし、自分がほんとうに歌をライフワークにしたいのであれば、必ずこの状況を変えることができるし、自分が望むスタイルで歌を歌い続けることができる」という言葉を最後に送りたいと思います。

ほんとの意味で「自分を試す」ということです。

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