気合を入れた結婚式で夫が褒めてくれなかったことに愕然とする花嫁の心の中には妹への根深い劣等感があった、という話。



姉妹のような非常に近い距離感の相手に劣等感を持つと、あらゆるものが「他人軸」になってしまい、自分の魅力や価値を全く受け取れずに自信が持てなくなります。
だからこそ、そこは気合を入れて「自分軸」を取り戻すことがとても大切なのですが・・・。

先生こんにちは。自分の結婚式の日に見事闇落ちした迷える自武女です。最高な思い出と同時に最低な思い出まで作ってしまいました…

発端は式が終わり、家で写真をみながら私が夫に「やっぱり私より妹の方が可愛いかな?」と聞いた事です。
すると夫は口籠るので、はっきり申してみろ!とヤケになった所、曰く「系統が違う。確かに妹は可愛いけど妻ちゃんは可愛くはない」と言い放ちやがりました。
多分、妹は可愛い系で私は綺麗系だと言いたかったのかと。
でもドレス姿に綺麗だという言葉は無かったし、そもそも普段から全然褒めてくれないし。今日のために綺麗になるべく努力を重ねてきたのにこのザマかと。
虚しくなってしまい、その夜から家庭内籠城を開始した次第です。

諸悪の根源は、異常なまでの妹への劣等感です。
何一つ勝てないと思って生きてきたし、私が可愛くないのは知っているし、惨めで消えたくなるから同じ空間にいたくない。
ただこの日だけは、夫にだけは、「妻ちゃんが一番綺麗で可愛いよ」と言って欲しかった。
…いや、いざ言われたら、薄っぺらい戯言などいらぬ本音を言え!と捲し立てたんだろうなあ。可愛くないと言わせたい誘導尋問の自作自演ですね。

私がどうしたいのか?ですが、誰がなんと言おうと思おうと、私は最高の女♡と凛としていられる人になりたい。
夫に言って欲しかった言葉は自分が自分に言ってあげたい言葉なんですよね。
それができてから夫からも褒められるようになって、受け取れるようになりたい。
ついでに式の為に9キロ痩せたので先生にも褒めて欲しいです笑

需要がありそうでしたら、ネタとして供養していただけると幸いです。
(Nさん)

おめでとうございます~!!
まあ、結婚式当日に問題が起きると言うのも意外とあるみたいで、「結婚式に元カノが忍び込んでいた事件」とか「夫の借金が発覚事件」とか「酔った実父が爆弾発言事件」とか、さすがは武闘派女子のみなさま。常にネタを求めていらっしゃるところは芸人並みの嗅覚かと思う次第です。

それに9kgもダイエットされたんですか?それはすごい。ぜひ、この機会に水着だけじゃなくヌードも撮っておくといい記念になると思いますっ!

結婚式のためにエステに通ってお肌をぴかぴかにし、日常+結婚式準備で忙殺されつつもきれいに見せるためにダイエットを敢行する横で、夫はごく普通の日常を送るべくビールなんかをぐびぐび飲んでると思わず殺意とか湧きますよね?笑

「この晴れの日のために」と気合を入れた分だけ、夫の態度にイライラするのは武闘派花嫁としてのサガでして、その後の結婚生活に不信と不安と不満を抱えてしまうことでしょう。

で、Nさんの場合、聡い方だけあってもう十分理解されてるようです。

>夫に言って欲しかった言葉は自分が自分に言ってあげたい言葉なんですよね。

そういうこと。
ほんまそれ。

そもそも普段から褒めない彼が結婚式当日に限り褒めてくれるなんてことはありえないわけで、「彼のためにこれだけ頑張ったのにー!」と鼻息を荒くしても、言えないものは言えないわけですな。

それで無理無体に彼から誉め言葉を引っ張り出そうとしても、ふだん言い慣れてない分だけ、「ハニー。今日のお前は世界で一番輝いてるぜ」なんて歯の浮くような誉め言葉など出てくるはずはなく、期待値の1万分の1くらいのセリフが返ってきて「は?なにそれ?それでも褒めてるつもり?」と怒りの炎が自然発火することになるわけです。

そもそも普段から褒めまくるような彼だったらNさんは彼を選んでいたんでしょうか?

男から褒められた時の自分の態度をざっくり振り返ってみてください。

「は?本気で言うてんの?エビデンスは?何を根拠に言うてるわけ?」と詰め寄ってみたり、
「そんな簡単に褒めるような男は信用できひんわ!」と突っぱねてみたり、
「・・・・。」と恥ずかしくてスルーしてしまったり、
「あ、あ、ありがとう」と棒読みで反応してみたりしてません?

そもそも受け取ることが苦手なんじゃないかと。

逆に言えば、彼があまり褒めない、不器用な男だからこそ、「こいつは信用できる」と思ったんじゃないかな、と思うのですがいかがでしょうか?

ということで、本題である妹との葛藤についてお話して参りましょう。

姉妹というのは仲良ければ親友みたいになる一方で、仲違いすれば世界で一番の敵になる存在で、ほんま難しいところがあります。

年が近ければなおさらで、いい意味でも悪い意味でもライバルとなりますから、一度コンプレックスを抱えたらそれがずーっと尾を引くことも少なくないものです。

よく恋愛や人間関係の問題で「親子関係」が注目されるのですが、時には親子以上に姉妹の問題が大きいと感じるケースも少なくありません。

>諸悪の根源は、異常なまでの妹への劣等感です。
>何一つ勝てないと思って生きてきたし、私が可愛くないのは知っているし、惨めで消えたくなるから同じ空間にいたくない。

ってことで、ここですねー。

姉としては妹に負けてると思うのは屈辱以外の何物でもありませんし、おそらく長い歴史を伴うものでもありますから、それはもう確定事項のように捉えられてしまっているんじゃないでしょうか?

かつて私のクライアントさんに「お姉ちゃん、ほんときれいね」と周りから言われ続けて育った妹がいまして、ずーっと「あたしはきれいじゃない」と思い込んだ結果、ロクな恋愛ができなかったんですよね。

確かにお姉ちゃんはきれい系のいわゆるモデル体型でしっかり者。
対する妹はかわいい系の明るくて面白い、癒しキャラ。

彼女は「きれいであること」に相当劣等感を持っていました。

だから、カウンセラーに「え?あんただってかわいいじゃん。全然イケるよ」なんて言われても「は?お前何言ってんの?表出よか?」とすぐにキレてしまうんですね。

実際、ネチネチと事情聴取してみれば周りから褒められることも多いみたいなのですが、そのすべてを鉄壁のブロックで拒否されてきたのです。

まあ、自分の中で決めてしまっていたわけですね。

「あたしよりお姉ちゃんの方が上」だと。

だから、誰かに褒められたり、何かで成果をあげたりしても、「姉の方がもっといい」「姉の方がもっといい結果出せてる」としか思えなかったわけです。

その後、その妹ちゃんはかわいそうなことに、カウンセラーから「シスコン」という命名を受けまして、会うたびに「よぉ、シスコン。相変わらず、可愛いねえ~」と言われ続けることで徐々に自分の価値を受け取り始めました。

それだけお姉ちゃんに競争意識を持つということは、それだけお姉ちゃんのことが好きだし、目標だし、憧れだ、ということです。

その結果、お姉ちゃんに対して「自分軸」を確立することができるようになりました。

つまり、「姉には姉の魅力がもちろんあって素晴らしい女性で大好きだけど、私には私の魅力があって、それは比べられるもんじゃないんだよね?」という真理を彼女は受け入れ始めたんです。

そしたら、姉とは違う自分の可愛さみたいなものに自信を持てるようになりまして、男からもモテるようになっていったんですな。っていうか、元々モテてたのですが、彼女が無敵のアタックで撃破してただけなんですけどね。

ということで、とある事例を紹介したのですが、これ、Nさんのことでもありますからね?姉と妹と立場は逆だけど、心理的にはかなり似通ったものがあるはずです。

ちなみに私のクライアントさんやスタッフには「次女」という生き物も多く、姉との葛藤の結果、その性格が著しくひんま・・・(一瞬、背筋に殺意を覚えたもので発言は控えさせていただきとうございます。)

さて、気を取り直しまして、Nさんの話。

妹に何一つ勝てないと思い込んでしまっているNさんとしては、自分の魅力や成果を知ることになったとしても、「妹だったらもっとすごい」と思ってしまうクセがあるわけです。

だからこそ、結婚式くらいは妹より輝きたいと思うものゆえに気合が入り、そして、期待も大いに膨らむので、旦那の態度に意気消沈してしまうわけです。
「結婚式くらいは・・・」という悲壮感があったんです。

でも、それくらい妹を意識してしまうというのは、もうこれは恋愛感情と言ってもいいんですな。

「クラスのめっちゃ気になる男の子」を密かに監視し続けるような、話し掛けるのは勇気が要るけどいつも校門のところで彼を待ってしまうような、家を突き止めて休日に目いっぱいおしゃれして偶然の出会いを期待するような・・・。(今の読者の皆さんはすっかり忘れてると思いますが、そんな純粋な時代があったんですよね???)

だから、妹をすべての価値基準に持ってきてしまうくらい、シスコンだというわけです。妹のことが大好き!!なわけです。

まずは神妙にお縄を頂戴してそのことを認めなきゃいけませぬ。

そもそも「妹のことが好き」と認めることにも抵抗があるんじゃないでしょうか?
ていうか、Nさん、旦那さんのことも大好きですもんねー。それもまた素直に認められないんじゃないでしょうか。

さて、妹のことが好き過ぎるから、妹がすべての基準になってしまいます。

妹が可愛いなら「可愛いが最強。」と思うし、
妹が成績優秀なら「勉強できるのが最強。」と思うし、
妹の方が親から愛されてると思えば「親からは愛されるべし!」と思うし、
妹にすべて負けてると思うから、褒められてもそれは「ウソ」だと思うし。

そして、自分を妹よりも一歩も二歩も下に置くんです。

でも、これ、やっぱり「他人軸」なんですよね。「妹軸」。

自分がない、のです。

あたしはあたし、妹は妹。

妹には妹の魅力があるわけで、それは姉である自分がめちゃくちゃよく知ってるわけですが、あたしにもあたしの魅力があるわけで、それは妹と比べられるものではありません。

言ってみれば「サッカーと野球とどっちが好き?」とか「カレーとラーメンとどっちが好き?」という質問と同じで、もうそれは気分というか好みなんですよね。

比べられるもんじゃないんです。

でも、好き過ぎて、可愛すぎたりすると、妹と自分を線引きするのもちょっと寂しいんですよね。

でも、そこは自分自身の名誉のために頑張りたいところです。

先ほどのシスコンな妹の話なのですが、カウンセリングを進めていく上である提案をしてみました。

それは姉に愛の告白をし、ずっと姉に劣等感を覚えてることを伝えるということ。

これはいわゆる「競争を手放して相手を信頼する」という偉大なるプロセスでして、それを彼女に敢行してもらったわけです。

すると姉からはいろいろと信じられない言葉が返ってきました。

「あんたは可愛らしくていいな、と思ってた」とか「親から期待されてしんどかったから、自由なあんたが羨ましかった」とか「あたしのこと避けてるのは知ってたけど、ずっと気にかけてきた」とか諸々。

姉の中にある葛藤もいろいろと聞いて、ますますお姉ちゃんのことが大好きになったそうです。

もちろん、すべての姉妹がこんなうまく行くとは限らないんですけど、Nさんも一人で抱え込んでいないで妹にその劣等感を告白してみてはいかがでしょうか?

もちろんすぐにとは言わないですけれど、劣等感を覚えてる側ってかなり自分本位な決め付けをしてることも多いので、誤解もたくさん生まれてると思うんですよね。

まあ、次女ってのは性格が(検閲削除検閲削除検閲削除検閲削除検閲削除検閲削除検閲削除検閲削除)なところがあるので素直に話ができるかどうかは分かりませんが、長女もたいがいなのでお互い様ですわな。

そうして「軸」を自分に取り戻していくのです。

もちろん、ほかにもやり方はたくさんありますので、妹と対決しなければ物事が進まないってわけではありません。

自分の軸にどっかり座っている妹を、ちゃんと妹の席に座らせてあげて、その軸には自分が座るのです。

「私はどう思うのか?」
「私は何者なのか?」
「私の魅力は何なのか?」

そうやって「主語」を明確にして意識を自分に向けるんです。

私は私、だから。

そうすると、自分が唯一無二の存在で、欠点もあるけど魅力だってたくさんある女だと意識できるようになります。

そしたら、「私は最高の女よね。そんな女を妻にできたあなたは幸せもんでしょ?ウン、と言いなさい。はい。OK!チュッ」という儀式を毎朝できるようになりますね。

つまり、夫が褒めてくれようが、相変わらずモゴモゴ言ってようが、夫の態度に関係なく、自分に自信を持てるようになるのです。

★自分軸を取り戻すための本と動画。

>新書版『なぜ、あなたは他人の目が気になるのか?』(フォレスト出版)

『人のために頑張りすぎて疲れたときに読む本』(大和書房)

「敏感すぎるあなたが人付き合いで疲れない方法」(フォレスト出版)

講演会「人のために頑張りすぎて疲れた時に読む本」出版記念講演会


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きょうだいに劣等感を持ってると意外と問題が深くなる話。
 


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