私たちは客観的に自分を見ているようで、実に主観的に自分のことを判断している。



私たちは自分が持つ「思い込み」によって、自分を厳しく判断し「否定的」に自分のことを見ています。
そして、その証拠を集め、あたかも客観的な判断のように振る舞います。
そうするとその思い込みに従った現実が目の前に現れるのです。

根本先生、初めまして。自己肯定感で検索してこちらのブログに辿り着きました。

私は、26歳ですが、幼稚な自分に自信がもてません。

仕事や恋愛、人間関係において、自分のことで精一杯で人の気持ちがわからなくて、人を思いやることができない。自分が何かを人に与えるということができないんです。

私は一人っ子として過保護な両親に溺愛され甘やかされて育ちました。
大学生の時母は心の病気になり、共依存状態になり、私は現在一人暮らしをしています。(母は治ってません)一人暮らしをすれば何か変わるかもと思いましたが孤立しただけで何も変わりません。

学生時代は自惚れて人を見下したり、自己中心的でしたが、妹キャラ(?)と成績がトップだったことで先生や面倒見の良い子に助けてもらってばかりでした。

また、いい歳して恋愛経験がほぼ無く自分から人を好きになれません。好意を持ってくれた人も、自分の稚拙さ故、酷く傷つけた経験があるのみです。

この先、仕事で昇進したり結婚・子育てをしたりといった、一人の女として生きていくことができる気が全くしないのです。何をしても自分のする事は幼くどこか間違っている気がします。

因みに見た目も幼く、体重は30キロ代、極度の貧乳故に女性性?みたいなのにも全然自信がありません。。泣

いつかは誰かを愛したいし結婚したいし子供を育てたいですが、もう手遅れな気がします。どうしたら良いでしょうか。
(Aさん)

(小声で)あのー、26歳で「いい歳して」とか言われると、うちのBBA読者たちが「この小娘が!」と暴動を起こす可能性がありますので、セミナー等ではそのような控えられた方が良いかと思います。

・・・さて、みなさん!何がポイントかというと、「自分がそう思うと、そうじゃなくてもそう思えてくる」というところです。

Aさんが自分のことを「幼稚だ」と思い、「○○ができない」と思い、「手遅れ」と思うと、仮に「そんなことないんじゃないの?」と思う人が現れたとしても、「ううん、違うの!私はほんと幼稚なの!」と自己主張を繰り返すようになります。

そういう風に決め付けることを心理学では「判断(ジャッジメント)」と言います。

そして、私たちは「私は○○だ」と自分で自分を判断しまくって、時に否定的なアイデンティティを確立して行きます。

さらに、そのアイデンティティに基づいて行動するので、やはり「私は○○だ」と思い込む事例が次々と生まれてきます。

「人は見たいように物事を見る」のです。

「あの人は見た目は優しいけど、実はすごく冷たい人で、毎日カエルをいじめて生きてるらしいよ」なんて話を聞いたら、それまで好意的に見ていた人が、実は極悪人のように見えて来たりします。

Aさんに限らず、「私のここがダメだ」と思い込んでしまうと、まるでそのことを証明するようにダメな証拠ばかりを見つけて集めて自慢する(?)ようになってしまいます。

なので例えば誰かが「Aさん、まだまだ手遅れなんかじゃないよ!」と言ってくれたとしても全然受け入れられません。

「気休めで言ってくれたんだわ」
「情けをかけてくれてるんだわ」
「嘘をついてるに決まってる」

そんな風に思い込みます。

ほんとうは手遅れなことなんてほとんどないんですけど、自分がそう思い込んでいると、どうしたって手遅れにしか思えないんですね。

だから、その思い込みを変えていく必要があるんです。

「Aさん、まだまだ手遅れなんかじゃないよ!」ってひとりの人に言われても、さっきのように「そんなことないもん!」と思っちゃうでしょう?

じゃあ、10人に連続して言われたらどう?
じゃあ、100人に言われたらどう?

ちょっと心は揺らぐしょうか?

では、999人の人が「そんなことないよ!」って言ってくれたんだけど、たった1人の人が「確かに手遅れかもね」と言ったらどう思う?

ええ、もし、その思い込みがまだ残っているとしたら、999人の意見ではなく、そのたった1人の意見に私たちは惑わされてしまうんです。

「1000人のうち、ほんとうのことを言ってくれてるのは1人だけだ!」とばかりにね。

全部が全部そうではないのですが、それくらい私たちの思い込みは強いのです。

自己肯定感という話をすれば、「私はダメだ」と自分を否定しているとするならば、それを覆すような友達の発言も、自分が出した結果も、すべて「ダメ」に見えてきます。

なぜならば「私はダメだ」と“決めている”からです。

以前、たいへん自己否定が強い方を長い間セッションしていました。
(長い間セッションするということは、それくらいカウンセリングの効果が出にくかったということですけどね)

彼女の発言の経緯をざっくりまとめてみるとこんな感じです。
(だいたい、最初から最後まで1年半くらいです)

「私なんて女としての魅力が何もないから誰も好きになってくれない」

「この間、知り合った男の人だってたぶん遊びに決まってる」

「付き合おうって言ってくれたけど、きっと私をからかってんだと思う」

「付き合うことにしたけど、きっとすぐにダメになると思う」

「今はお付き合いできてるけど、たぶん来月には別れてると思う」

「プロポーズされたけど、きっとすぐに破棄されるに決まってる」

「今度彼の両親に会うんですけど、きっと結婚を反対されるはず」

「なんか両親も気に入ってくれて、彼も幸せそうで、なんかおかしい」

「私の両親もすごく喜んでくれて、私だけ幸せ気分じゃなくて悔しい」

「なんか私、みんなに愛されてきたのかもと最近思うようになった」

「ウェディングドレスを試着したらみんなにすごくきれいって言われた」

「彼が私のウェディングドレス姿を見てずっとニヤニヤしてて、もしかしてこの人、私のこと好きなのかもと思った」

「とても素敵な結婚式で、みんなにお祝いしてもらってすごく幸せだった」

「ところで根本先生、御祝儀まだもらってないんですけど?」

ちなみに彼女のように自己否定的発言を繰り返す方に対しては「へー、そうなんだー。そう思っちゃうんだねー」と気のない返事をしたり、「まあ、○○ちゃんはそういう風に自分を否定するのが趣味だもんねえ」と言ったりして、ヒンシュクを大いに買うことが得意な私です(笑)

で、そんなAさんの発言をひとつひとつ論破していくことも可能なのですけれど、論破したところで感情が付いてこないので、ただ「ふーん」と読み進めて頂ければ幸いです。

>仕事や恋愛、人間関係において、自分のことで精一杯で人の気持ちがわからなくて、人を思いやることができない。自分が何かを人に与えるということができないんです。

そういう風に感じる人って、「人の気持ちが分かる人」で「思いやりがある人」で「与えたい人、与えられる人」だけなんですけどね。

人の気持ちがほんとうに分からない人は、人の気持ちが分かるってことに興味を持たないです。
与えられる人だけが、自分は十分人に与えられてない、と思います。

似たようなケースは他にもいっぱいあります。

頑張っている人だけが「私は全然頑張ってない」と言い、
ちゃんとしてる人だけが「私は全然ちゃんとできてない」と言い、
優しい人だけが「私は優しくない」と言います。

人の気持ちが分からない、というのを正確に表現するならば「自分が思うほどに、人の気持ちを分かってあげられない」という意味です。

人を思いやれない、というのも「自分が思うほどに、人を思いやれない」という意味です。

つまり、自分が無自覚に設定している基準に達していないので「私はダメだ」と判断してしまうわけです。

それを「自分が自分に期待している状態」と言います。

例えば、金メダルを獲るくらいの実力がある人が残念ながら銅メダルに終わったとします。
ものすごく悔しいでしょう。自分はダメだ、と否定するでしょう。

しかし、よくて6位入賞だ、と思っていた人が銅メダルを獲ったら、「俺、すげー!よくやった!めちゃくちゃすごい!」と自信になるでしょう。

同じ銅メダルという成績であったとしても、自分が自分にかけた期待の程度で受け取り方が180度変わってしまうのです。

それが心の中でも起きているのが「理想主義」って言います。

無自覚なうちに高い基準を掲げ、その基準をクリアすることを自分に課します(これが自分が自分に期待している状態)。

その基準はとても高いものなので(いわば、金メダル以外は意味がない!という風に)、銅メダルでは全然喜べないのです。ただ、その基準があまり高すぎるがゆえに、仮に金メダルを取っても素直に喜べず、ただホッとするだけだったりもします。

Aさんの心(頭)の状態ってたぶん、そんな風にめちゃくちゃ高い基準で自分を見ているんだと思います。
そして、その基準に達していない自分をめちゃくちゃ否定しているんです。

ちょっと自分がかわいそうですよねえ?

例えば、分かりやすいお話を書いてくださいました。

>因みに見た目も幼く、体重は30キロ代、極度の貧乳故に女性性?みたいなのにも全然自信がありません。。泣

見た目が幼く、30kg台で、貧乳だと女性ではないんでしょうか?
女性性はないのでしょうか?

意外と昔から「貧乳相談」みたいなのがありまして、個人的に胸のサイズに全然興味がない(むしろ小さい方が好きかも)私としては、なぜそこに悩むのかがあまり理解できませんでした。

「巨乳=女らしい=魅力的」という思い込みがあるのでしょう。
「男は巨乳好き」という幻想がまたその思い込みを加速させるのでしょう。

でも、それもまた思い込みでして、「胸がないから振られた」なんてことは滅多に起こるものではありません(全くないとも言えませんが、そういう男にはさっさと振られて良かったと思います)。

つまり、「私は女性性が乏しい」「私は女らしくない」という思い込みがあるからこそ、「幼い、30kg、貧乳」という要素に「ほら、やっぱり女らしくない!」と結論付けてしまうのです。

実際はそれらは全然関係ありません。

じゃあ、「BBA、60kg、巨乳」は女性性豊かなのか?という話になるでしょ?(笑)

で、そんな風にまずは「自分が持っている思い込み」に気付くことがすごく大事です。

気付けはほとんど手放せると言ってもいいくらいです。

「ああ、自分は今、そういう風に思っているんだな。こんな思い込みがあって、自分を否定しているんだな」と思っておくわけです。

別に意識的に手放そうとしなくても大丈夫です。
そう自分の思い込みにただ気付いておくと、「ほんとにそうかな?」という疑問が入り込み易くなり、その思い込みが少しずつ減っていきます。

ということで、Aさん。せっかくなので次のワークでもやってみてください。

○○の中にどんな言葉でもいいので入れてくださいませ。
できるだけたくさん書き出してみるのがお勧めです。

**

私は○○だ。
私は○○でない。

女は○○でないといけない。
女は○○であってはいけない。

**

書き出したらしばらく放置しといてください。

>いつかは誰かを愛したいし結婚したいし子供を育てたいです

という思いがあれば大丈夫です。それはできます。その思いを否定する思い込みをどんどん手放していきましょうね!

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「敏感すぎるあなたが7日間で自己肯定感をあげる方法」(あさ出版)

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