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何かをした記憶もないのに人から嫌われるって理不尽なことが人間関係ではよく起きるものです。
そこで被害者になって卑屈になるのはもったいないので、それを前向きに解決すべく、3つの考え方を伝授したいと思います。
それも「投影の法則」に基づく考え方です。
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投影について教えて下さい。
私は今派遣で働いてるのですが、派遣先の上司に仕事の相談をして助けてもらったのと、その上司の真面目な人柄に好意を持ちました。
最初は彼に気に入られてるんだなあ~なんて思っていたのですが、一緒に仕事をする機会もあるのですが、どう考えても私はその彼に嫌われてる気がします。
彼は自分のお気に入りの人とは笑顔で話し掛けたりしますが、私には一切笑顔がありません。
一緒に働いてる同僚も言ってますが、彼は自分のお気に入りの人には笑顔だけど、興味関心のない人には笑顔や会話がない人なのだそうです。
私も彼の事はそういう人に見えます。
私が仕事の事で話し掛けても、素っ気なくいつも冷たい口調だし、必要な連絡事項を私にだけ伝えられなかった事も何度かありました、
私は彼にすごく嫌われていて、彼に意地悪されてるように感じます。
これって投影なんですか?
何故私がこんなに嫌われて意地悪されるのかわかりません。
これは投影で見ると、私が自分を嫌いだから嫌われてるように感じるのですか?
それとも私が無意識では彼を嫌いだと言う事ですか?
いくら素敵ないい人でも、そこまで嫌われたら私も嫌っていいですよね!?
(Eさん)
投影の話をする前に基本的な人間関係のお話をすると、
「嫌いな人は嫌いでいい」
ということです。
「いい人」をやっている人(Eさんがいい人をやってるかどうかは別として)は特に「人を嫌ってはいけない」という観念に思い切りがんじがらめになってる方が多く、「ドMなの?」と思わず突っ込んでしまうほどでございます。
嫌いなものは嫌い。
それで良いのですね。
嫌いなのに無理にうまくやろうとしたり、ましてや好かれようとするのはまさに「ひとりSM」ごっこでして、ベッドの上ならともかく、日常の中で、しかも職場という空間でそのプレイを好むのは相当なドMだと認識された方が良いかもしれません。
※そのうち、そのプレイに快感を覚えるようになったら本物です!!!(笑)
嫌いな人を嫌い、と認めると気分が楽になります。
嫌いでいいんだ、と受け入れると気分が楽になります。
そうすると職場などでは「嫌いなりに対応する」という大人の行動がとれるようになるので、ストレスは一気に軽減されます。
その辺の話はあまり売れてないけどこの本に詳しく書いてますので参考にしてください。
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>「敏感すぎるあなたが人付き合いで疲れない方法」(フォレスト出版)
で、「いい人」をやっている人は「嫌ってはいけない」という観念を持っているので、その人を嫌うことに違和感、罪悪感、嫌悪感などを持ちます。
その嫌悪感が嫌なので、再びその人のことを好きになろうとしたり、悪い人じゃないんだ、と思い込もうとしたり、好かれようと努力したりしますが、そもそも嫌いな人を好きになるのって相当難易度が高いので、ますます葛藤に悩まされることになります。
しんどいでしょ?そういうの。
だから、「あたし、思い当たるわ~」という人はぜひとも「嫌っても良い、嫌いでよい、うまくやらなくても良い、好かれなくても良い」という風に思い込むようにしてください。
嫌いなもんは嫌いでしゃあないやん、というのも「自己肯定感」なのです。
心が狭いとか、人間性が幼いとか、大人じゃない、とか否定するのではなく、「ま、それが今の自分なんやからしゃあないわなあ。あたし、あいつのことめっちゃ嫌いやわ」でよいのです。
※そんな「いい人」をしてしまう人のためのセミナーを4月に企画しているのですが、告知が間に合わなかったのでいつも通りのステマはございません。残念!!
で、そういう「嫌いなもんは嫌い」ということは相手にも当然起こることでして、
>何故私がこんなに嫌われて意地悪されるのかわかりません。
という現象もそこかしらで起きているものです。
そりゃあ、納得できないし、理不尽だし、矛盾だらけだし、「なぜ?」と思うんですけど、そこを気にし始めるとそれこそ「他人軸」の罠にずっぽりハマるので、注意が必要です。
でも、その辺は「相性」みたいなものがあり、それこそ「投影」も起きているので、こちらとしては「知ったこっちゃねえ」でよいわけです。
そもそも人が人を嫌う理由ってほとんどが理不尽なもんです。
何かしたんなら分かりやすいですけど、何もしてないのに嫌われるってこと、よくあります。
皆さんもそういう体験はありませんか?
別に悪い人じゃないんだけど、なんか嫌い、という。
テレビのタレントさんに対してはまさにそんな感じじゃないでしょうか?
会ったこともないけれど、話し方とか仕草とか言ってる内容とかがなんか気に食わなくて「嫌い」ってなること。
仕事でも当たり前によく起きるんです。
例えば、その上司、かつて密かに心を寄せていた女子にこっぴどく嫌われてフラれたとしましょう。彼の中ではその思いがまだ解消されずに残っているとします。
そんな時に、その女子に雰囲気の似たEさんが部下として入ってきました。
・・・うわっ。なんか心の傷がむずむずする。あんな女、嫌いだ!!!
と思っちゃうの、理解できますよね?
彼はその彼女をEさんに投影しているわけです。
Eさんにとってはまさにトバッチリで、知ったこっちゃねーのですけど、それは彼の事情ですし、彼の問題です。
Eさんにはどうしようもないことで、「あー、めんどくせー」という状況なわけです。
でも、それはほんと彼の問題なので、Eさんとしてはきちんと線引きして「そういう態度なら、こっちだってそのつもりで対応させてもらいます。」と啖呵を切るのがせいぜいかと思います。
という感じで、相手に嫌われたとしても、それは向こうの事情であって、こちらとしては何もできないのが実情です。
淡々と日々の職務をこなすことが「今、できること」だと思うのです。
相手の気持ちはどうしようもないですし、そんなこと向こうの問題だから、知ったこっちゃねーよ!と突き放しておくのが良いのです。
「いい人」をやってきた人は、それも苦手なんで、「嫌いなもんは嫌い」に加えて「そんなこと知ったこっちゃーねーよ!」と“自分軸”を意識することをお勧めします。
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さて、その上で「投影」の話をするわけですけれど、一般的に上司に対しては父・母・兄・姉・かつての年上の彼氏・かつての上司・先輩・先生などを投影しやすいものとされていまして、その彼の態度から自分を振り返るとするならば、「その辺に思い当たるところはないかなあ」と探ってみると良いでしょう。
つまり、仮にEさんがお父さんとちょっと不和があり、苦手で嫌いな存在だとすると、上司に対しても潜在的に「ああ、なんか苦手なタイプだわ」と思いやすいわけです。
で、人は「苦手やわあ」と思う人に対しては、「苦手やわあ」という態度を採ってしまいます。
それは目線だったり、言葉遣いだったり、気の使い方だったり、醸し出す雰囲気だったり、はっきり意識しにくいところに出てきます。
そうすると、相手は「なんか俺に対しては嫌な態度を採る奴」に見えてしまいます。
嫌な態度を採る奴に対して、人はそのままの態度を採る(返報性の法則と言います)ので、Eさんに対しても嫌な態度を採るようになります。
ところが自分としてはそんな嫌な態度を採ってるつもりは露ほどもないために「なんか理不尽やわ。何もしてないのに嫌われるなんて」と思うようになります。
これが「投影」による「なぜ、私は上司に嫌われるのか?」の解釈の一つです。
そして、もう一つの投影による解釈は「自分のことが嫌いだから、周りの人に嫌われる」という「自分自身の思い込み」によるものです。
自分が自分のことを嫌いだから、それを相手に投影して、「きっと自分は嫌われる」という思い込みが生まれるんですね。
「嫌われる」と思っているので嫌われる行動を無意識に採ってしまいます。
その後の流れは先ほどご紹介した通りです。
また、「嫌われる」と思っているので、相手の態度をそういう風に解釈するプログラムが自動的に発動します。
例えば、自分大好き!!な人の場合、
>彼は自分のお気に入りの人とは笑顔で話し掛けたりしますが、私には一切笑顔がありません。
という態度を採られたときに、「あら、あたしがあまりに魅力的だから、彼はあたしの前に来ると緊張しちゃうのかしら?うふ。意外にウブなのね?」なんて解釈します。
まあ、それは大げさにしても、自分のことが大好きな人は「人から嫌われる」という発想を持たないので、他の人と自分に対する態度が違っても気に留めません。
「私には笑顔がない」=「嫌われているから」という思いが生まれないんです。
「私には笑顔がない」としても、それにそもそも気付かないか、「不思議だなあ」としか思わないんですね。
「私、上司に嫌われてる?」と思う背景には、「私には嫌われるだけの要素がある」という思い込みを持っていることが分かります。
これが「投影を取り戻す」ということになり、そこから「ああ、あたしはもっと自分のことを好きになっていいんだ。もっと自分を愛していいんだ。」という発想に繋がるわけですね。
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で、ここまでお話しすると、「じゃあ、今回のケースはどれが本当なの?あれこれ見解があって混乱しちゃう!」と思われる方もいらっしゃるかと思います。
そもそも正解なんてないですし、どれも正解とも言えるし、どれか好きな解釈をひとつ選べばいいんです。
まあ、現実にはそのすべてが同時に起きている、と思って見てもいいんです。
だから、どうすりゃいいか?というと、「せっかくこういう場を与えられたのだし、相手のことはどうにもできなんだから、投影を使って自分自身を振り返る機会にしよう」とするのが一番おすすめな態度です。
まだ今まで関わった人でわだかまりのある人がいるのかなあ?
まだまだ自分のことを好きになり切れていないのかなあ?
人のことはどうにもできないけれど、自分自身に対しては影響力を駆使できるのが私たちですから、そうやってこの機会を「もっと自分を好きになるチャンス!」と捉えられたら良いのですね。
ということで、やっぱり自分軸と自己肯定感の話になっちゃうわけですけど・・・ああ、こいつはいつも同じことを言うてるなあ・・・と読者の皆さんに呆れられるかもしれないけれど・・・でも、まあ、そういうことなんでよろしく。
それとEさんにとっては「人から嫌われる怖れ」を克服するチャンスでもありますね。
「嫌われているけど、今できることしかできないし、できることをやってりゃいいんだ」
という思いは悟りに近いものがありまして、今日からの人間関係もものすごく楽にしてくれる考え方です。
「ま、自分のことをもっと認めてあげたらそれでいいのか」と気付いていただければ幸いです。
★がっつり「自己肯定感をあげる」ための自宅学習セット。
動画配信/DVD「自己肯定感をあげる3daysプログラム」
https://nemotohiroyuki.jp/podcast/33750
★本で学ぶならばコレ。
>「敏感すぎるあなたが7日間で自己肯定感をあげる方法」(あさ出版)
★読みやすいのはコレ。
>「マンガでやさしくわかる敏感すぎるあなたがラクになる方法」(日本能率協会マネジメントセンター)
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