助けたい症候群に見る“恵まれていることへの罪悪感”とは?



なぜか問題のある人ばかりを好きになってしまう「助けたい症候群」。
その要因のひとつは「ほんとうに助けたいのは自分自身」ですが、もう一つは「恵まれていることへの罪悪感」が暗躍していることもあるのです。

根本先生こんにちは。
いつも心の整理をするためにメールを送らせてもらっています(笑)

恋愛に臆病な私を一蹴してください!

私は27才、付き合ったことも、身体の関係を持ったこともありません。
けれど、片想いだったりデートしたりしたことはあって、男の人と出掛けるのも話すのも楽しいな♪と思えることも増えてきました。

そんな私ですがちょっと気になることがあります。
好きになる、もしくは惹かれる彼は悉く片親だったり(というか、親がDVを受けていたとか家庭環境悪いとかを自虐的に語ってくる)、離婚していたりと何か弱い部分を持っているんです。

大好きだった彼がもろにそんな感じで、でも優しいし、連絡も来るし、そんなこと関係ない!私が助けてあげる♪くらいのいきおいで大好きでした(笑)
ま、今思うと会ってすぐにそんな思い話題ぶち込むか?とか、突っ込みどころはありまくりの彼なのですが(笑)

で、今気になっている彼も似たような感じで。
職場の同僚で、仕事もできそうだし、人望(特に後輩から)もある、お近づきになりたいな♪と思って私から飲みに誘いました。
何回か飲みましたが、その中で彼の複雑な家庭環境とか、あんなに人にか困れているのに実は人間不信っぽいところとか、今はマルチ商法で一旗揚げると頑張っていて……。
私はもうその手には乗らないぞ!助けるとか面倒くさい、彼の人生だし好きなようにやればいい、と思っているのですが。
ていうか、そもそも彼女もいるのですが。
ふとした時に連絡したり誘いたくなっちゃいます。

こういう先の見えない関係、距離を深められない関係はもう疲れたし嫌だなあ、と思う反面、距離を縮められるのも私のテリトリーに入って来られるのも面倒だから、この私にとって都合のいい関係が楽で自ら選んでいる気もします。

どうしたらいいんでしょう?
時間が解決するのかな……?
(Aさん)

まあ、時間が解決してくれることもありますが、「いつも○○になっちゃう」というのは我々カウンセラーから見ると「パターン」と言いまして、何らかの要因が背景にあることが多いんですな。

「行動パターン」「思考パターン」「感情パターン」など、色々ありますが、ひとくくりにしてしまえば「心の癖」なわけです。

例えば、ダメンズ愛好家の皆さまが「いつもダメンズなんです。どうしてもダメンズなんです。もう嫌だと思ってもダメンズなんです。」とのお嘆きを拝聴させていただくのも私の仕事なのですけれど、彼女たちに

「あのさー、10人男を並べるじゃん?その中にひとりだけダメンズを紛れ込ませるやん?その1人を見分ける自信あるよね?」

と質問すると秒もかからずに「はいっ!!めっちゃ自信あります!」と、ここは豊洲の市場か?と思われるくらい威勢のいい返事が返ってくるんです。

そりゃそうですよね。10人の中で「唯一男を感じるのがダメンズ」なんですから。

となると、その「ダメンズに反応しちゃう心の状態」というのがポイントなわけで、ダメンズじゃない人に興味を持つためには、その心の状態を何とかした方がいいんじゃね?という見方が成立するわけです。

よく自立系武闘派女子の好物に「問題児」というジャンルがあります。
仕事していない、借金抱えてる、実家が問題だらけ、酒癖が悪い、女癖はもっと悪い、等々の問題を抱えた男たちで、それこそ武闘派女子にとっては「なんか陰がある」とか「誰にも見せてない弱みがある」というのは、「名人が作った酒盗」くらい魅惑的なわけですな。
「いやー、日本酒が止まらないわー!!きゃー!!」くらいのインパクトがあるんですね。

いわゆる「助けたい症候群」と呼ばれるもので、問題のある人を好きになり、その人を助けようとする恋愛パターンです。

そして、もしかするとー、Aさんもー、その傾向があるのかなー???という風に私は勘繰っているわけです。

とはいえ、「まあ、好きなんだからしょうがないんだけどねえ」という風に思うので、「で、どうしたいの?」という質問は必須です。
そのパターンを変えたいのか、突き進みたいのか、どうする?って決めてもらいたいのが本音です。

さて、その「助けたい症候群」。大きくは2種類あると経験上考えています。

1つ目は助けたい症候群で一般的によく言われるもので「助けたい人ってほんとは自分自身では?」というケース。
例えば、自分自身もそれなりの傷を抱えていて、でも、それを受け入れられない or 認められないときに「助けが必要な人を助ける」ことで、自分を助けようとする心理です。
問題のある人を好きになる自分自身が実は大きな問題を抱えてた、というわけです。

これは類似性の法則なんて呼んでもいいのですが、自分と似たタイプの人を引き寄せてしまうわけですね。
だから、この場合は、自分自身と向き合うことがとっても大切になってきます。

「彼を構ってあげるのもいいけど、自分の問題ともそろそろ向き合ってみたらどうなん?」と痛いところをついつい突いてしまうのが根本くんのいたいけなところです(笑)

で、2つ目はこれは私がクライアントさんたちと接してきて分かってきたことなのですが、「自分自身は平和な家庭と人生を歩んできていて満たされているので、そうではない彼にその幸せを与えたい」というナイチンゲール的な発想から来るものです。
案外、女性はこっちのパターンも多いと踏んでおります。

パートナーシップの問題で「実家の家族とはとても良好な関係なのに、なんで家族が崩壊しているような彼を好きになるの?」というテーマがカウンセリングやセミナーなどで出てきます。

そもそもパートナーシップと言うのは「自分にないところが魅力に映る」という傾向がありまして、だから一般的には異性に恋愛感情を持つわけですが、温かく平和な家庭で育った人が、バランスをとるために、冷たく争いばかりの家庭で育った人を好きになることがあるのです。

この場合は自己価値(自己肯定感)をさらにあげて、彼らにちゃんと施しを恵んであげらるような大きな人間になりましょうね~♪なんて言うこともありますし、「それはやっぱり恋愛というよりも、商売にした方がきちんと線引きができていいですよ」とカウンセラーになることを勧めたりもします。

ただ、このケースで言えることは「平和で穏やかな生活に退屈し切っていて、それで刺激を求めるために問題のある彼を好きになる」という心理が少なからず影響しているわけです。

つまり、恵まれていることへの罪悪感があるわけですね。

この「恵まれていることへの罪悪感」って意外と知られてないので改めて紹介したいと思います。

Aさんがこのケースに当てはまるかどうかはもうちょっと尋問してみないと分かりませんので、為参考で聞いてください。

豊かな家庭に生まれたり、両親が仲良くて平和な家庭で育ったり、外見が整っていてみんなが「かわいい」「きれい」と言ってくれたり、頭が人並み外れてよかったり、スポーツがとてもよくできたりすると、そうでない人に対して「罪悪感」を持ってしまうことがあります。

例えば、仲良し女子5人組がいて、自分だけ彼氏がいてラブラブだったりすると、5人で集まったときになんか申し訳ない気がしちゃう気持ちって分かります?
あ、うちの読者はその気持ち分かんないか!?(笑)

そうした恵まれていることや、他の人が持っていないものを持っているときに、ついつい「なんか私だけ恵まれていて申し訳ない」という罪悪感を覚えてしまうのです。

これ、嫌な奴ー!って思われそうだし、自分でもそういう感情に嫌悪したりするので、あまり表にでは出せない罪悪感のひとつでもあります。

また、この罪悪感は「嫉妬されることへの怖れ」を生み出すこともあり、先の仲良し5人組の例で言えば「実は彼氏と超ラブラブでー。昨日も情熱的な夜を過ごしたのー♪あは♪」なんて話は集まったときにしづらいですよね。

だから「この間、彼氏がウソついてコンパ行ってたみたいで・・・」みたいなネガティブな話題を提供しないと悪いような気がしてしまったりするんですね。

つまり、罪悪感から来る補償行為に走ってしまうわけです。

で、よくそうした恵まれたことに対する罪悪感を持つ人が、問題だらけの人を好きになって助けようとすることで、その罪悪感を解消しようとする(つまり、補償行為です)パターンがあるんです。

これ、文面だけ見ると嫌な奴な感じがしますけど、「新作のチョコレートを買ってきて独り占めしたいんだけど、それじゃ申し訳ないから、ほんとうはあげたくないけど、同僚に『ひとつ食べる?』ってあげちゃう」なんてのもそんな心理に通じます。

つまり、誰にでもあるものなんです。

そうした、恵まれていることへの罪悪感から、幸せになれない相手を好きになることもある、というお話でした。

もし、思い当たるフシがある方は、その罪悪感を手放すこと(豊かさや恵まれていることに大いに感謝しまくること、など)に意識を向けることをお勧めしています。

ま、結局のところ、「なぜ、問題のある彼を好きになるのか?」という理由については、自分自身を振り返る、というところに帰着するのが私のカウンセリングなので、「まあ、やっぱりこいつはそっちに話を持っていきよったな」と鼻で笑っていただければ幸いです。

で、Aさんのお話。

>距離を縮められるのも私のテリトリーに入って来られるのも面倒だから、この私にとって都合のいい関係が楽で自ら選んでいる気もします。

ということであれば、やっぱり自分の人生を棚卸してみることがまずはお勧めなんですね。
両親やきょうだいとの関係、今までの男女関係について振り返ってみて、なんか要因になりそうなものを見つけてみるのがいいんじゃないかなー、セッションするならきっとその辺をぐりぐり質問することになるんだろうなーと思っています。

でも、

>けれど、片想いだったりデートしたりしたことはあって、男の人と出掛けるのも話すのも楽しいな♪と思えることも増えてきました。

これは最高なことなので!!(マジで!)これからも「気になる男がいれば自分から狩る」という武闘派魂を大いに発揮して頂いて、さっさと幸せになっちゃえばいいと思います。

そして、「幸せ報告」と題して、根本くんにレポートを送っていただけると、大いに喜びますぞ!

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