かなりの頑張り屋だった私が全然頑張れなくなった話。



戦場に生きて来た自立系武闘派情熱女子が平和な家庭を手に入れると途端に何をしていいのか分からなくなって途方に暮れるという事件が多発しています(笑)

***
根本先生!いつもブログを楽しく拝見しています。
初めてリクエストさせて頂きます。

自分で言うのも変ですが、私はかなりの頑張り屋でした。が、最近全然頑張れないのです。

心理学を活用しようと色々調べると、無価値観やデッドゾーン、燃え尽き症候群等々、心当たりが多すぎて、何がなんだかわからないのです。
(それもあって、先生のブログは高確率で私の心に響きます笑)

問題点が複数ある場合、どんなアプローチが効果的なのでしょうか?

・・・

私は、心臓病の母と妹を抱えて日夜激務をこなす父を見て育ち、「健康な人間は家族のために全力で働くものだ」と信じていました。

毎日バイト&奨学金のために必死で勉強、趣味の時間はほぼ皆無!といった寂しい学生時代に誇りを持ってすらいました(笑)

社会人になってからは残業と休日出勤当たり前の日々。
そして母が癌になり、激務の父と、半引きこもりの妹には頼れず、家事と看病をほぼ一人で奮闘しました。

彼氏に会いたいと言われると、睡眠時間を削って会うしかありませんでした。

そんな日々が2年、心の限界がきました。
それから、休職、母の死。
辛かったけど、前より時間に余裕ができました。

そして昨年結婚し、前より少し楽な仕事に就き、やっと落ち着けると思った矢先、仕事にやる気が全く起きないのです。
前よりだいぶ余裕を作ったのに。
昔諦めた夢のことばっかり考えるようになって、現実逃避ばかり。
大好きな心理学もうまく活用できず、堂々巡りです。

まとまらない文でしたが、ネタになると嬉しいです^^
(Mさん)
***

ほんと、すっごく大事なことなので何度も何度もお伝えしたいと思ってるんですけど(しつこい性格なんですいません)、

>自分で言うのも変ですが、私はかなりの頑張り屋でした。が、最近全然頑張れないのです。

>そして昨年結婚し、前より少し楽な仕事に就き、やっと落ち着けると思った矢先、仕事にやる気が全く起きないのです。

今、この状態ならば、これが正しいということであり、これを望んでたということなんです。そう意識できないだけでね。潜在意識では予定通り、完璧な状態なんです。

つまり、頑張れないのが正しい姿。
やる気が起きないのが正しい姿。

「美味しそうなスイカがあったので食べたら無くなりました」と同じくらい当然のことなんです。
「お酒あまり強くないので日本酒4合飲んだらめっちゃ酔っぱらいました」と同じくらい自然現象。

「○○だから、頑張れなくなり、やる気が起きなくなった」というわけです。

でも、ついつい「こんな楽な状況になったんだから仕事にやる気を出すべきだ」って思うなど、自分が想定する「正しい状態」や「理想の状態」と今を比べて、今の自分を否定するという技にハマってしまうんです。

これを俗に「1人SMごっこ」と呼んでいます。

そんなに自分をいじめたい??
そんなに自分を傷つけたい??
そんなに責めなきゃいけないくらい自分はダメなのかな??

Mさんにとっては「健康な人間は家族のために全力で働くものだ」という“呪い”に未だにかかっているのかもしれません。

私も人のことを言えるタチではないのですがハードワーカーによくありがちなパターンなんですよ(笑)
つまり、今日のブログは自虐的な意味も込めて書かれてるということですよ(笑)

Mさんと似たケースにこんなのがあるんです。

「仕事を辞めたら趣味の時間を持ったり、なかなか会えない友人に会ったり、本をあれこれ読んだりして過ごそうと思ってたんですけど、いざ、仕事辞めて自由な時間があったら何もやる気が起きなくなっちゃって・・・」

「子育てがひと段落したのでよし!これから好きな仕事を頑張るぞ!!ってMacの前に座るんですけど、今までみたいにアイデアが全然出て来ないんですよ。むしろ、Macの前に座ることすらしんどくなって。子育てに奮闘してた時は何とか仕事しなきゃって思いで毎日頑張ってたのに」

「普段は出張ばかりで部屋の片づけがあまりできないし、ちゃんと自分のブログを見直したり、何よりも今後の方向性についてちゃんと考える時間がなくていつも行き当たりばったりになったり、バタバタしてるので、少しゆっくりする時間を作ってその辺をじっくり考えようと思ったんですけど、いざ暇な時間を作るとそんなことする気にもなれずにあっという間に時間がたっちゃうんです。(根本先生談)」

まあ、Mさんよりも時間・期間的には短いんですけどね、私のカウンセリング的には「あるある」なんです。

ひとつは「性格的なもの」一つは「慣れのようなもの」によってこの現象は起こるんです。

性格的なもの、というのは「追いつめられてこそ、本領を発揮する」とか「尻を叩かれなきゃ何もしないタイプ」とか「鞭を入れられることに快感を覚える」などのM的キャラの人を指します。

だから、

>前より時間に余裕ができました。
>そして昨年結婚し、前より少し楽な仕事に就き、やっと落ち着けると思った矢先、仕事にやる気が全く起きないのです。

みたいに「時間に余裕がある」とか「楽な仕事」という時点で全然やる気にならないんです。

それから「慣れのようなもの」というのは、私がブログでよく書く「習慣」って奴ですね。

今まで「ふつうにやったら30時間かかる仕事・介護・家事・勉強を半分の15時間で何とかこなす」に猛烈に情熱を注いできた方が「30時間かかる作業を30時間でも60時間でもいいからやってね」って言われてやる気になると思います???

お父さんを見て育ち、また、自分もハードワークな環境に身を投げた場合、

「人生、すなわち、ハードワーク」

という格言を手に入れます。
ほら、Mさんの家の床の間にもその掛け軸飾ってるでしょ??
ついつい、座右の銘にしてしまうんです。

だから、「暇」とか「楽」とか「何をしてもいい時間」ってものにMさん自身が慣れていないんですね。
それでどうしていいのか分からなくなっちゃうんです。

よく「猛烈に仕事人間だったお父さんが定年を迎えた途端、呆けてしまった」って話聞きません?
まさにそういうことかなあ、と思います。

ずっとバタバタしてきたから、バタバタしてない状態に慣れてなくて、どうしていいのか分からなくなっちゃうってことなんです。

Mさんはそれまでずっと鞭を入れられて走って来たんです。
鞭が入るから、走ったんです。
自主的にはそんなに走るタイプじゃないんです。

すなわち、衝撃的な告白をするならば、本来のMさんは「怠け者、ナマケモノ、なまけもの」ってことなのかもしれません!!

実は多くのハードワーカーはナマケモノです。(私も含め)

だから、時間の中に仕事をキュウキュウに詰め込んで自分を駆り立ててバタバタ、バタバタしてるんです。

本来ナマケモノだから、そんなバタバタしてる自分が好きだったりします。
Mさんのこの文章からもそんな匂いがぷんぷん漂ってきますね~

>毎日バイト&奨学金のために必死で勉強、趣味の時間はほぼ皆無!といった寂しい学生時代に誇りを持ってすらいました(笑)

だから、暇な時間ができたり、楽な仕事に就いたりしたら本来の自分が出てくるわけです。
何もしない私。
何もできない私。
それが本来の私。

でも、そんな自分を愛せないからハードワークに駆り立てて補償行為をするんですね。

戦場から帰ってきた兵士が平和な日常に慣れなくておかしくなっちゃうって話、聞いたことあります?
ベトナム戦争後のアメリカで頻発した問題なんですが、長らく戦場にいて死の恐怖と戦い続けると、安心して生活できる場にいると心が付いて行かなくなっちゃうんです。
それで事件を起こしたり、再び従軍したりってことになります。

燃え尽き症候群というのもそうしたハードな時代の後に来るんです。
ずっとオーバーワークしてきた人が仕事が楽になったら何もやる気が起きないってのは、そうすることでオーバーワーク時代の疲れを癒そうとしています。

燃え尽きるというのは、そもそも規定以上の炎を上げ過ぎたってこと。
キャンプファイヤーで薪を10kgも用意したのに、それを一気に燃やしちゃったらすぐになくなっちゃうじゃない?
せっかく夜通し火を眺めながら過ごそうと思ってたのに~!って。

でも、燃やしちゃったものはしょうがないよね~
しばらくぼーっとしてたらいいですよって言います。
それでも朝はやってきますから。
そしたらまた新しい薪を拾いに行きましょう。

頑張る時代に通用した法則は、頑張らなくてもいい時代には通用しなくなります。
お母さんのために、家族のために必死になっていた時代に通用していたやり方は、お母さんが亡くなり、結婚された今は通用しないのです。

新たなやり方を創造する時期なんです。

ずっと外を見ていたMさんが、これからは内を見ることができます。
それにはまだ慣れてません。戸惑うわけです。

ずっと人のために生きて来た人に、今日からは自分の好きなことしていいですよって言うのはちょっと酷なんです。
だってそんなことしたことないから、やり方わかんねーし。

だから、今はやる気が起きない中でできることしましょう。
問題を作ってその解決に情熱を燃やすってやり方も疲れるから手放しましょう。

何よりも「何もできない自分を許す」ということですね。
「何もできなくても愛してくれる旦那さんの愛を受け取る」とも言いますね。

これ、ものすごく大事なことですね~~~

そして、

>昔諦めた夢のことばっかり考えるようになって、現実逃避ばかり。

これね、これ。ほんとはこれがしたいのですよ。
ちょっとそれをしなかったことへの後悔もあるかもしれませんね。

ずっと厳しい現実に向き合ってきたんだから、現実逃避くらいさせてあげてください。

諦めた夢をもう一度現代にリメイクしてみるのもアリですよ。

今の自分にOKを出す、というところから始めましょう。めっちゃ葛藤するけどねっ!(笑)

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