非正規の私を追いつめる父の言葉。



お父さんから追いつめられている、のではなく、自分から望んで追いつめられている、のですね。
でも、それをきっかけに「私」を見つめ直すいい機会になるのです。

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いつも欠かさず根本さんのブログを拝見しています。自分に必要なことはノートにメモをしたり、実践したりして自分と向き合うことに挑戦中です。
今回は助けてほしいことがあり、ネタとして送らせてもらいました。
私は非正規で働き、期間が終わればまた就活をするというスタイルを繰り返しています。新卒で就職できなかったことを罪悪感として自分の中にあります。
それに対し父は就職した会社を定年まで勤め上げました。
父はそんな私を理解できず、いつも就職はどうするんだ、お前の人生はボロボロじゃないかと言います。
私は自分で自分の状況は分かっていますし、父は心配しているだけだと言いますが、はっきり言って私を追い詰めているだけだと思います。
一度、面と向かって言うことは涙が出て悔しいのでメールでそういうことは心配ではなく、追い詰めるだけで意味がないからやめてほしいと伝えましたが何かある度に言ってきます。こういう場合はどうしたらいいのでしょうか?
過去に傷ついた状況と同じ状況を繰り返すことで問題を乗り越えるための今だと思いますが、八方塞りです。
私の新卒で就職できなかった負い目が父にこのようなことを言わせているのだと解釈することもできると思いますがどうなのでしょうか?
父は家庭にはお金を入れれば良いだろうというような発言をする親だったので愛情ももちろん感じずに過ごしてきました。しかし、そこはこれまで会話をしてきて、愛情はあったのだと気づく瞬間がたしかにあったのですが、この就活の部分だけはどうしてもお互いが繰り返しています。この問題があるからお互い関わりを持てるので繰り返しているということもあるのでしょうか?
良ければ根本さんのアドバイスをいただきたいです、よろしくお願いいたします。
(Eさん)
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「お金を入れればいいだろう」というお父さんからすれば就職できないEさんに対してひどいことを言うのも想像に難くないですね~。
お父さんにとって仕事ってどんなものだと思います?
もし、お父さんがリストラされちゃったとしたならどういう人生を歩んでるんでしょうね。

そういうお父さんに分かってもらおうというのは至難の業なのかもしれません。

ついつい自分の大事なものについては思い入れが激しくなるので言葉も荒くなりがちですし、その考えを曲げることは案外難しいものかもしれません。

ただ、お父さんのその発言でEさんが傷ついてしまうのはなぜか?というと、Eさんが就職のことで罪悪感を感じてるからなんですよね。
非正規雇用で働いている間も惨めだったり、情けなかったり、申し訳ない気持ちだったりでいっぱいではないでしょうか?

本当はちゃんと正規で就職しなければ、と強く思っていませんか?
Eさんはその思いはお父さんと同じなのかもしれません。

元々それができない自分を責めているんですよね。
そこに追い打ちをかけるようにお父さんの言葉がのしかかってきて辛いんだと思うのです。

そもそも私たちは自分が意識的・潜在意識的に攻撃しているところでしか傷つくことはありません。

もし、Eさんが仕事のことで自分を責めることがなくなれば、お父さんのその言葉も流せるようになるんです。

>私の新卒で就職できなかった負い目が父にこのようなことを言わせているのだと解釈することもできると思いますがどうなのでしょうか?

まさにその通りですね~
この負い目ってのが曲者なんですよね。

だから、お父さんとしては「そんなに責めているつもりはなく単に心配しているだけ」なのかもしれません。
それが口下手な上に、Eさんの負い目が重なってすごく気になってしまうのです。

これもまた「投影の法則」です。

職場で上司が書類をチェックしながら「はぁ・・・」とため息ついているんです。
その上司が見ている書類は私がさっきメールで送ったもののような気がします。
そして、何かミスをしたんじゃないかって思い心臓がドキドキしてきます。
うわー、何がいけなかったんだろう・・・どこか抜けがあったのかな・・・って不安になってきます。

これ、実際上司は先週のダービーでボロ負けし、挙句の果てにお小遣いの使い込みがバレて今月から減額になったことを嘆いて「上司は会社だけにいるんじゃないんだよな・・・」と人生を悟っての「はぁ・・・」かもしれません。

でも、自分ができの悪い社員じゃないか?いつもミスをしてしまう社会人として情けない奴じゃないか?と思っていると、そのため息がまるで自分を責める声のように聞こえてしまうのです。

ところがもしあなたが仕事で自信を持っていたのなら、上司がため息ついたときに「あれ?どうしたんすか、部長?またなんかやらかしたんですか??」なんてツッコミを入れられるかもしれません。

Eさんはなぜ、正規雇用にこだわるようになったんだと思いますか?
お父さんの影響?
それとも周りの人の影響?

「私」っています?

私の後輩は敢えて非正規雇用を選んでいる人がいます。
彼は将来カウンセラーやセミナー講師としてやっていきたい気持ちがあり、そのために長年勤めていた社員を辞めて、今は派遣を選んでいます。
その方がカウンセラーになるための勉強や実践がしやすいから、という理由です。

お笑い芸人さんたちが売れるまでバイトを続ける理由もそれですよね。
社員になってしまったら「芸人になりたい。売れたい。」という思いがとん挫してしまうから、その夢を諦めないためにもバイトであり続けるのです。

今日、Eさんにお伝えしたいことというのは「正規雇用」か「非正規雇用」か、の選択ではなく、その先を見てあげませんか?ということ。

何がしたいんでしょう?
やり残したこと、ありませんか?
やりたいけれどまだ手を付けてないことありませんか?
子どもの頃の夢は今、どうなりましたか?
諦めてしまったこと、ありませんか?

ここからは想像ですけど、こういうお父さんの場合、けっこうレールの上を歩かせるのが好きだったりして、自分がしたいことをさせてもらえないケースもけっこうありそうです。

本当は絵が好きなのに「そんなことで飯が食えるのか?」と否定されて普通の大学に進学した方もいますし、本当は東京に出たり、外国を見たりしたかったのに「家から通えるところしかお金を出さない」と言われた方もいます。

そうして諦めてきちゃった夢ってほんとうに多いんですよね。

夢を諦めちゃったりしたら(あるいはそもそも夢を持たないようにしてきたら)、人生ってすごくつまんなくなるんです。

Eさんが本当にしたいことって何なのでしょうね?
それを考えるには今、いい時期なんじゃないでしょうか。

夢や目標実現のためのワークショップを開催したりしていますが、そこにいらっしゃる方全員が夢や目標が明確な方ばかりではありません。
でも、そういう方にもこのワークショップは効果的なんです。

なぜかというと「夢が分からない人は夢を持って頑張ってる人を応援するといい」と言います。
そういう人がいるところに行くと勝手に刺激を受けます。
夢を持っている人の思いや情熱やエネルギーを感じられます。
そうすると内に秘めていた自分自身の情熱が解放されるようになるんです。

「私も○○がしたい」という風に思えるようになっていきます。

分かります?ここ、宣伝なんですよ。今日一番大事な話です!

子どもの頃、したかったこと、目指したかったこと、何でしょうか?
Eさんがワクワクすることってどんなことでしょうか?

そこに夢の欠片が眠っているんです。

そうした私の中の情熱を掘り起こしていきましょう。

もし、Eさんが「恋に生きる情熱の女」であれば、本来仕事なんてどうでもいいんです。
自分が幸せを感じられる恋をするためのいわば出会いの場として仕事を捉えてるだけかもしれません。
そしたら、短期間で職場を転々とする理由も分かるでしょ?

「あかんわー、この職場外れだわー。また次にかけるしかないな!」ってことです!!

Eさん、反抗期ありました?
お父さんと今、ケンカできるみたいですけど、思春期の頃はどれくらい暴れてました?
なぜか金属バットをリビングで素振りしたり、夜中に改造して音が大きくなったバイクに乗ったりしていました?(私の例えは往々にして古いですが年齢のせいですので気にしなくてもいいですよ(涙))

もしかしたら今お父さんの希望に背くのも反抗期の一つかもしれませんね。

お父さんやお母さんのこと、だいぶ気にして来ました?
心配かけちゃいけない、とか、ちゃんとしなきゃ、とか期待に応えなきゃ、とか思ってきました?

もし、そういう面があるとするならば、ずいぶん昔に自分をどこかに置き忘れてきちゃった可能性も低くはなさそうです。

自分を探しにいかなきゃ、ですね。

友達としゃべってるのが楽しければ、それでいいんですね。
紅茶が好きで、美味しい紅茶を淹れられたら一日幸せ!なら、それがいいんですよ。

好きなものに正直になりたいですね。
そして、その好きをより実感してみると、自分の人生で大事なものがどんどん明確になってきます。

親子二代で旅人である私は家にあまりこだわりがないようです。
だから、友人が家を建てるって話を聴いても「すごい・・・俺にはない発想だ」と思います。
もっと自然の多いところに住みたいねって夫婦で話をするのですが、どこに住みたいかは奥さんに一任しています。

でも、ある人は「一家の主なんだから家を建ててナンボ」という思いに縛られていました。
私には理解しがたい感覚なんです。

また社会人不適合者である私は会社に雇われるということがどうもダメみたいです。
一番初めに就職した会社で人事部に配属になったんですけど、正直「固定給」「賞与」「有給休暇」というシステムに納得できずに上司に質問して、すごく異星人を見るような眼で見られたことがあります。
私の尊敬していた先輩のNさん、Sさんはサラリーマンであることを楽しみ、それに誇りを持っているタイプの優秀な方でした。
彼らと意識の違いを痛感して「ああ、自分はこの世界で生きていくことはできないんだ」と思ったものです。
そのお陰でドロップアウトできたんですけどね(笑)

それがいいの悪いの、ではなく、それが私の感性、感覚なんですよね。

でも、私がその感性を否定し、周りに迎合したり、誰かの意見に従ったりしてるとしたら、ものすごく苦しくなっていた(病気になっていた)と思うんです。

もちろん、自信なんて全然なかったですよ~
今でも自信があるか?って言われたら笑ってごまかします(笑)

でも、根がわがままで自分勝手なので嫌なものは嫌なんですね。
だから、その会社を辞めざるを得なかったし、かなり自由に活動させてもらっていた前職も辞めたくなってしまいました。

さて、Eさんの感性はどんな世界を好むのでしょうか?

仕事に捉われることなく、今の自分と向き合っていきましょう。
そうすると正規雇用を“選ばなかった”理由もきっと見えてきます。

今日から自分に問い続けてください。
「私がほんとうにしたいことって何だろう?」って。

その答えが出るまでは(必ず出ますので)、思い出すたびに自分に問うてくださいね。
あとは刺激を受けにセミナーに来るのもおすすめですぞ(宣伝その2!)。

そうして自分の感性が見えてくるとお父さんから責められても傷つくことはなくなります。
しれーっと「お父さん、ごめんなー。あたし、そういう人間ちゃうみたいやわ~」と流せます。
そしたらお父さんは手ごたえがないからそのセリフを言えなくなっていきますね。

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