遅れて来た反抗期~30を過ぎて父を嫌悪するのは親不孝なのか?~



思春期に何らかの要因で反抗できないと大人になってから反抗期を迎えるケースが多々あります。
それは順番が入れ替わっただけで何ら悪いことで在りません。
大いに反抗すべく「くそじじぃ!どっか行けよ!」と叫びましょう(涙)

***
いつも楽しみにしています。

既出かもしれませんが、お聞きしたいことがあります。
年を重ねるにつれ、父への嫌悪感が止まりません。幼い頃は父は自慢でした。出張がちで家に居なかったのですが、いつ帰るか楽しみにしていましたし、思春期の父親に対する嫌悪感もなく育ってきました。
それがなぜか私が30を過ぎた頃から、父が嫌で堪らないのです。
これには母の影響が大きいのかなあと思っています。母は女性の権利や自立といったことに関心のある人で、常日頃から女性の自立した生き方を説いてきた人でした。女性一人で生きていける強さを持てと言われて育ちました。
嫁姑関係で苦労したこともあり、その時の辛さや父が何もしてくれなかったことと合せて私に話してきかせました。
そのせいか、私の中に、ひとりで生きられる女であれ、といった(歪んだ)感覚が染みついてしまっています。そんな考えの女ですから、恋愛もうまくいきません。

本当は父の愛、母の愛をもっと欲しいのかもしれません。けれど今は、そうやって分析することさえ気持ち悪いのです。
両親も年老いてきた今、介護のことを考えると不安です。私はきっと、父を受け入れることは出来ないのではないか。こんな感情を抱いて自分はなんて親不孝な娘、自分の恋愛がうまくいかないのも親不孝の罰なんじゃないかと思ってしまいます。

もし、ご回答いただけたら嬉しいです。でも書くだけでも少しほっとできました。本当はカウンセリングに参加した方がいいんでしょうね。機会がありましたら、ぜひお願いいたします。
(Mさん)
***

Mさん、、、、

>幼い頃は父は自慢でした。出張がちで家に居なかったのですが、いつ帰るか楽しみにしていましたし、

朝から心臓に悪い話をありがとうございました・・・・・・・・・・・・。
私のためにもぜひ父親の信頼回復に努めさせていただきます。
しかし、私も娘に嫌がられる日が来るのか?いや、来ないに決まっている!あ、突然、娘に壁作られた友人の顔が・・・。
ほら、ここで皆さんは「根本さんなら大丈夫ですよ~」ってしたり顔で言うんですよ。
ざまあみろ!って言う目じゃなくて!

さて、Mさん、こういう風に思うってこと自体、お父さんのことが好きって証拠なんですけどね(説得力なし)。

>それがなぜか私が30を過ぎた頃から、父が嫌で堪らないのです。

実はMさんからのご依頼にそのまま答えるのはちょっと難しいところがあって、いろいろと追加情報を頂きたいところなんです。

例えば、「遅れて来た反抗期」というケースがあります。
本来、反抗期を迎えるのは思春期で、だいたい10歳くらい~18歳くらいに「父親が気持ち悪い、嫌い、あっち行け」となります。
それは女性としての意識を持ち始め、大人の女性として自立し始めたときに異性である父親を男性として意識し(ほぼ恋愛感情とは別です)、そこに嫌悪感を持つようになります。
もっとはっきり言えば性的な目覚め、成長から近親相姦のタブーが芽生えるわけです。

Mさんのケースとは当てはまるかは分かりませんが、その思春期に女性の部分を抑圧されてしまうと、思春期に反抗せずに大人になっていきます。
この抑圧というのは、例えば、お母さんが過干渉でアイデンティティの構築が遅れた、とか、非常に厳しいお父さんが家庭を支配していて反抗なんてとてもできる雰囲気じゃなかった、とか、両親と癒着していてずっと子どものままでいることにしてた、とか。
それから、お父さんのことが大好きで、お父さんにずっと娘として愛されたいが故に思春期手前で成長を止めて女の子のままいた、というケースもちょくちょくあります。

>本当は父の愛、母の愛をもっと欲しいのかもしれません。けれど今は、そうやって分析することさえ気持ち悪いのです。

30歳を過ぎた大人がこう思うとはっきりと気持ち悪いって分かりますし、親の愛をもっと欲しいのか、という分析もできるんですが、思春期の反抗期はここまで理解できずにただただお父さんが嫌、気持ち悪い、どっか行け(涙)という思いに駆られます。
だから、露骨に嫌悪することができるんですけど、大人になると「そんな態度は大人げない」て抑圧してしまうのもあります。

そこは堂々と「あんた気持ち悪いねん」などと口走ってもいいんですけどね(涙)。

実際20代や30代でこの反抗期を迎える方もいますし、私のクライアントさんのご主人は男45歳にして母親に切れまくっていました。

でも、それは決して悪いことではなく、タイミングというか順番の問題なわけですね。
思春期に反抗する以外のことに勤しんでいたわけで、その部分では周りの人たちよりも早く成長してる部分もあるんです。

だから、大いに堂々と反抗してみると意外とあっさりと反抗期を抜け出せたりします。

ただ、30歳を過ぎて突然反抗期を迎える、ということは考えにくく、何かしらのきっかけ(それは本人には小さいものかもしれませんが)があったということも想定できます。
例えば好きな人ができた、とか、今まであまり興味のなかったファッションに意識が向くようになった、とか、子どもを産みたいと漠然と思い始めた、とか。

Mさんの場合、お母さんが女性の権利や自立に非常に熱心で「女ひとりで生きられる力を!」という主張だったことの影響ももちろん排除できませんよね。

恋愛がうまく行かないとありましたが、他にも20代まではどんな生活をされていたのでしょうか。
女性としての意識はどれくらいあったのか。
ファッションなどには興味を持っていたのか。
職場ではどんな風に振る舞っているのか。

「女性の自立を勝ち取るために男を敵視する」政策を実行されていたのか、それともユニセックスな感じで性を意識しない/させない感じに過ごしていらしたのか。
繰り返しになりますが30歳を過ぎてどんな心境の変化があったのか。

Mさんがどのように男女を意識されてきたのか、一度振り返って見られると良いかと思います。

>両親も年老いてきた今、介護のことを考えると不安です。私はきっと、父を受け入れることは出来ないのではないか。こんな感情を抱いて自分はなんて親不孝な娘、自分の恋愛がうまくいかないのも親不孝の罰なんじゃないかと思ってしまいます。

今回の主訴も含め、Mさんはとても親思いのいい娘なんだな、ということが良く分かります(^^)

介護のことはまだ現実化してないですよね?
起きてないことを不安になるのは思考的な作用で悪いことではないのですが、そのときはそのときと思っていてください。
この状況がずっと続くわけではなく、いずれ、ここで相談したことすら忘れてしまうようになると思います(笑)

特に

>こんな感情を抱いて自分はなんて親不孝な娘、自分の恋愛がうまくいかないのも親不孝の罰なんじゃないかと思ってしまいます。

親不孝な娘、という意識って今回初めて芽生えましたか?
それとも以前からありましたか?

ずいぶんと親御さんを大切になさってきたことが伺えますよね。
とっても罪悪感を感じていらっしゃいますから。
ずっと「いい子」で育ってこられたのでしょうか?
それが今、反抗期を迎えたとすれば素晴らしいことですよ(^^)

実は誰も罰を与えたりしません。
自分で自分に罰を与えようとするだけです。(そのように解釈するだけです)

今回の感情についても、「遅れて来た反抗期で正しいものですよ」という解釈もできるし、「いい歳こいて親にそんな思いを持つなんて親不孝だ」という解釈もできます。
どっちが正しいか?ではなく、どっちが幸せか?で選択できるといいですよね。

罪悪感という感情は何かと悪い方に物事を解釈させます。
「昨日、あんなに雨が降ったのも、ポストが赤いのも私のせいだわ」というふうに。

お母さんの影響でしょうか?
もしかすると幼少期から「罪悪感を感じるように」育ってこられたのかもしれません。

そういえば、お母さんに対する反抗期はありましたか?
もし、なければラスボスはお母さんかもしれませんね!(笑)
大いにバトルしていいかと思います。

それは30歳にして精神的に自立し始めた証ですから全然悪いことではありません。

そして、やはり自分自身を許すこと。愛すること。
自分の感覚や感性を大切にすることを今日からより強く意識してみるといいでしょう。
自分がどうしたいのか?何が好きなのか?を日常レベルでたくさん見ていくんです。

飲みものを買うとき、何が欲しいのか?を自分に意識的に聞いてみます。
会社への道すがら、お昼ご飯、お茶タイム、、、自分がどうしたいのか?何が好きなのか?本当にこれでいいのか?などを確認していきます。

「私のためだけの自分時間」を作ることもおすすめしています。
自分のわがままを聞いてあげる時間です。

そうしてより意識的に「自分」を確立していくと反抗期も激しくなりますが、早く抜け出せます。

そして、自分が喜ぶことをぜひ自分のためにしてあげてください。
どんなことでもいいです。
ワクワクすることとか楽しいこととか嬉しいこととか。
何でも構いませんから。

そうして「自分が好き」と言えるところを目指していきましょうね。

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