お小言と説教。



相変わらずかわいい娘は4歳である。
世の4歳娘は、発達した言語機能とママとの各種折衝(甘いお菓子、プリキュアのおもちゃ、しましまタウン、パンダのいる動物園等)を経て会得した高レベル交渉能力により、時に敗北の憂き目に会うママ達に言わせれば、

「マジむかつく。ほんま、もう嫌いになりそうになる」

ということらしい。


一方、仕事などで娘とはほどほどの距離を保ちつつ、もともと言葉で女に勝とうとは夢にも思わないパパ共は、「きついことを言われても、ママよりはまし」と思っていたりして、ふつうに仲良くできるのである。

「ほんとにもう、パパと娘はべたべたしてばっかみたい」

と冷たい目線で語るママの弁も多数ある。

ただ、私の独自調査によれば、パパのぶちゅ~に対し、堂々と頬を拭う娘はかなり希少であるらしい。

さて、そんな娘によるママの痛いところを見事に突く様は、さすがに生まれる前からの付き合いだけあって鋭くかつ、正確で、ママがぐうの音も出せずに困惑する姿を私も何度か目撃している。

もちろん、そんなときに、ママの立場を支持するか、娘の立場を支持するかにより、今日のビールが明日には水道水(絞りたて雑巾水入り)に変わる可能性があるのだから、パパというのはどこにいても神経をすり減らして情勢を見極めなければならない生物と言えるだろう。

無論、時には娘の味方をしなければ、「ママの尻に敷かれた情けない男は嫌い」と今後一切口を利いてもらえないばかりか、拭う以前にぶちゅーをさせてくれなくなる危険性も孕んでおり、時に我が家は非常なる神経戦に突入することがある。

もっとも家庭内における夫並びに父親の役割は、かつては厳格なる家長、現在は柔らか素材のサンドバックであり、戦場だのバランス感覚だの言ってるのはパパ一人という情けない状況にあり、このままでは孤塁に骸を晒すのではないかとの危惧も拭えない。

とはいえ、そんな娘も所詮は4歳の子どもであるからして、さまざまな点で至らないところがあり、ママに注意されたり、怒られたり、お菓子やおもちゃを取り上げられたりしてぎゃーぴー泣いたりもするのである。
当然ながら躾が始まっているため、そのママチェックも厳しくなり、ママvs娘の手に汗握る攻防は日々激しさを増している。(もちろんこの汗は冷や汗である)

さて、ここ数日の間にこんなこともあった。

「食べるの早過ぎ!もっとゆっくり食べきゃダメ!」

「ちゃんと噛まなきゃダメでしょ?病気になっちゃうでしょ?」

「ちゃんと歯磨いたの?ムシバイキンいっぱいなんじゃないの?」

と食事に関してはいろいろチェック項目も増えるのである。

「服、こんなところで脱いじゃダメでしょ。洗濯カゴに入れなさい!」

「ごみはちゃんとゴミ箱に捨てなきゃダメでしょ!」

「また、こんなところ汚してる。ちゃんと手を洗って来なさい!」

と生活指導も非常に厳しくなり、緊張しながらの日々も増えていく。

さらには先に娘が家を出るときには

「ちゃんと鍵を閉めといてね」

とか、

「帰りにミッキーちゃんのチョコレート買ってくるのよ」

とか、挙句の果ては、

「またビール飲んで!。パパ、酔っ払いやん!あかんでえー、なあ、ママ?」

と一日の疲れを癒す一杯のビールにもママとタッグで口出しをしてくるようになった。

ただし、我が家はママもビール&ワインを愛する種族であるので、この小娘の説教にはママもまた耳が痛い。

まるで小姑というか“子姑”である。

正直、肩身が狭い。

とはいえ、「お仕事の前だけど歯磨きして~」とかわゆく首をかしげて頼まれたりすれば、どんなに忙しかろうが、横目に妻の冷たい視線が入ろうが、ついつい「はいはい」と満面の笑みで洗面台に向かってしまうのも寛大なる父親というものなのである。

ふと冷静になって思う。
妻始め、関係各位が見守る中、こういうことを臆面もなくブログに書いてしまう私の度胸を誰か褒めてくれないだろうか。

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