父と娘のお医者さんごっこ。



このところ、わが娘ミズチとの間で流行っている密かな遊びがある。
僕がベッドに横になっていると、ミズチがおずおずと寝室に入り、ドアを閉めて鍵をかけるのである(部屋の鍵の掛け方をマスターしている3歳児というのは怖ろしい)。
そして、ベッドに小道具を持参して持ってきて徐にこう切り出すのである。

「しぇんしぇい、しまじろうが痛い痛いって言うんですぅ。注射してくだちゃい」


普通、父と娘のお医者さんごっこといえば、娘が先生となり、横たわっている父親をああでもない、こうでもないといじくり倒すのが王道だと思われるのであるが、我が家では、父親の権威が保たれているせいか、パパはお医者さん役をさせていただけるのである。

因みに本日は次のようなキャストで執り行われた。

(自称)凄腕のお医者さん ⇒ パパ。
怪我をして泣いている患者さん ⇒ しまじろう3歳(パペット)
患者さんのお母さん ⇒ ミズチ
辣腕の看護師さん ⇒ ミズチ
患者さんの声 ⇒ ミズチ

ミズチは3歳児にして、既に一人3役である。

因みに先ほどの「注射してくだちゃい」は看護師さんの台詞であり、さらにそれに続く会話は次のようなものであった。

看護師さん:「しぇんしぇい、しまじろうが痛い痛い言うんですぅ。注射してくだちゃい」
(そう言って、注射器を医者に渡す)

医者:「どこが痛いの?どこに注射をすればいいの?」
看護師:「しぇんしぇい、ここですぅ。ここが痛いんだって」

(おもむろにぐいっと医者が注射をする)

患者(声):「えーーーーーん!!えーーーーーーーーーん!(絶叫)」
お母さん:「しまじろう、痛くないでちゅよ。ねぇ、しぇんしぇい?」
看護師:「注射したところにお薬を塗るですよ。はい。痛くないでしゅよ」
患者(声):「えーんえーん、痛いよーー」
看護師:「はい、痛くないですよー。はーい、治ったですよ」
お母さん:「しまじろう、静かにしなさい!ママ、怒るよ!」
看護師:「じゃあ、次はコレです、しぇんしぇい」

(そう言って聴診器を医者に渡す)

看護師:「ここと、ここですぅー。ここが痛い痛いってしまじろうが言うんですぅ」

(医者が言われるがままに聴診器をあてがう)

看護師:「しぇんしぇい、ちゃんとしてくだちゃい!!」

(渋々きちんとあてがう医者)

看護師:「どうでしゅか?先生。だいじょうぶですね。もう帰っていいでしゅよ」
患者(声):「えーん、えーん、痛いよー、痛いよー」
お母さん:「もう、だいじょうぶでしゅよ。おうち帰るでしゅよ」

(お母さんと患者退場。鍵を開けて部屋から出て行く。)

(数秒後、再び、ドアを開けてお母さんと患者さん登場。鍵をかけて訴えかける)

お母さん:「しぇんしぇい、また、痛いって言うんですぅ。注射打ってください」

(このト書きの最初に戻って続ける)

今日はこの芝居を5回ほど繰り返しました・・・。
因みにサボると非常に怒られます。
因みにしまじろうが痛いのは、ミズチが何度も虐待したからです。

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