倉庫にて書籍の棚卸しをして腰を痛めそうになった件。



私は作家であると同時にあちこちを旅してセミナーをしている。
そして、各地でお土産(?)代わりに買っていただこうという小癪な作戦により本を手売りしている。よって地方への旅支度はその重量のほとんどを書籍が占めることとなり、飛行機に乗ろうものなら間違いなく「HEABY」のシールをぺたぺたと貼られるほどである。(なので最近は宅急便という便利なシステムを利用して会場やホテルに送っている。)
おそらく自分の本に関しては書店さんよりもAmazonさんよりもはるかにたくさん売ってきた自負もある。

さて、たいへんありがたいことに発行部数とはあまり関係なく何年か前より執筆の依頼をたくさんいただいている。
来るもの拒まず、据え膳はありがたく食っちまう性格のため、書店さんからは「根本さん、本、出しすぎ。並べられないですよ」と苦情をいただくほどにたくさんの本を書かせていただいている。
本が出れば出版社から義理も絡めて数十冊~数百冊の本を著者割引で購入する。それを関係各所に「宣伝ヨロシク!」と一方的に送り付けたり、各地を巡る際にいたいけなセミナー参加者たちに「本、いかがっすかー!今、旬ですよー!新鮮でめっちゃうまいっすよー!」と声を張り上げて売りつけたりするのである。

そうすると自然と我が家には段ボールに積まれた書籍があれよあれよと山積みになっていくこととなる。
あるとき私の部屋が書斎なのか本屋の倉庫なのか判別できなくなってきたので、これはまずいと家の近所のレンタルボックスと契約し、在庫をそこに保管することにしたのである。

そもそも私は整理整頓があまり得意ではない。
気が向いたときにだだだーっと片づけをする性質で、したがって気が向くまでは我が家の書斎はあちこちにいろんなものが散乱し、猖獗を極めることとなる。
きちんと整理整頓された部屋を好む妻は「ちゃんと片付けてよ!」と説諭することをいつしか諦め、気が付けば私の書斎にめったに足を踏み入れなくなっている。
そんな私がレンタルボックスを借りた暁には「部屋に入らない本をテキトーにその辺に置いておく」という形でそのスペースを利用することになる。

さて、税理士から「決算のため、本の在庫数を教えて報告せよ」という丁寧かつ厳密な指示が来ていたので、本日、久々にレンタルボックスに赴いたのである。
足の踏み場がない、という言葉はこのことか、というくらい、2畳のスペースに段ボールが所狭しと並べられていた。

なんとなくきれいに並べられているように感じたので写真を撮ってみたのだが、よくよく見れば、なかなかのカオスであった。

さて、整理整頓は苦手な癖に、変にマメなところがある私は、正直に書籍の在庫を数え始めた。
出版した本の数が多いということは、その分、種類もたくさんあり(少なくても20種類)、それらの在庫数をきちんと数えるということは、地味な上に、なかなか骨が折れる作業である。

罪悪感本や執着本がいくつかの段ボールから出現し、それまで数えていた数字が分からなくなって混乱したり、ベストセラーになったからと大量購入したままスペースを占めている自己肯定感本や疲れたときに読む本などが日本を3周くらいしないと捌けないのでは?と思うくらいたくさん出てきたりした。

途中で飽きて投げ出さなかった私は偉いと思う。

あちこちに点在していた本をなるべく1か所にまとめ、在庫を数え、そして、段ボールに中身の本を書く作業をひたすら繰り返した。
この辺、ショップ店員さんは月に1回とかすごいペースで棚卸しをされてるそうであるから、ひたすら尊敬の念が湧き出た。

さて、みなさんも想像が付くと思うが、本は紙でできており、紙はあんがい重いのである。
「いい筋トレになるぞ!」と思っていたのははじめの15分くらいで、残りは「腰痛になりませんように」とひたすら願いながらの作業であった。

そうは言ってもめちゃくちゃ数があるわけではないので1時間くらいで作業は終了したのだけど、この秋晴れの過ごしやすい空気の中、さらに空調が効いたレンタルボックスのスペースに居ながらけっこうな汗をかいた。

東京のセミナールームにもそれなりの在庫があるのだが、それはスタッフの幸一君が丁寧に数えてくれてたのでものすごく助かっている。彼は顔に見合わずとてもマメな性格でとても助けられているのである。

そして、腰の張りを多少感じつつ自宅に戻り、東京と大阪に保管してある本の在庫を計算してみたら、これまたなかなかの数で「これは日本を10周くらいしないと捌けない量なんじゃないか?」と危惧されるほどであった。

ご存知の通り、今年の春からオンラインでのセミナーがメインとなっており、東京以外にはほとんど出かけていない私である。
オンラインでは「お土産に本でもいかがっすかー?」の掛け声は虚しく響くばかりなので、この半年間、この在庫はほとんど減っていないことになる。
このままでは1年後も同じだけの在庫を抱えるばかりでなく、この1年に出る本が新たに加わることになるので、来年はさらに腰痛の危機を迎えると思われる。

そろそろ各地を講演会やセミナーでめぐり、いたいけなセミナー参加者に脅しの一発でもくれながらこの在庫を売りさばいていく必要性をひしひしと感じた。
とりあえず、東京以外の街に出かけていけないのは渇望を越えて、切なくもなってきているので、お気に入りの店を行脚する目的を果たすためにも動き出すべき時期なのだろう。

とはいえ、腰を痛めそうになるほどにたくさんの本を、それぞれの編集者が制作し、出版社が発行し、そして、各地の本屋さんが並べてくださっているのである。
そして、何よりもその本を読者の皆さんが貴重なお金を払って買って読んでくださっていると思えば、この在庫の山は私だけでなく多くの人の思いが詰まった宝の山である。
そうして、たくさんの方々に支えられているからこそ、ぶつぶつ文句を言いながらも棚卸しができるのだと思えば、ただひたすらありがたいことである。
やはり、そんな皆さんにオンラインだけでやり取りするのは忍びない。たとえ少人数になろうとも直接赴いて顔を見せて話をするのが礼儀なのだろうと思う。

ということで、再び出張生活を始める大義名分が整ったので、これよりスケジュール帳をにらめっこしながら今後の予定を決めることとする。

みなさま、本当にいつもありがとうございます。
そして、お近くに赴いた際にはぜひ会いに来て頂けたらと思います。
そんな機会をこれから作っていきたいと思いますので。

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