東京出張初日。平河町~西新宿~新宿三丁目~自由が丘~白金の旅。



東京にやって来た。あるあるだけど、少ない日程ゆえに予定がパツンパツンになる日がある。今日がまさにそんな日。

東京駅から平河町へ。ふだん立ち入ることのないハイソなオフィスタワーは自然とテンションがあがる(笑)できるビジネスマンを演じるつもりだけど、スーツケースを引き、荷物がパンパンに詰まったリュックを背負ってるのでイマイチ場違いな気がする。

慣れぬ場所ではエントランスにて迷い、エレベーターに戸惑い、アウェー気分も満載である。カッコいいスーツに身を固めたOLさんたちに紛れて11階へ。

6月に出る予定の罪悪感本の打ち合わせ。担当編集者が突然退職してしまい、あやうく路頭に迷いそうになったが、新しい担当の編集長が内容をしっかり読み込んでくださっていてホッとする。

20年来書きたかったテーマなので、いつも以上に熱弁を振るう。そもそも私の場合、作家と編集者の関係は農家と料理人に例えられると思っていて、私が作った野菜を編集者がどう料理していただけるのかはとても楽しみであり、同時に不安でもある。それで無理に時間を作って挨拶がてら厨房を覗きに来た次第である。その不安は杞憂に終わり、楽しみがまた増した。

ビルを出ると花散らしの強風があたりを吹き抜けており、帽子が飛ばないように空車のタクシーを待つ。道路を挟んだ向かいでは豪快に桜が飛んでいる様子が見える。大阪の我が家近くではまだ満開になっていない桜も、ここではもう散り初めなのだ。

ずーっと気になっていたのに、訪れるのは全く初めてのパークハイアット。プライバシーを重視した作りなのか、ユニークな作りになっていて早速さ迷う。スーツケースを引いているため、何人ものスタッフに「お泊まりですか?荷物をお預かりしましょうか」と訪ねられる。

「今日は泊まりでなく、アトリウムで打ち合わせなんですよ。」と言い訳をする。「今日は」にアクセントを置くのはささやかな見栄である。

なかなかこの角度から都庁を眺めることは少ない。そして、穴場なのだろうか。金曜日の昼下がりなのにアトリウムに人は少なめである。

天井が高いのは開放的な気分にさせてもらえるので、セッションでなけれぱひたすらぼーっとしていたはずだ。

アフタヌーンティーセットはあちこちのホテルでいただいてきたけど、ここはこのタワー(と個人的に呼んでいるもの)以外に前菜やら菓子類が次々運ばれてくるシステムだ。さすがパークハイアット。

お茶も変更自由だし、お値段以上の素晴らしさだった。

セッションもなかなか濃い内容で、男心から夫婦から恋愛の話題が次々出てくる。個人的にはとても楽しかったのだけど、参加者の皆さんも喜んで頂けたのだろうか。

あっという間に時間が過ぎて、再び車上の人となり新宿三丁目に向かう。ここから副都心線で自由が丘に向かうのだけど、せっかく新宿に来たのだからと馴染みのテーラーに顔を出す。

春秋もののスーツと、カジュアルなシャツをオーダーする。スタイリストのカオリーヌにここを紹介してもらって以来、スーツを着る喜びに目覚めている。首がとても太いので市販のシャツでは残念なことになってしまうのだがセミオーダーのこのお店ではその不満はあっさり解消される。以来、贔屓にさせてもらっているのであるが、もともと服に頓着ない私としては、カオリーヌにネギを背負わされて鍋に飛び込まされた感が否めないのである。

今回仕立てたスーツは来月末に出来上がる。とても楽しみである。

時間はかなり迫っており、急ぎ自由が丘に向かう。ギリギリ到着して90分しゃべり倒す。実習もなく、質疑応答もない、独演会であった。もう少し時間を調整して、せめて質疑応答は、と思うのだけどついついあれもこれもと延長してまで話し込んでしまう。

それが楽しいのでしゃあないことにしよう。

このまま神楽坂に帰るのも良いのだけど、今日はその手前に宿を取っている。地元出身の運ちゃんに自由が丘界隈の街の変遷をレクチャーしてもらっているとあっという間にホテルに着く。

唯一空いているバーに降りて料理をオーダーし、遅い夕食を軽めに済ませる。ようやく一息付けた感がして、深く息を付く。

このあとは部屋に戻り、湯を溜めてゆっくり浸かる予定である。

あわせて読みたい