別れ話は変化を求めるサイン。



ラブ・カウンセリング

優しくて何でもあわせてくれる彼、私のことをちゃんと受け止めてくれる彼、私の希望を叶えてくれる彼、いわゆる草食系の彼・・・。

表面的には二人、とても仲良しです。

別れ話をしている間も、二人でいると恋人同士みたいな雰囲気を醸し出します。
「君が納得してくれるまで、いつまでも付き合うよ」
と優しく言ってくれるし、デートに誘えば普通についてきます。


でも、ベッドに誘うと「それはもうできないんだ。別れられなくなるから」と断られたり、先々の予定については堅く口をつぐんだり、時々そうしてヒヤッとさせられることが増えていって、「ああ、やっぱり彼は別れ気なんだな」と寂しくなります。

とはいえ、一緒にいると仲がいいし、相変わらず私のことを大事にしてくれるし、メールも返事はきちんと、電話だって取ってくれる・・・何かやり直せそうな気もするんですよね。

友だちに相談しても「きっと彼はまだあなたのことが好きなのよ」と言われて励まされます。

でも、「優しい彼からの別れ話 」に書いたように、こういうタイプの彼は、何ヶ月、何年も前から「別れ」に向けて着々と準備を進めていきます。

それに今までの彼女との付き合いで、感情に振り回されることに慣れているので、とても頑固です。テコでも動かない!という意志の強さ、頑固さを感じます。

けど、優しさがアダとなって悪い男になりきれません。
だから、彼女から見ればまだやり直せそうな、思わせぶりな態度を取ってしまいます。

そして、彼女が感情的なことを知っているので、できるだけ平温にことを進めようとするのですが、かえって彼女には「まだ気があるんじゃ?」と誤解されてしまうんです。
じっと我慢して、気長に伝えていけば、彼女の性格だから、いつか切れて別れを受け入れてくれるだろう、という作戦ですが、思った以上に彼女も粘り強く、なかなか折れてくれません。

一方、彼女は、これまで彼は自分の言うことを全部受け入れてくれたんだから、やり直すことも、私が変わることも認めて受け入れてくれるはずだし、そうすべきだ、と感覚的に思います。コントロールする癖が全然抜けないわけですね。

だから、「私は変わるんだから、あなたとは別れないわ」「これだけ頑張ってるんだから、認めてよね」という態度を彼に押し付けてしまうんです。
これは二人がうまく行っているときの「今度の日曜はディズニーランドに行きたいから予約しといて」「私頑張ってるよね?部長が言ってること、間違ってるよね?」という態度とさほど変わりません。

付き合うときの態度と、別れようとする態度って、同じなんですよね。

勢いで付き合っていた人は勢いで別れようとするし、別れ話を切り出されたら、勢いでよりを戻そうとします。
草食系な付き合い方をする人は、やはり草食系な別れ方をするようです。

心の癖“パターン”です。

私達はよく「習慣が問題を作る」と言うのですが、まさに自分が無意識的に持っているパターンが問題を作り、そして、新たな変化を拒みます。

でも、別れも復縁も、それまでとは流れを変えようとするわけですから、今までのやり方では通用しないのです。

今までは優しさで、彼女のことを受け入れてきた彼だとしたら、そのままの態度ではなかなか別れ話は受け入れてもらえません。
だから、心を鬼にして、彼女にひどいことを言ったり、拒絶したりしなければいけないのです。
(それくらいの気持ちにならなければ別れ話なんてできないんですけどね)

時にこういう彼側からご相談を頂くことがあります。

「どうしたら別れられますか?」と。

『今までと同じやり方では分かってもらえませんよね。だから、もっと感情的になって、思いのたけを彼女にぶつけてみるほうがいいですよ』

とアドバイスしたりします。

(実は、普段押えていた感情をあらわにすることで、別れたい気持ちが、やっぱり好きだ、付き合いたい、に変わることだってあるんです。気持ちというのもは移ろい易いものです。)

彼女側にも同じです。

『今まで自分を押し付けることばかりされてきたんですよね。だから、今は彼の本音、ずっと我慢してきた気持ちに目を向けて、それを理解しようとしてみませんか。あなたの基準で彼を判断するのではなく、彼の価値観に耳を傾けてみませんか?』

これも自分を変える、ということです。

やはり、そうして彼の気持ちを受け入れることで、彼のことを本当の意味で理解することができます。(今までは自分の価値基準に彼を合わせさせていましたから)

そうすることで、彼に対して今まで上からだった目線が、徐々に対等となり、肩肘張らずに素直な自分、ありのままの自分を彼の前で表現することができます。

楽になった分、彼女の魅力はますます開いていきますし、また、彼のことももっとピュアな気持ちで愛することができます。
そして、その彼女に、再び彼が恋をする可能性も少なくないんです。

今までよりもトゲが取れて少し優しくなった彼女に「君は本来、そういう優しさをたくさん持った女性だと思ってたんだ。今までは無理に頑張りすぎていて、ちょっと辛そうだった。でも、今は自然で輝いていて、とても魅力的に見える」と彼が言ってくれるかもしれないのです。

せっかく付き合った彼と彼女が別れるのは切ないし、忍びないんです。
だから、二人の間に訪れる危機は、新たなステージに向かう壁だと思っています。
だから、今までとはやり方を変えて、新しい自分へと成長することで、次のステージへと進むことができるのです。

一方、結果的に別れを選択するにしても、それは“発展的解消”でお互いに納得し、そして、笑顔で、将来のお互いの幸せを祈りながら別れるのが理想と思うのです。

「この二人、何とかやり直せないだろうか?」ということばかり考えてきました。
だから、危機を乗り越えた二人の話や、失意のどん底から幸せを見つけた方の話を聞くのはとても嬉しいことです。でも、実は、嬉しいよりも、ホッとする私もいるんですね。良かった~、と心から思い、つい脱力してしまいます。
一応、見た目はできるだけ平静を装うようにしておりますけれど(笑)

自分を変えるには強い抵抗を伴います。否定された傷も痛みます。
でも、それをチャンスと捉え、新たな成長を目指すことで、必ず、“幸せな結果”が訪れます。

だから、どんな状況にあっても、できることはまだまだあります。

カウンセリングをしていると「もう最悪の状態で、後が無い」と感じてる方も多いです。
確かにその絶望の深さや重みはよく分かります。
でも、そんな状態でも「まだまだできることはたくさんありますよ」とお伝えします。

「大丈夫ですよ。まだまだ、余裕なくらいです。できること、いっぱいありますから、まずは一つずつクリアにしていきましょうね」

今日も、昨日も、そんな言葉をかけさせていただきました。

「今は“再選択”のときですよ。だから、まずは“彼が私のパートナーとして相応しい10の理由”を熟考の上、作ってみてくださいね。あ、今、ちょっと嫌そうな顔しましたね?」

「“私、こんなにいい女じゃん”という証拠を、友人・知人からかき集めてくださいね。今日からインタビューアとして、走り回ってくださいね。あ、今、えっ?て顔してますけど本気でやると大きなギフトが来ますよ。」

ちょっと嫌だな、恥ずかしいな。自分を変えるということは、そんなところからでも十分スタートできるのです。

ちょっと勇気がいるけど、そこから得られるものは、自信、自己承認、確信、愛情、信頼、許しです。

新たな自分と新たな二人の関係のために、勇気ある一歩を踏み出したいですね。


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